41.マインドフルネスとは「気づき」の筋肉を鍛えること

自己啓発

「マインドフルネス」という言葉を、近年、耳にする機会が格段に増えました。グーグルなどの先進企業が社内研修に取り入れたり、医療現場でストレス低減法として活用されたりと、まるで最新の脳科学が生んだ万能ツールのように語られることも少なくありません。しかし、その起源は古く、仏教の瞑想伝統の中に深く根ざした、2500年以上の歴史を持つ叡智です。そして、その本質を捉える最も的確な表現の一つが、「マインドフルネスとは、『気づき』の筋肉を鍛えることである」という比喩でしょう。

私たちの心には、「気づき(Awareness)」という、生まれつき備わった素晴らしい能力があります。しかし、現代社会の絶え間ない情報、刺激、そしてマルチタスクの要求によって、この能力はすっかり衰え、さながら運動不足でなまってしまった筋肉のようになっています。私たちの注意は、スマホの通知、過去の出来事、未来の計画の間を、猿のように目まぐるしく飛び回り(モンキーマインド)、一瞬たりとも「今、ここ」に留まることができません。私たちは、食事をしながら明日の会議を心配し、人と話しながらメールの返信を考え、道を歩きながら心はどこか別の場所にいる。この「心、ここにあらず」の状態、いわゆる「自動操縦(オートパイロット)モード」こそが、ストレスや不満、そして人生からの乖離感を生み出す元凶なのです。

マインドフルネスの実践とは、この衰えてしまった「気づきの筋肉」を意識的に鍛え直すための、いわば「心のジム」でのトレーニングです。そして、その最も基本的なトレーニングマシンが、あなた自身の「呼吸」です。瞑想において、私たちはただ、鼻先を出入りする呼吸の感覚に注意を向けます。すると、すぐに注意は逸れて、何らかの思考が始まるでしょう。その時こそが、トレーニングの始まりです。思考に逸れたことに「気づき」、そして、自分を責めることなく、ただ優しく、再び注意を呼吸へと連れ戻す。この「逸れる→気づく→戻す」という一連の動きこそが、気づきの筋肉にとっての「ダンベルの上げ下げ」に他なりません。一回の瞑想で何十回、何百回と注意が逸れても、それは失敗ではないのです。むしろ、それだけの回数、気づきの筋肉を鍛える機会があった、ということなのです。

この地道な稽古によって「気づきの筋肉」が鍛えられてくると、私たちの人生にどのような変化が訪れるのでしょうか。

まず、感情の波に飲み込まれにくくなります。カッと怒りがこみ上げた瞬間に、その感情に乗り移られて怒鳴り散らすのではなく、その手前で「ああ、今、自分は怒りを感じている」と気づくための、ほんのわずかな「間(ま)」が生まれます。この「間」こそが、私たちに反応(Reaction)ではなく、賢明な応答(Response)を選択する自由を与えてくれます。

次に、世界の解像度が劇的に上がります。自動操縦モードで生きていた時には見過ごしていた、一杯のお茶の香り、窓から差し込む光の美しさ、鳥のさえずり、愛する人の表情の微細な変化に、はっきりと気づけるようになります。人生は、特別な出来事がなくても、それ自体が驚きと喜びに満ちた奇跡の連続であったことを思い出すのです。

この「気づきの筋肉」は、引き寄せの法則を真に理解し、実践するための土台となります。なぜなら、「引き寄せ」とは詰まるところ、「自分の今の周波数(波動)に気づき、それを意識的に望む周波数へと調律する技術」だからです。もし自分の「気づきの筋肉」が衰えていれば、自分が今、不安や欠乏の周波数を発していること自体に気づけません。気づかなければ、変えようがないのです。マインドフルネスは、自分の内なる世界の現在地を正確に知るための、高感度なGPSのようなものです。

さらに、マインドフルネスは、宇宙からのサインやシンクロニシティに気づくための「受信感度」を高めてくれます。ぼんやりと自動操縦で生きていては、目の前に現れたチャンスや、ふとした会話の中に隠された重要なヒントを見過ごしてしまいます。「今、ここ」に完全に注意を払っている時にのみ、私たちは人生が常に送ってくれている微細なメッセージをキャッチすることができるのです。

マインドフルネスとは、どこか遠くにある特別な精神状態を目指すものではありません。それは、あなたが今いる場所で、あなた自身の身体と心を使って行う、最も地に足のついた稽古です。この「気づきの筋肉」を日々鍛えることは、あなたをストレスから解放するだけでなく、あなた自身が持つ本来の創造力を目覚めさせ、人生の主導権を自分の手に取り戻すための、最も確実で、最もパワフルな道となるでしょう。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。