過去の物を捨てて「今」を生きる。ヨガ哲学とミニマリズムから学ぶ執着の手放し方

365days

過去に必要だったけれど、今はもう使っていない物が私たちの周りにはたくさん存在しています。

なぜ、私たちは過去の物を手放すべきなのでしょうか。

その答えは、今の自分に不要な執着を手放し、心と空間に新しいエネルギーを受け入れる余白を作るためです。

 

実家にある過去の遺物たちと向き合う

先日、実家に帰ったときのこと。

共有の本棚に私が大学時代に使っていた数学の専門書が並んでいました。

手に取ってみると懐かしさが込み上げてきますが、中身は驚くほどさっぱり理解できません。

「当時の自分はよくこんなに難しい数式と格闘して卒業できたものだ」と感心してしまいます。

実はまだ数学の知識をどこかで使おうと思っている部分もあるのですが、それにしても不要な本はたくさんありますよね。

基本的に私は、そういった過去の本を迷わず処分するタイプです。

愛着がある専門書であっても、本当にこれから本気で使おうと思っている数冊を除き、手放すようにしています。

過去の思い出の品は、良い塩梅で必要としている人の元へ循環させるのが一番よい選択だと考えているからです。

個人間のやり取りは手間がかかるので、適切な買取サービスなどに引き取ってもらうのが良いでしょう。

そうしないと、過去の遺物によって「今」というかけがえのない瞬間が圧迫されてしまいます。

 

写真や思い出の品を手放す意味

私は過去の思い出の物をどんどん手放していく性分を持ち合わせています。

写真はクラウドに適当に保存していますが、パソコンの中にもそれほど多くは残していません。

現像された生の写真はすべて処分しましたし、日常で撮るスナップも定期的に消去しています。

ブログのトップ画像でさえ、もう使わないとなればためらわずに削除していく方針です。

なぜなら、データであっても物量が多いと、探し物をするときの手間や管理の労力が増えてしまうからです。

現代は情報過多の時代であり、物理的な空間だけでなくデジタル領域におけるミニマリズムも非常に重要になってきます。

うまいこと管理する方法を探すより、物の総量そのものを減らすことが、あらゆる快適さの基本と言えるでしょう。

トロフィーや賞状といった過去の栄光を証明する品々も、私はすべて手放しました。

過去の栄光を口に出したくなる時は、得てして現在の自分が調子を崩していることの現れだったりします。

ヨガ哲学には「アパリグラハ」という教えがあります。

これはサンスクリット語で「不貪(ふどん)」を意味し、必要以上のものを所有しない、執着しないという紀元前からの歴史を持つ思想です。

古代インドで体系化されたこの哲学は、私たちが本来の自己と繋がるための大切な道しるべとなってきました。

物や過去の栄光に執着すればするほど、変化に対する柔軟性が失われ、人は本質的に弱くなってしまいます。

強く生きるためというよりは、弱くならないために余計なものを削ぎ落としていくのです。

 

親の常識や古い価値観もデトックスする

物質的なものだけでなく、心の中にある古い価値観を捨てることも大切だと感じています。

子どもの頃に親から教わった常識、過去に所属していたコミュニティのルール、あるいはかつての成功体験などがそれに該当します。

時代は常に移り変わるため、その時々で有効な知識や知恵は変化していくものです。

東洋思想の根底には、すべてのものは絶えず変化し続けるという「諸行無常」の世界観が流れています。

仏教の基盤ともなっているこの歴史的背景を紐解くと、不変のものは存在しないという真理に行き着きます。

もちろん、「十分な睡眠をとる」「人を作るのは習慣」「継続は力なり」といった根本的な真理は時代を超えて役立つため、そのまま大切にすれば問題ありません。

しかし、特定の時代や環境でのみ有効だったローカルな価値観は、今の自分を縛る鎖になり得ます。

守り続けることで自分が不幸になってしまっては本末転倒ですよね。

美味しくいただいた食事も、消化吸収された後は体外へ排出されるのが自然な摂理です。

それと同じように、かつて自分を助けてくれた有益な教えであっても、今不要であれば感謝とともに流してしまいましょう。

いらない習慣や古い価値観を握りしめたままでは、心の風通しが悪くなり、重たく淀んだ空気をまとってしまうかもしれません。

 

究極のミニマリズムは「ゼロ」

突き詰めて考えれば、最終的にはすべてを捨ててしまって構わないと思っています。

なぜなら、人はいつか必ず死を迎えるからです。

少し極端な表現に聞こえるかもしれませんが、死ぬ時にはゼロになるのが最も自然な姿だと考えています。

老荘思想などの東洋哲学でも「無為自然(むいしぜん)」といって、あるがままに生き、執着を持たずに世界と調和することが説かれています。

いつかはすべてを手放すという事実を深く理解した上で、今この瞬間を最大限に楽しむ。

死という避けられない結末があるからこそ、日常の何気ない出来事を大切にできるという側面もあるはずです。

部屋の奥底で使っていないものを後生大事に抱え込んでいても何も生み出しません。

無理に自分と向き合うような重苦しい儀式も不要ですので、直感でいらないと感じたものは淡々と手放していけばよいのです。

恐怖心をベースに持っている物は恐怖を引き寄せ、悲しみを伴う物は悲しみを引き寄せます。

だからこそ、ネガティブな感情と結びついている品物は、余計なことを考えずに迷わず捨ててしまいましょう。

 

終わりに:昔の自分に必要だった物は、今の自分には必要ない

過去の自分が重宝していた物は、たいていの場合、今の自分にはもう役割を終えた物ばかりです。

思い出が詰まっているからという理由だけで残しておく気持ちもわかりますが、過去の記憶だけに浸り続けるのは少し寂しい生き方のように感じます。

世界にはもっと楽しいことが溢れていますし、私たちはこれからも新しい思い出を無限に創り出していくことができるからです。

物質的に何も持っていない状態でも、機嫌よく楽しく生きられる方が、心身ともに健全だと言えるでしょう。

その身軽な土台の上に立って、新しい資格の勉強をしたり、能力を磨いたりしていけば十分なのです。

昔の自分に必要だったものが手元になくても、不思議となんとでもなります。

もちろん、年代物で歴史的な価値があるアンティークや美術品を捨てろと言っているわけではありません。

そうした貴重な品は、適切な専門機関や次の持ち主に引き継ぐのがよい選択です。

ここでお伝えしたいのは、普段まったく使っていないのに、ただなんとなく置きっぱなしになっている日用品や過去の遺物のことです。

これらをしっかりと手放していくことは、私たちが変化し続ける上で非常に重要なプロセスとなります。

あなたの周りにも、過去のエネルギーを放つ物がたくさん眠っているのではないでしょうか。

思い立ったが吉日、今日という日にまとめて丸っと手放して、身も心も軽やかになってみませんか。

 



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。