ヨギボズQAとはEngawaYogaオーナーKiyoshiと高野山真言宗の阿里僧侶が読者の質問に対して回答したもの(ヨギーとボーズの回答集)となります。
その場のノリに任せて回答しておりますので至らない点や少々眉をひそめる回答もあるかもしれません。
寛大な心でお読みいただければと思います。
ヨギボズQAの回答集は以下にございます。
ご興味があればご覧ください。
では今回の内容をどうぞ。
もくじ.
質問:阿字観、月輪観という瞑想はどんなものなのですか?
阿字観瞑想とは、真言宗に伝わる瞑想法(観法)です。
真言宗はご存知ですかね。高野山の方が有名ですかね。
かの有名な空海さんが、当時の遣唐使として中国へ渡り、恵果和尚から直接伝授された密教ですね。真言密教と呼ばれております。(ちなみに、このあと大陸では密教が滅んでいくそうです)
真言密教の中でいくつかの瞑想法があります。
いくつかあるのでしょうが、むしろたくさんあるのでしょうが密教という名前のごとく、公にされておらず世間に公開されている瞑想が阿字観瞑想となり、阿字観(あじかん)や月輪観(がちりんかん)、阿息観(あそくかん)があります。もちろん密教なので世間には出ない瞑想法だけでなく、印や修行法が沢山あることでしょう。
ラッキーなことにこの阿字観瞑想は世間に公開されており体験することができるのです。(ただし、阿字観瞑想の資格を保有したものだけが教えることができるそうです)
詳しいことは阿里僧侶に任せて、ヨギーのKIYOSHIはノリで書いていきますのでよろしくお願いします。本当にノリです。
阿里坊主が阿字観瞑想を教える資格を所有していますのでEngawaYogaスタジオでは、定期的に瞑想会を開くことができております。
回答:”衆生本来仏なり!!!”を思い出すのが瞑想のひとつの目的。そして阿字観瞑想も同じはず BY KIYOSHI
ぼくの立場は、ただのヨギーなので密教の専門的なことはわからないですし、的が外れているかもしれませんので、参考程度にお願いします。
そもそもヨガにおける瞑想は、ディヤーナといい、三昧を目指すものです。三昧の状態が瞑想状態ということです。宇宙全てがわたしであるという境地でもあります。
目指すといっても努力するのではなく、あくまでも「起こる」のに任せることになります。自身でコントロールすることはできませんからね。
仏教と一緒で、任せていくことで「起こる」を待つような感覚です。
そういったヨガと瞑想のことも頭の片隅置いといて、参考にして頂ければと思います。
1200年前から伝わる阿字観とは、「衆生本来仏なり」を思い出すものだと個人的に思っています
阿字観(あじかん)は、密教の根本経典の一つである『大日経』(大正蔵:№848)において初出し、主に密教において説かれる瞑想法であり、日本では、平安時代の弘法大師空海によって伝えられたとするものを指す。
ということです。
”阿”がポイントですね。
梵字の”阿”が御軸に書かれているのですが、それを見つめて、心の中に”阿”を灯すのです。
それが六根清浄と言われるように、自分の感覚や意識がキレイに清らかにされていくのです。
梵字の力は偉大ですね。(このような絵や曼荼羅を使った瞑想はヨガでもあります)
”阿”を自分の心へと一体化していくことで、本来の私自信が仏であることを思い出していくことになります。
1200年前からやられている瞑想法なんですよね、阿字観瞑想は。
奥深いですし、それを現代でもできるというのは貴重です。すごいことですよね。
効果としては以下が期待できるそうです。
1.下品の成就ならば、死の間際に当たる人が、むしろ生き返る。
2.中品の成就ならば、虚空に昇るが如き大自在の境地を得る。
3.上品の成就ならば、すなわち「無上正等覚」に至る。
ちなみに、「下品な人」の下品、「上品な人」の上品は仏教用語ですよ。豆知識までに。
上品(じょうぼん)、下品(げぼん)と読みます。
おいといて。
難しいことは考えず、阿字観を体験していくのが一番です。
ある程度の理解は必要ですが、それよりも自分の心と身体に何が起こるのかを観察していきましょう。
瞑想全般に言えますが、阿字観瞑想は心を整えることにとても有効に思っています。実際は高めるタイプの瞑想なんですけど、わたしの実感は調整作用が強く感じました。これは人それぞれですね。
わたしの個人的な瞑想体験では、身体や心のスッキリ感が強いです。
今は科学的にも脳波を測定して、瞑想の効果を検証しています。
マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想などの言葉も聞いたことがあるでしょう。
