「頑張る」をやめる練習。エネルギーの「前借り」を返済し、緊張を手放すヨガ的な生き方

自己啓発

ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが「何かを成し遂げるための訓練」ではなく、「自分自身へとくつろいでいくための帰還」だからです。

私たちは幼い頃から、「頑張ること」を美徳として教えられてきました。
歯を食いしばり、痛みに耐え、限界を超えて努力する。
そうすれば、素晴らしい未来が待っていると。
しかし、大人になった今、ふと立ち止まってみてどうでしょうか。
私たちは確かに多くのものを手に入れましたが、同時に、常に何かに追われているような、得体の知れない疲労感と共に生きてはいないでしょうか。

今日は、現代人が無意識に行っている「エネルギーの前借り」という危険な取引と、そこから抜け出し、本来の穏やかな生命力を取り戻すためのヨガ的なアプローチについて、深く掘り下げてお話ししたいと思います。

 

「エネルギーの前借り」とは何か?

朝、目覚まし時計の音で飛び起き、コーヒーでカフェインを流し込み、栄養ドリンクで気合を入れる。
満員電車に揺られながら、今日のタスクを脳内でシミュレーションし、身体を戦闘モード(交感神経優位)に切り替える。
これは、現代社会では「当たり前の日常」とされていますが、エネルギーの観点から見ると、非常に危うい状態です。

本来、私たちが今日使えるエネルギーは、昨晩の睡眠と食事によってチャージされた分だけです。
しかし、私たちはしばしば、その保有量を超えた活動を自分に強要します。
では、足りない分のエネルギーはどこから調達しているのでしょうか?
それは、「未来の自分」からの前借りです。

副腎からアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンを分泌させ、無理やり身体を動かす。
これは、クレジットカードのリボ払いのようなものです。
その場は乗り切れますが、借金(疲労とダメージ)は確実に蓄積され、利子がついて膨れ上がっていきます。
「週末に寝だめすればいい」「休暇でリフレッシュすればいい」と考えがちですが、長期間にわたる前借りは、自律神経の失調や、バーンアウト(燃え尽き症候群)、あるいは原因不明の慢性的な不調として、ある日突然、強制的な「取り立て」にやってきます。

 

現代社会という「緊張の養成所」

なぜ、私たちはこれほどまでに頑張りすぎてしまうのでしょうか。
それは、現代社会そのものが、巨大な「緊張の養成所」になっているからです。

終わりのない競争: 学校教育からビジネスまで、常に誰かと比較され、評価される環境。
情報の洪水: スマホを開けば、輝かしい他人の生活や、不安を煽るニュースが飛び込んでくる。
「生産性」という信仰: 何もしていない時間は「無駄」であり、常に何かを生み出していなければならないという強迫観念。

こうした環境下では、私たちの身体は常に「戦うか、逃げるか(Fight or Flight)」の反応を示し、筋肉は硬直し、呼吸は浅くなります。
この慢性的な緊張状態(過緊張)がデフォルトになってしまい、自分が緊張していることにすら気づけなくなっている人が非常に多いのです。
「力を抜いてください」と言われて初めて、「ああ、自分はずっと肩に力が入っていたんだ」と気づく。
それほどまでに、私たちはリラックスすることを忘れてしまっています。

 

ヨガが教える「スティラ」と「スッカ」

ヨガの根本経典『ヨガ・スートラ』には、アーサナ(ポーズ)の定義として、次のような有名な一節があります。

> 「Sthira Sukham Asanam(スティラ・スッカム・アーサナム)」
> アーサナは、快適で(Sukha)、安定した(Sthira)ものでなければならない。

「スティラ」は強さや安定、「スッカ」は快適さや喜びを意味します。
現代の私たちは、「スティラ(頑張る、耐える)」ばかりが過剰で、「スッカ(心地よさ、くつろぎ)」が欠落しています。
ヨガの練習においてさえ、「もっと深く曲げなければ」「もっとキープしなければ」と、眉間に皺を寄せて自分を痛めつけてしまうことがあります。
それでは、ただの苦行です。

