過去を手放し「今ここ」を生きる:腰を守る丹田呼吸

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人生を変えたいと思うタイミングがあるかと思います。 そんな時、私たちはつい新しい何かを付け足そうとしがちですが、本質的なアプローチは逆と言えるでしょう。
不要なものを手放し、身軽になること。
今日はミニマリズムの思想にも通じる「過去への執着を手放すこと」と、ヨガの実践において身体の土台を作る「丹田呼吸」についてお話ししていきたいと思います。

 

過去は過去として終わらせる

過去はすでに過ぎ去ったものです。 過ぎ去ってしまったからこそ過去と呼びます。 過去の出来事を現在に持ち込んで患っても、何も新しいものは生まれません。
これは過去の経験が無意味だと言いたいわけではなく、過去はあくまで過去として完結しているという事実を受け入れるということです。

終わってしまったことに縛られ、過去を今に持ち込んでどうにかしようとする人がいます。
しかし、この行為は非常に疲れますし、エネルギーを無駄に消費して疲弊していくだけでしょう。
なぜなら、過去の事実を今さら変えることはできないからです。 出来事に対する見方や解釈を変えることは可能であっても、起きたことそのものを覆すことは不可能です。

東洋思想の歴史を振り返ると、過去への執着を手放すことの重要性が繰り返し説かれてきました。 仏教には「無常(むじょう)」という根本的な教えがあります。
これは、この世のすべてのものは常に変化し続け、同じ状態にとどまることはないという真理を指す言葉です。
過去の栄光や失敗にしがみつくのは、この宇宙の法則に逆らう行為に他なりません。
また、禅の言葉には「放下着(ほうげじゃく)」というものがあり、これは心の中の執着や煩悩をすべて投げ捨てよと教えています。

ヨガ哲学においても同様のアプローチが存在します。
パタンジャリが編纂した『ヨーガスートラ』に記される八支則(はっしそく:ヨガの実践における8つの段階)の中には、「アパリグラハ(不貪・不執着)」という徳目が示されているのです。
所有欲や過去へのこだわりを捨てることで、人は本来の自由で純粋な状態へと戻っていくことができるとされています。

過去に生きないこと。 まだ来てもいない未来の不安にわずらわされないこと。 今という瞬間に念を入れて生きる。
結局は、今ここでどうするのかという一点に尽きるのではないでしょうか。

 

腰を守り、今に根ざすための丹田呼吸

心を「今ここ」に留めておくためには、身体の安定が欠かせません。
私は東京のど真ん中で「都会で覚醒すること」をテーマにヨガや瞑想を伝えていますが、実践の中で特に重視しているのが腰の安定です。
私自身、アサナ(ヨガのポーズ)をとことん深めていくENQANというメソッドを長く続けていますが、これまで腰を痛めることなくやり抜けています。
その身体的な秘訣が「丹田呼吸(たんでんこきゅう)」の活用にあるのです。

丹田とは、おへそから数センチ下にある、東洋医学や武術などで気(生命エネルギー)が集まるとされる場所を指します。
英語圏のヨガや太極拳の研究領域においても、下丹田を意識した呼吸が腰痛の予防や体幹の安定に寄与することが数多く指摘されてきました。

私の身体感覚としては、丹田呼吸を行うことで、お腹や腰といった体幹周りを筒のように強くしていくイメージを持っています。
クラスではよく「腰を埋める」という表現で説明しております。
腰をしっかりと安定させ、地に足をつけることで、全身のエネルギーがブレなくなり、真っ直ぐな逆転のポーズなどの助けにもなるのです。

 

呼気で腹を張り出す実践方法

それでは、丹田呼吸の具体的なやり方を解説します。
初心者の方向けにお伝えすると、最大のポイントは「呼気(こき:息を吐くこと)」の時の使い方にあると言えるでしょう。

普段の自然な呼吸では、息を吐く時にお腹が凹むのが一般的かと思います。
しかし丹田呼吸では、息をスーッと吐き出しながら、丹田のあたりからお腹を外へ向かって張り出すように圧をかけるのです。
呼気で張り出す。 日常の呼吸とは逆の動きになるため、最初は違和感を覚えるかもしれません。

息を吐きながら腹部を膨らませることで、腹圧が高まり、腰椎(ようつい:腰の骨)が内側からコルセットのように強く支えられます。
この内側からの圧力が、身体を筒のように強固にし、腰への負担を劇的に減らしてくれるのです。
この方法は非常にオススメなので、ヨガの練習中だけでなく、日常の立ち座りの際にもぜひ取り入れてみてください。

 

心身の余白が人生をアップデートする

過去への執着を手放すことも、丹田呼吸で身体の土台を固めることも、実は同じ方向を向いています。
それは「今ここ」に自分を存在させ、無駄な力みを取り除く作業に他なりません。
古い感情や使わない思考を手放すと、そこには新しいエネルギーが流れ込む「空(くう)」のスペースが生まれます。
身体も同じで、丹田にしっかりと重心を落とすことで肩や胸の余計な緊張が抜け、深い呼吸が入ってくるようになるのです。

終わってしまったことに縛られず、今この瞬間に意識を向けてみましょう。 そして、スーッと息を吐きながら丹田を力強く張り出してみてください。
身軽になった心と安定した身体があれば、人生はいつからでもアップデートしていけるはずです。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。