これらに共通していることは、一定期間続けると「ストレスに影響されなくなる」もしくは「感情をコントロールできるようになる」ということがわかってきております。
仏教では六波羅蜜という、悟りへと行く道が説かれておりますが、その中に出てくる禅定というのは、瞑想やヨガをやることに通じることでもあるのです。
阿字観瞑想は作法や心構えなど沢山あるのですが、そこはプロの阿里僧侶に任せておきましょ。
前段階となる数息観、阿息観などの行法もあります。
長くなるので、次に月輪観について、簡単に書きますね。
月輪観は、エネルギーを高めるのにとても有効に思えました
御軸に”阿”が書かれておりますが、その周りに月輪があるのです。
月輪観はこの月輪を心に灯し、そして拡大して無限大まで広げる瞑想になります。
気功の大周天みたいですね。エネルギーを高めるタイプの瞑想になります。(既に瞑想をたくさんやられており十分に高まっている人は、恐らく、さらに高めるよりも心身が調和させる作用があるように思いました。阿字観と一緒ですね)
実は、これは僕の尊敬するある世界的施術家のところで、オススメの瞑想法を聞いたら、「伊藤君、月輪観がいいんじゃないか」と言われました。
以外なところを勧められてびっくりしたのを覚えています。その施術家は神道もマスターされている方でした。話しを戻します。
でも、こうやって真言密教の僧侶と一緒に瞑想クラスやっているんですから、月輪観もちゃんとやらない方がもったいないでしょうから、ヨギボズでは積極的に阿字観瞑想を取り入れたいと思っています。(それにしても、ご縁がありますね)
私の心が月輪となることを通して、これもまた仏を思い出す瞑想になるのかと思います。
瞑想はすべて、自分を知ることであり、衆生本来仏であることを思い出すことであり、梵我一如が真実であることを見出すことです。
是非、試してみてください。
瞑想は一人では続きにくいので、みんなで一緒に座って瞑想をやりましょう
瞑想法は阿字観、月輪観以外にもたくさんあります。
ヨガにおける瞑想法もたくさんあります。
色々と試しながら、自分にあった瞑想を続けてみてください。
ゆるめる瞑想(ヨガではヨガニードラといいます)もオススメです。
真我を見出さなくてもいいので、楽しく生きられたり、心の動揺が減ったり、ストレスに翻弄されることが減るなど、期待できることが多くあります。
続けていくことが重要です。変化は突然起こりますが、変化までは継続が必要です。
何事も継続なのですね、瞑想も頻度と回数を増やしてぜひ継続されてみてください。
脳機能としても変化あるそうですが、脳というのは変化を嫌いますので一定期間コツコツと脳に「瞑想状態はとてもいいぞ、体にいいぞ、心にいいぞ、最高だぞ」と何度も座って覚えさせてください。
すると脳も瞑想の影響を受けて、変化していきます。いわゆるストレスに強い脳であったり、客観的に物事を把握することができる脳であったりと、能力がアップされていくようです。
瞑想というのは一人では続けにくいものなので、是非、通ってみることをオススメします。
登山と一緒で一人もいいですが、仲間とやるのもいいものです。
みんなと一緒にやることで集中力も場の力も高まります。お待ちしております。
回答:奥義は師僧から弟子への伝授によってのみ伝えられており、秘密にされているのが密教なのです。 BY 阿里
阿字観は真言密教の瞑想法です。
阿字観とは、弘法大師空海を開祖とする真言宗に伝わる瞑想法(観法)です。
真言宗は真言密教とも言われます。密教とは秘密仏教の略でして、その奥義は師僧から弟子への伝授によってのみ伝えられており、一般には非公開となっております。まさに秘密の仏教なのです。
密教には観法と言われる真理を感得する瞑想法があるのですが、それらもまた非公開です。
ですが、僧侶ではない一般の衆生にも、悟りに至る道として公開されている観法がありまして、それが阿字観なのです。
阿字観瞑想の阿字とは
真言宗の根本本尊は大日如来という仏さまです。
この仏さまは宇宙の真理の象徴とされており、その大日如来さまのシンボルが阿字という梵字です。つまり阿字とは、大日如来さまであり、そしてこの世の真理そのものなのです。
真言宗では、この宇宙の物は全てその根源に阿字を内包していると説きます。
すべての万物、つまり色々な動物や植物など生きとし生けるもの、そして地・水・火・風・空の自然から全ての物質まで、さらにはあなた自身にも、その根源に阿字という真理を持っているのです。
全てが根源に阿字があり、そして全てが阿字でつながっているのです。
阿字観という瞑想とは
阿字観は、まさにその阿字の一字を観ずる瞑想法です。