本来のヨガは、緊張を解くプロセスです。
ポーズの中で、無駄な力みが抜けていく場所を探す。
痛みの手前で止まり、そこで深い呼吸をする。
「ここまでしかできない」ではなく、「ここが今の私にとって一番心地よい場所だ」と認めること。
そのとき初めて、エネルギーの前借りではなく、内側から湧き上がる持続可能なエネルギー(プラーナ)の循環が始まります。

 

スピリチュアルな視点:委ねる(サレンダー)という最強の力

スピリチュアルな観点から言えば、「頑張る」ことの背後には、深い「不信」と「恐れ」があります。
「私が頑張らなければ、世界は回らない」
「私がコントロールしなければ、悪いことが起きる」
という、エゴ(自我)によるコントロール欲求です。

しかし、宇宙の摂理(ダルマ)を信頼している人は、過剰に頑張りません。
もちろん、必要な行動はとりますが、結果には執着しません。
これをヨガでは「イーシュヴァラ・プラニダーナ(神への献身・自在神への祈念)」と呼びます。
もっと平たく言えば、「サレンダー(降参・委ねる)」ことです。

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、ヨガ的な生き方は「天命を信頼して、淡々と今を生きる」に近いかもしれません。
大きな流れ(大いなる意思、サムシング・グレート)に身を任せること。
川の流れに逆らって泳ぐのをやめ、力を抜いて仰向けに浮かんでみる。
すると、自分が必死に泳ぐよりも遥かにスムーズに、必要な場所へと運ばれていくことに気づくでしょう。
「頑張るのをやめる」とは、諦めることではなく、より大きな力と調和することなのです。

 

緊張を手放し、借金を返済していくために

では、具体的にどうすれば、この「前借り生活」から抜け出せるのでしょうか。

① 「何もしない時間」をスケジュールに入れる
スマホも見ない、本も読まない、瞑想すらしようとしない。ただ、縁側やソファでぼーっとする時間。これを「無駄な時間」ではなく「エネルギー返済のための最重要タスク」としてスケジュールに組み込んでください。

② 7割の力で生きる練習
仕事も家事もヨガも、常に100点満点を目指すのをやめます。「今日は7割でいいや」と口に出してみる。余力を残して一日を終えることは、サボりではなく、明日への投資です。

③ 身体感覚(フェルトセンス)に戻る
頭(思考)は嘘をつきます。「まだやれる」「もっと頑張れ」と。しかし、身体は嘘をつきません。肩の凝り、胃の重さ、呼吸の浅さ。それらのサインを無視せず、「疲れているね、休もうか」と優しく声をかけてあげてください。シャヴァーサナ(屍のポーズ)は、そのための最高の練習です。

④ 「期待」を手放す
他人への期待、自分への期待、未来への期待。過剰な期待は緊張を生みます。「こうあるべき」という理想のシナリオを手放し、「今のままで十分だ」という充足感(サントーシャ)にアンカーを下ろします。

 

終わりに:ただ、くつろぐために

あなたがこの世に生まれてきたのは、タスクをこなすためでも、誰かの期待に応えるためでもありません。
ただ、生命の喜びを味わうためです。
夕暮れの美しさに息を呑んだり、温かいお茶の香りに癒されたり、大切な人と笑い合ったり。
そんなシンプルな幸せを感じるためには、緩んだ心と身体が必要です。

もう、十分に頑張ってきました。
これからは、勇気を持って「頑張らない」を選んでいきましょう。
エネルギーの前借りをやめ、今持っているエネルギーだけで、丁寧に、穏やかに生きていく。
ENGAWA STUDIOは、そんなあなたが鎧を脱ぎ、ただの自分へと還るための場所でありたいと願っています。

肩の力を抜いて。
深く、吐いて。

ではまた。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。