BORN TO YOGというヨガメソッドを教えています。
ヨガのポーズにおいて、今ある目の前の分かりやすい変化も時にはとても大事で重要なことです。
ですが、ヨガをすることを長期的に見た時の体や心の変化の方もとても大切にしています。
長く続けていくことでしか成し得ないことってありますよね。
ヨガは体を柔軟にすることだけではなく、身心共に整えていくこともできますので、毎日実践していくことをオススメしています。
BTYのクラスの中ではいつも基本のアライメント、コツやテクニックはもちろん個人にあったアドバイスを経験を基にお伝えしています。
私もヨガを実践しているので日々の微妙な変化や気付きもありますが、アサナにおいてのやり方やコツは驚くほど簡単でシンプルなものです。
クラス中にはそれをだし惜しむことなく伝えています。
人によって言葉を変えたりニュアンスを変えることもありますが、毎回同じことを聞かれれば同じ答えを返します。
ですが面白いことに、同じ質問や問題を何度も何度も問いかけてくるんですよね。
なぜでしょうね。
まあ、私も同じことを何度も聞くのでその気持ちはよく分かりますよ。
分からない、分かっていないから何度も聞く
何度も同じ質問をするのは、聞いた本人がその答えを分かっていないからです。
質問の答えを聞いて、答えの意味がわからないこともあれば、言っていることは解るけど実際にはできない、分かったつもりでいたけど違っていたなどそれぞれあると思います。
とにかく、答えを聞いている今の自分の耳でしか聞いていないので、分からないのだと思います。
当たり前の事ですが、聞いているのは自分で、答えを言っているのは自分ではありません。
なので、できていない自分の耳や体や脳で聞いていても分からないのです。
そりゃそうですよね、私と相手は違う人間なんですから。
体や心や練習量、いろんな物が違えば答え方や解釈も違ってきます。
なので、私は質問されたら答えはいつもなるべくシンプルにするように心がけています。
答えを聞いたらあとは素直にやってくれるだけでいいのですが、なかなかどうしてできないんですよね。
頭では解っているけど体がついてこないのは脳と体が連動していないということですね。
あとはそもそもの問題で筋力や柔軟不足であったりもします。
もうこれらは間違いなく量をこなすしかありません。
量をこなしていけば、必ず変化してきます、必ず。
そして変化した先でもまた疑問が湧いてきます。
だいたい同じ質問をしてきます、これもまた必ず。
ですが同じ質問をしたとしても自分の心と体は前の自分ではありません。
成長をしてまた違った角度や感覚から質問できていきます。
成長してもやはり分からないことは分からないのです。
分かったと思っても成長していくことでまた同じ疑問にぶち当たります。
そんな時はいつでも何度も聞いてきてください。
答えはいつも同じです。
とは言えコツを教えるとすぐにできちゃう人もいますよね
質問して、答えを聞いて次のタイミングでできちゃう人がいます。
新しいアサナをすんなりとできちゃう人がいます。
そういう人は日々の練習の中で常に自分をアップデートし続け、身心共に整っている状態なのだと思います。
体の準備ができている人。
答えをくれた人の言っていることが分かるのです。
分かる体、分かる耳になっていると言ったらいいでしょうか。
よくコツを聞くなら聞ける体になれと言っています。
質を語るにはまずは量をこなせとも言っています。
コツを聞いてそれがすぐにできる体や脳があります。
元々の才能もあるのでしょうが、だいたいは日々の練習の賜物だと私は思います。
ヨガのいいところは体を隅々まで使いほぐしていくことで、何か一つ深まると他のところも相乗効果で深まっていくというところです。
何か一つを練習するのももちろん素晴らしいことだと思いますが、満遍なく全身使っていくのが良い感じに自分が育っていく感覚が好きですね。
学ぶタイミング
学ぶタイミングは人それぞれだということ。
一回聞いて分かる人、何度も何度も聞いて分かる人、一生わからない人。
一生分からないはさすがに寂しいものがありますが、そんな人はあまりいないでしょう。
私も実際何度も何度も同じ質問を投げかけるタイプです。
何度も聞いて体に馴染ませたい時もあれば、単純に分からない時、分かったと思った後にさらに分からなくなった時、分かった先に出てくるさらなる謎。
全部ほとんど同じ問いです。
ですが聞いてる本人は全部微妙に違うニュアンスで聞いています。
そして、答えはいつも同じと分かっています。
答えというものはそんなに簡単には変わりません。
それでいいのです。
一つの答えに自分が寄っていく。
そして、自分が本当に分かったタイミングでしか分からないのです。
こればっかりはしょうがないです。
教える側が一生懸命教えても、受け取る側がどう受け取るか次第になります。
分かった時にしか分かってくれないのです。
それでいいんです。
そんなもんです。
相手にお任せです。
教える立場の人間は今自分のできることを精一杯やって、あとは相手に委ねる。
そこにいろいろな感情が入ります。
分かってほしい、気付いてほしい、何かをあげたい、と。
でもそれらは全て相手次第になります。
分かるのも気付くのも、受け取るのも、全ては相手次第、相手のタイミングでのみ起こります。
例えば自分が100回言って分かってくれなかったことを他の人が教えた101回目で分かったとしたら、どんな気持ちになりますか。
自分がそれまでに100回言ったことが無意味な事だと思いますか。
そんな事ないですよね。
今までの100回があってこそ101回目に分かったという事です。
その100回が自分の時もあれば、違う誰かが言い続けてくれていた事かもしれません。
分かる時はこちらの想いに関係なくそれは起こります。
受け取る側の何がそうさせるのでしょうね。
終わりに:常に自分を更新していく事で物事の理解度が上がってくる
受け取る側は答えが欲しくて質問します。
答え、欲しいですよね。
答えをくれたのにも関わらず。その答えが理解できなかったらもったいないですよね。
理解できても体が動かなかったら悔しいですよね。
どっちにしても疑問に思った事はすっきりしたいものです。
そのためにもいつでも聞ける耳、聞いて理解出来る脳、聞いて動き出せる体が必要なんじゃないかなと思います。
人の意見を素直に聞ける力、判断せずに受け入れるのは結構難しいです。
そして言われたことをこれまた素直に理解できる脳、自分のフィルターにかけずに理解するのはなかなか難しいです。
そして、言われたことをそのまま表現できる体。
今まで自分がどういう生活や練習をしてきたかで体の動きは変わってきます。
脳を鍛えるのは運動しかないと言います、耳も体の一部です、体を動かすには何でもいいので運動が有効だと思います。
今欲しい答えのためにも、未来のなりたい自分にとっても、前向きな学びのためにも常に体を整えておくと必要な時に必要なことがすんなりと手に入っていくように思います。