真言宗の根本経典である大日経には「菩提(ぼだい。仏の心のこと、つまり悟り)は、実の如く自心を知ることである」と説かれてます。
実の如く自心を知るとは、つまり自心の根源に阿字という真理があり、そして全ての宇宙と区別なくつながっていることを知ることが、仏に近づく道ということです。そしてそのことに「気づく」観法が阿字観です。
阿字の観じ方には種類があります
阿字にも観じ方に種類がありますので、それらをご紹介します。
■阿字の[音声]を観ずる阿息観(あそくかん)
「阿ーーーーーー」と発声することで、声の中に阿字を観ずる方法です。
呼吸、吸う息の中に自然から自分に入ってくる阿字を観じ、声を通して吐く息の中に自分から生じる阿字が自然に広がっていくことを観じます。
特にたくさんの方と一緒に阿息観をしますと、全員の「阿」の声が渾然一体となり響き渡り、瞑想を深めいざなう空間を形成します。これを「音声法界(おんじょうほうかい)」と言います。
■阿字の[形相]を観ずる月輪観(がちりんかん)
月輪とは、満月のことです。
月輪観は満月の形を通して、あなたの心と無限の宇宙がつながっていることを観ずる方法です。
月輪観本尊のお軸から、欠けることのない円満な、玲瓏な光をたたえる清浄な、月輪を心に観じます。その月輪が確かに自心に浮かび上がれば、次第に自心の月輪を大きくしていき宇宙全体に広げていきます。
自心と月輪と宇宙が一体になりつながっていることを観じます。
「我れ、自心を見るに、形、月輪の如し」(菩提心論)
■阿字の[意義]を観ずる阿字観(あじかん)
阿字観は瞑想の対象となる阿字観本尊に秘められた深い意義を観じます。
月輪の中に、蓮の花、そして大日如来さまの阿字が描かれたものが阿字観の本尊です。これを阿蓮月(あれんがつ)と言います。
- 月輪:心が円満で清浄であること
- 蓮花:泥中でも綺麗な花を咲かせる蓮から、煩悩にも汚れない自浄を知ること
- 阿字:宇宙の真理であり、全てが根源においてつながっていること
この意義を深く観じ、仏が自分に入り自分が仏に入る一体の境地「入我我入」に至ります。
ヨガと阿字観の関係
真言密教の修法を三密加持(さんみつかじ)、または三密瑜伽(さんみつゆが)と言います。
密教では修行者のことを瑜伽者と言うのですが、この瑜伽(ゆが)という言葉の語源は、実はヨガなのです。長い歴史の経緯によりその言葉の意味に差異はあれど、元をたどればヨガと密教には深い関連性があるのです。
そして、ヨガで目指す「梵我一如」の境地、密教の目指す「入我我入」の境地、とても通ずる所があります。
そういった意味でも、ヨガと阿字観は親和性が高いのです。ですから、よぎぼずではヨガと阿字観を行っている訳です。
私が考える阿字観
これも良く話しているのですが、私は悟りたいのに悟ることのできない凡夫です。瞑想をしていると「あ、これが真理なのか」と思う瞬間が時としてあります。
しかし、それを感じたからと言って、悟ることはできず、煩悩からも苦しみからも逃れられておりません。
真理に至れない、悟ることのできない凡夫で、ですから何が真理なのかも確証を持って言えないような私ですが、それでも阿字観を学んだ時に特別な思いを感じました。
古今東西、宗教問わず、世界中の覚者と言われる方々が語る真理を知っていくと「これ表現違うだけで、もしかしたら同じこと言っているんじゃない?」と考える事があります。
それぞれ色々な表現をされているのでわかりずらいけど、その共通性に真理があるのではないかと思う時があるのです。これは同じこと考える人たくさんいるのではないかなと思います。(もちろん共通性ばかりではなく、確かに違う所もあるのだけれども)
そして阿字観を深めた境地に、その真理との共通性をやはり感じたのです。
その時にこう思いました。
「ああ阿字観は安心して続けて良い瞑想なんだ」
この気持を今でも大事にして、凡夫でも悟りに至る道と信じて阿字観を続けています。
終わりに:阿字観瞑想は難しいのだが
阿字観は難しい瞑想です。真理は言葉で語ることができません。阿字本不生不可得だからです。
ですが、このヨギボズQAを読んで少しでも阿字観に興味を持って頂いて、一緒によぎぼずで阿字観できたら幸いです。
一緒に瞑想をしましょう。お待ちしております。
終わりに
不定期ですが、まだまだ更新していきますので少々お待ちください。
「ヨガをより楽しめるように」
「瞑想がより起こりやすくなるように」
「日常生活の深刻さが減少するように」
ご活用頂ければうれしく思います。
それではより素晴らしい日々が送れることを祈っております。
・Kiyoshiの紹介 → Kiyoshiプロフィール
・阿里坊主の紹介 → 阿里坊主のプロフィール