サレンダーしていく日々と充足感

365days

ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが単なるフィットネスでも美容法でもなく、私たちが握りしめている「コントロール」という名の幻想を手放し、大いなる流れに身を委ねる(サレンダーする)ための、唯一無二の道だからです。

今日は、コメントをくださる大空さんが大切にされている「ハートから生きる」というテーマを入り口に、現代のヨガが忘れかけている本質的な「信頼」と「降参」について、少し辛辣さを交えつつも、静かにお話ししてみたいと思います。

 

マインドの防衛システムと「自立」の罠

「ハートから生きる」「直感に従う」。
よく耳にする言葉ですが、実際にそれを実践するのは容易ではありません。
なぜなら、私たちの「マインド(思考)」が、あまりにも巧妙で、強力だからです。

マインドは常に損得を計算し、安全を確保しようとします。
「そんなことをしたら損をする」「危険だ」「笑われるかもしれない」
ハートが発する「理屈に合わない提案」を、マインドは恐怖心という武器を使って即座に却下します。

本来、自分を守るために作られたはずのマインドの防衛システム。
しかし皮肉なことに、それは今や私たち自身をがんじがらめに縛り付ける「檻」となってしまっています。
私たちは無意識のうちに、この檻の中で、見えない不信感に怯えながら生きているのです。

その不信感の裏返しとして現れるのが、「過剰な自立心」です。
「自分の力で、自分を守らなければならない」
「私がコントロールしなければ、すべてが崩れ去ってしまう」
そうやって歯を食いしばり、肩に力を入れ、一人で世界と戦おうとする。
これを現代社会は「自立した大人」と賞賛しますが、ヨガの視点から見れば、それは「分離(エゴ)」の極致であり、消耗への特急列車に乗っているようなものです。

 

消費社会とルッキズムというノイズ

現代の消費社会は、この「不信感」と「欠乏感」を煽ることで成り立っています。
「今のままのあなたでは不十分だ」と囁き、新しい服を、新しい化粧品を、新しい資格を買わせようとします。

ヨガの世界でさえ、例外ではありません。
「痩せなければ」「美しくなければ」「解剖学的に正しくなければ」
そうやって鏡の前でポーズの形に執着し、解剖学の知識で頭をパンパンにすることは、マインドの防衛システムを強化しているに過ぎません。
はっきり言いましょう。
シックスパックに割れた腹筋も、完璧なアライメント(姿勢)の知識も、サマーディ(三昧・悟り)には一切関係ありません。
むしろ、それらへの執着は、ハートの声を聞こえなくさせるノイズになり得ます。

ルッキズム(外見至上主義)に踊らされ、解剖学という「正しさ」で自分をジャッジしている限り、私たちはいつまでもマインドの檻から出ることはできません。
ヨガは、身体を飾るためのものではなく、身体を通して「私」という拘束衣を脱ぎ捨てるための営みなのです。

 

全体への完全なる降参(サレンダー)

いくらマインドが頑張ってコントロールしようとしても、宇宙全体の流れから見れば、個人の力など微々たるものです。
最後は必ず、敗北します。老いには勝てず、死には勝てず、運命の流れには抗えません。
だとしたら、いつ潔く降参するかです。

この「降参」のことを、ヨガでは「イーシュヴァラ・プラニダーナ(自在神への祈念・降参)」と言います。
英語ではサレンダー(Surrender)、仏教的な言葉を使えば「南無(ナム)」です。

これは「諦め」ではありません。
自分の小さな意志を手放し、大いなる全体の意志(全体性)を完全に信頼して、身を委ねることです。
川の流れに逆らって泳ぐのをやめ、力を抜いて仰向けになり、流れそのものに運ばれていくこと。
「どう転んでも、私の人生はうまくいっている」という、根拠のない、しかし絶対的な信頼。

手放す前には、この信頼が必要です。
不信感を抱えたまま手放すことは、バンジージャンプの紐を信じずに飛び降りるような恐怖でしかありません。
だからこそ、私たちは日々、マットの上で、あるいは縁側で、小さく手放す練習をするのです。
思考を止め、コントロールをやめ、ただ呼吸に身を任せる。
その時、マインドの騒音が消え、ハートの静かな声が響き始めます。

 

充足感は「不在」の中に

このブログは、自立して頑張りすぎて、もう疲れてしまったあなたに向けて書いています。
自力で泳ぐことに限界を感じ、進むべき道も見えなくなってしまった。
その消耗と絶望は、決して悪いことではありません。
それは、あなたが次の段階へとシフトするために避けては通れない、大切なプロセスだからです。

究極的には「分離した自己の不在」という真理に気づくことで、すべての旅は終わります。
しかしその前の段階として、まずは自分の人生の流れを信頼してみる。
ハートをエネルギーの源とし、マインドの損得勘定ではなく、魂の歓び(アーナンダ)に従って選択してみる。

最近いただいたDVD『ザ・パワー・オブ・ザ・ハート』でも、そのことが語られていました。
私の元にもハートに関するメッセージが立て続けに届くのは、これからの人生において、ハートこそが羅針盤であることを改めて教えてくれているのだと感じます。

 

小さな積み重ねが、信頼を育む

サレンダーと言っても、いきなり人生のすべてを投げ出す必要はありません。
日々の生活の中で、小さなことから整えていくことも、自分自身(身体という神殿)への信頼を育む行為です。

食物繊維やたんぱく質などの栄養を、自分の身体のために選んであげる。
睡眠は最低7時間を目指し、思考を休める時間を確保する。

こうした小さな見直しだけで、血糖値の乱高下という身体の「揺らぎ」が減り、血圧も脂質も落ち着いてきます。
身体が安定すれば、心(マインド)も静まりやすくなります。
無理のない範囲で体重が落ち、数値が安定するのは、あなたが自分自身と戦うのをやめ、調和し始めた証(あかし)です。

特別なテクニックも、高価な道具も、難解な理論も必要ありません。
ただ、できる日に、できる分から、自分を大切にする習慣を積み上げていく。
その一つひとつが、「私は大丈夫だ」「全体に守られている」という信頼の土台となり、やがて来る完全なるサレンダー(南無)へと繋がっていくのです。

戦うのをやめた人から、本当の充足感は訪れます。
そろそろ、降参してみませんか。

ではまた。

 



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。