子供の頃の自由な感覚を取り戻す方法【ヨガの視点から解説】

自己啓発

ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが大人のための「学び」ではなく、私たちがかつて持っていた感覚への「回帰」だからです。
私たちは何か新しいスキルを身につけようと必死になりますが、実は本当に必要なものは、すでに遠い過去の記憶の中に眠っているのかもしれません。

皆さんは、子供の頃の感覚を覚えているでしょうか。
夏の日の夕暮れ、時間を忘れて遊び回ったあの頃。
明日への不安もなく、過去への後悔もなく、ただ「今、ここ」に全身全霊で存在していた、あの圧倒的な自由の感覚です。

今日は、私たちがなぜ大人になる過程でその自由を失ってしまったのか、そしてヨガという古代の智慧を使って、どうすればもう一度その「子供のような心」を取り戻せるのかについて、少し深く、静かにお話ししてみたいと思います。

 

私たちはいつ、自由を失ったのか

子供の頃、私たちは「何者」でもありませんでした。
ただの「命」であり、純粋な「エネルギー」でした。
地面に寝転がっても服が汚れることなど気にせず、変な顔をして笑い合い、理由もなく走り出すことができました。
そこには「他人の目」というフィルターが存在しなかったからです。

しかし、成長するにつれて、私たちは少しずつ「社会化」という名の教育を受け始めます。
「ちゃんとしなさい」「人に見られたら恥ずかしいでしょう」「将来のために勉強しなさい」
これらの言葉は、社会で生きていくために必要なルールとして私たちにインストールされました。
しかし同時に、それは私たちの自由な魂に、一枚また一枚と重いコートを着せていくような作業でもありました。

「良い子でなければならない」「優秀でなければならない」「空気を読まなければならない」
こうして形成されたのが「エゴ(自我)」であり、「ペルソナ(仮面)」です。
大人になった私たちは、あまりにも分厚いコートを着込みすぎて、自分自身の肌感覚さえ忘れてしまっています。
現代社会における息苦しさの正体は、この脱ぐことのできなくなった重いコート、つまり「過剰な自意識」と「社会的な役割」にあるのではないでしょうか。

 

ヨガとは「脱ぐ」プロセスである

ヨガの教えにおいて、私たちの本質は「プルシャ(純粋意識)」であるとされます。
それは生まれながらにして完全で、自由で、永遠に輝いている光のような存在です。
子供の瞳がキラキラと輝いているのは、このプルシャが曇りなく外の世界を映し出しているからです。

しかし、成長とともにその光は「心の作用(チッタ・ヴリッティ)」や「煩悩(クレシャ)」といった埃によって覆い隠されてしまいます。
ヨガの練習とは、何かを足して立派な人間になることではありません。
この積もり積もった埃を払い、分厚いコートを一枚ずつ脱いでいくプロセスです。

「私は部長だ」「私は母親だ」「私はもう若くない」
そういったラベルをすべて剥がし、ただマットの上で呼吸をする一人の生命体に戻る時間。
難しいポーズをとることが目的ではありません。
ポーズの中で、身体的な緊張(肉体のコート)と、精神的な緊張(心のコート)を解いていくこと。
すると、ふとした瞬間に、あの子供の頃に感じていたような、根拠のない全能感や、世界と溶け合うような安心感が顔を出すことがあります。
それが、ヨガが目指す「本来の自分」との再会です。

 

「結果」ではなく「遊び」として生きる

現代社会の最大の問題点の一つは、すべてを「結果」や「生産性」で評価しようとすることです。
仕事はもちろん、趣味や休日、果てはヨガや瞑想においてさえ、「どんな効果があるのか?」「何分やればいいのか?」と効率を求めてしまいます。
これでは、心は常に「未来」に囚われ、「今」を楽しむことができません。

子供の遊びを見てください。
彼らは「将来役に立つから」積み木をしているわけではありません。
「健康にいいから」鬼ごっこをしているわけでもありません。
ただ、楽しいから。ただ、やりたいから。
その行為そのものが目的であり、喜びなのです。
インドの哲学では、神がこの世界を創造した行為を「リーラ(Lila)」と呼びます。
これは「遊び」という意味です。
宇宙の本質は、深刻な労働ではなく、軽やかな遊びなのです。

ヨガの練習もまた、リーラ(遊び)であるべきです。
ポーズが完璧にできなくてもいい。瞑想中に雑念が湧いてもいい。
「ああ、今日は身体が重いなぁ」「思考があちこち飛んでいくなぁ」と、その状況さえも面白がってみる。
自分の不完全さを許し、ジャッジせず、ただその場を楽しむ感覚。
この「遊び心」を取り戻したとき、私たちは大人としての責任を果たしながらも、心の内側に自由な子供のスペースを確保することができるようになります。

 

スピリチュアルな視点:インナーチャイルドを癒やす

スピリチュアルな文脈では、私たちの中に傷ついた子供の心、「インナーチャイルド」が住んでいると言われます。
「もっと甘えたかった」「本当は泣きたかった」「ありのままの自分を認めてほしかった」
そういった過去の未消化な感情が、大人の私たちの行動を無意識に制限していることがあります。

ヨガや瞑想の深い静寂の中で、時に理由もなく涙が溢れてくることがあります。
それは、長い間無視されてきたインナーチャイルドが、「やっと気づいてくれたね」と安堵しているサインかもしれません。
そんな時は、湧き上がる感情を止めず、ただ優しく抱きしめてあげてください。
「もう頑張らなくていいよ」「そのままで素晴らしいよ」と、かつての自分に声をかけてあげるのです。
過去の自分を受け入れ、癒やすことは、現在の自分を自由にするための最強の鍵となります。

 

日常に「子供の時間」を取り戻す

では、マットの外で、私たちはどうすれば自由を取り戻せるでしょうか。
いくつかの小さな提案をさせてください。

・「意味のないこと」をする時間を設ける
生産性ゼロの時間を作ってください。ただ空を眺める、目的もなく散歩する、落書きをする。
意味を求めない時間は、脳のデフォルトモード・ネットワークを休め、創造性の源泉を開きます。

・身体感覚に正直になる
「お腹が空いた」「眠い」「これが食べたい」。
子供のように、身体からのシンプルな欲求に耳を澄ませ、可能な限り叶えてあげてください。
頭(思考)ではなく、腹(直感)で生きる練習です。

・「すごい!」と口に出してみる
子供は世界のすべてに驚きを見出します。
道端の花、夕焼けの色、雨の匂い。
大人は「ああ、花ね」「夕焼けね」と知った気になってスルーしてしまいますが、意識的に「すごい!」「きれい!」と言葉にしてみてください。
感性のアンテナが磨かれ、世界が再び鮮やかに色づき始めます。

 

終わりに:あなたは、もともと自由だ

私たちは、何かを成し遂げるために生まれてきたわけではありません。
ただ、この世界という遊び場で、命を輝かせるために生まれてきました。
社会的な役割や責任はもちろん大切ですが、それに飲み込まれて、あなた自身の魂の輝きを失ってしまっては本末転倒です。

子供の頃の自由は、失われたわけではありません。
分厚いコートの下で、今も静かに、あなたの帰りを待っています。
ヨガは、そのコートを脱ぎ捨て、裸の魂に戻るための安全な場所です。

縁側に座って、足をぶらぶらさせながら、子供の頃のように風を感じてみませんか。
難しい顔をして考えるのはやめて、まずは深呼吸一つから。
自由への扉は、いつでもあなたの内側に開かれています。

ではまた。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。