ヨガを推奨しております。
前回、「ミニマリストゲーム」のお話をしましたが、その中で触れた「過去の残骸(ペインボディ)を浄化する」という点について、もう少し深く、静かにお話ししたいと思います。
私たちはよく、「部屋は心の鏡だ」と言います。
しかし、もう少し踏み込んで言うならば、「部屋は過去の記憶の貯蔵庫」でもあります。
あなたが何気なく所有しているモノの中に、実はあなたのエネルギーを吸い取り続ける「幽霊」のような存在が潜んでいるとしたら、どうでしょうか。
ペインボディとは何か?
「ペインボディ(Pain-body)」とは、現代の覚者エックハルト・トールが提唱した概念で、私たちの中に蓄積された「過去の感情的な痛み」の集合体のことです。
古い悲しみ、怒り、後悔、屈辱、満たされなかった思い。
これらは消えてなくなったわけではなく、エネルギーの塊として私たちの身体や無意識の領域に寄生し、時折目覚めては、私たちをネガティブな感情へと引きずり込みます。
そして厄介なことに、このペインボディは「モノ」に憑依します。
モノは単なる物質ではなく、記憶と感情のアンカー(錨)だからです。
モノに宿る「重たい周波数」
具体例を挙げましょう。
痩せたら着ようと思っている高価なジーンズ:
これを見るたびに、あなたの無意識は「今の自分は太っている」「目標を達成できていないダメな自分」という自己否定のメッセージを受け取っています。これは未来への希望ではなく、現状への呪いです。
別れた恋人からのプレゼントや手紙:
たとえ今は吹っ切れているつもりでも、そこには当時の執着や、別れの時の痛みの周波数が微かに残っています。それを持ち続けることは、エネルギーレベルで過去のタイムラインと繋がり続けることを意味します。
高かったけれど使いにくくて放置している家電:
これを見るたびに、「無駄遣いをしてしまった」という後悔や、「元を取らなければ」という欠乏感が刺激されます。失敗の記憶をわざわざ部屋に展示しているようなものです。
読みかけで積んである本、やりかけの教材:
「学ぶべきだ」「成長すべきだ」というエゴのプレッシャーと、「できていない」という罪悪感を発生させ続ける装置になっています。
これらはすべて、あなたの部屋にある「ペインボディ」の分身です。
一つひとつは微弱なノイズかもしれません。
しかし、これらが部屋中に溢れているとどうなるか。
あなたの家は、リラックスできる聖域ではなく、無意識のうちに自分を責め、過去に縛り付ける「重たい磁場」になってしまうのです。
帰宅するとなぜかドッと疲れる、やる気が起きない。それは、ペインボディたちにエネルギーを吸われているからかもしれません。
「浄化」としての処分手順
では、どうすればこの幽霊たちを成仏させられるのでしょうか。
単にゴミ袋に放り込むだけでは、心の奥のしこりは消えません。
必要なのは、意識的な「儀式」としての処分です。
モノと対峙し、感情を感じ切る:
そのモノを手に取り、湧き上がってくる感情(罪悪感、悲しみ、未練)を直視します。逃げずに、「ああ、私はこのモノに対して、こんな痛みを感じていたんだな」と認めます。ヨガで言う「サクシ・バーヴァ(目撃者の視点)」です。
「今の私」との関係性を問う:
「これは今の私を幸せにするか?」「今の私の波動に合っているか?」と問いかけます。過去の自分ではなく、「今、ここ」の自分の感覚を信じます。
感謝と謝罪(ホ・オポノポノ):
「私のところに来てくれてありがとう」「役目を果たせなくてごめんなさい」「私に大切な気づき(自分には不要だという気づき)を与えてくれてありがとう」と心の中で伝えます。
コード(繋がり)を切るイメージ:
そのモノと自分の間に繋がっているエネルギーのコードを、ハサミでチョキンと切るイメージを持ちます。そして、「さようなら」と声に出して、ゴミ袋やリサイクルの箱に入れます。
このプロセスを経ることで、モノは単なる「物質」に戻り、そこに付着していた重たい感情エネルギーは浄化されて消えていきます。
空間が軽くなると、過去が書き換わる
ペインボディとなっていたモノたちが部屋から消えると、不思議なことが起こります。
部屋の空気が、物理的に明るく、軽くなったように感じるのです。
それはオカルトではなく、あなたが無意識に放っていた「過去への執着」や「自己否定」の重たい周波数が消えたからです。
空間に「空(スペース)」ができると、あなたの意識は自然と「過去」から「現在」へと戻ってきます。
過去の残骸に足を取られることなく、軽やかに未来へと歩き出せるようになります。
「過去を書き換える」とは、過去の出来事を変えることではありません。
過去の出来事に付随していた「感情的な重荷」を今ここで下ろし、その出来事をただの「事実」に還してあげることです。
クローゼットの整理は、心のデトックスです。
今度の休日は、あなたの部屋に眠る小さな幽霊たちを見つけ出し、光の元へと送り出してあげませんか?
その軽やかさは、きっとヨガのクラス一回分以上の効果があるはずです。
ではまた。



