このゲームのルールは、驚くほどシンプルです。
1日目に、1つのモノを手放す。
2日目に、2つのモノを手放す。
3日目に、3つのモノを手放す。
これを、月末まで、毎日続ける。
ゲームを始めたその日から、日付と同じ数のモノを、毎日手放していくのがミニマリストゲームです。28日間やると406個の物を手放すことになります。
海外でやられている方がおり、これは面白いと思ってやってみました。
私はヨギーなのである種のミニマリストではありますので、それなりに手放してきました。そこでさらにやってみようと思い、このミニマリストゲームをやりました。ミニマルなヨガスタジオの方が練習もしやすく、場の空気も良くなりますので、通って下さっている仲間たちにも好影響だと思います。
実際にさらにシンプルに身軽になりました。当然ですけど、気持ちが楽になります。気持ちが楽になると人生が楽になります。これが大きな流れです。
読まれた方はやってみてください。ゲーム感覚でできますのでおすすめです。
ポイントを3つまとめておきます。
1. 漸進的な負荷
最初の数日間は、非常に簡単です。使っていないペン、読み終えた雑誌、引き出しの奥で眠っていた景品。手放すモノはすぐに見つかるでしょう。この滑り出しの容易さが、行動へのハードルを劇的に下げてくれます。しかし、ゲームが進むにつれて、難易度は徐々に、しかし確実に上がっていきます。15日目には15個、25日目には25個のモノを見つけ出さなければならない。この漸進的な負荷が、私たちの「手放す」という決断の筋肉を、無理なく、しかし着実に鍛え上げてくれます。
2. リズムと習慣化
毎日続ける、というリズムが、このゲームの核心です。特別なイベントとしてではなく、歯磨きのような日常的な習慣として、「手放す」という行為が、私たちの生活に組み込まれていきます。習慣がとても大事です。この日々の反復が、所有に対する私たちの無意識の前提を、少しずつ書き換えていく。努力もいらなくなる。モノは溜め込むものではなく、常に入れ替わり、流れていくものであるという、新しい感覚が育まれていくのです。
3. 遊び心
「ゲーム」という形式は、このプロセスから深刻さを取り除き、遊び心という強力な触媒を加えます。友人や家族とやるのもいいのですが、一人黙々とやるのもお勧めです。困難な後半戦も、「ゲームをクリアする」「自分と向き合う」「モノが減り、豊かさが増える」という達成感があれば、楽しみながら乗り越えることができます。この「遊び」の感覚こそが、義務感では決して到達できない、持続的な変容を可能にしてくれます。
もくじ.
第1週:手放すことに慣れる ―無意識の所有を手なずける稽古―
DAY 1 | 最初の一つ:ミニマリストとしての、静かな産声(1 = 計1個)
DAY 2 | 明らかな不要品:迷いなき決断で、リズムをつくる(2 = 計3個)
DAY 3 | 重複という名のノイズ:「一つあれば、いい」という発見(3 = 計6個)
DAY 4 | 期限切れのモノ:「過去」を物理的に手放すという儀式(4 = 計10個)
DAY 5 | 「いつか」という微かな呪縛:未来の不安との、最初の対話(5 = 計15個)
DAY 6 | 引き出しという名の混沌:見えない場所を整え、心を整える(6 = 計21個)
DAY 7 | 手放した跡の「空間」:ミニマリズムがもたらす、最初の報酬(7 = 計28個)
第2週:自分だけの基準をつくる ―心の執着と向き合う―
DAY 8 | 「高かったから」という幻想:サンクコストの罠から、自由になる(8 = 計36個)
DAY 9 | 「もらったから」という義理:他者の思いと、自分の人生を切り分ける(9 = 計45個)
DAY 10 | 「まだ使える」という正論:モノの寿命と、自分の時間の有限性(10 = 計55個)
DAY 11 | 思い出の品との対峙:記憶はモノではなく、自分の中にあると知る(11 = 計66個)
DAY 12 | 服が語る、偽りの自分:「なりたい私」ではなく、「今の私」を選ぶ(12 = 計78個)
DAY 13 | 本という名の知識欲:「所有」から「通過」へと、学びの形を変える(13 = 計91個)
DAY 14 | 「自分軸」という名の物差し:世間の価値観から、静かに降りる(14 = 計105個)
第3週:生活を再設計する ―ミニマリストとして生き始める―
DAY 15 | ストックを持つ不安を手放す:「足りる」を知る、新しい信頼(15 = 計120個)
DAY 16 | 「代用」という創造性を遊ぶ:一つのモノが持つ、無限の可能性(16 = 計136個)
DAY 17 | デジタル・ミニマリズム:見えない資産(注意力)を取り戻す(17 = 計153個)
DAY 18 | 趣味の道具を研ぎ澄ます:消費から、より深い創造へ(18 = 計171個)
DAY 19 | キッチンの聖域化:「作る」と「食べる」に、意識を集中する(19 = 計190個)
DAY 20 | 大きな家具を手放す決断:空間の哲学を、自らデザインする(20 = 計210個)
DAY 21 | 何もない部屋で、本当にしたいことを見つける(21 = 計231個)
第4週:豊かさを再定義する ―ミニマリズムのその先へ―
DAY 22 | 「減らすモノがない」という壁:ミニマリストとしての、成長の証(22 = 計253個)
DAY 23 | 時間のミニマリズム:「すべきこと」から、「したいこと」中心の人生へ(23 = 計276個)
DAY 24 | 人間関係のミニマリズム:広く浅い繋がりから、深く静かな信頼へ(24 = 計300個)
DAY 25 | 「買わない」という、究極の技術:入り口を制する者が、流れを制する(25 = 計325個)
DAY 26 | 減らした先に残った「核」:これが、あなたのミニマリズム(26 = 計351個)
DAY 27 | 経験こそが、真の所有物:モノに頼らず、世界を味わう生き方(27 = 計378個)
DAY 28 | ミニマリストになった日:軽やかな身体と心で、新しい日常を歩き出す(28 = 計406個)
終わりに:出来る人はさらにこのオプションもどうぞ
やってみていかがだったでしょうか。意外と出来たのではないでしょうか。
毎日1つずつ減らしていくと、思っている以上に物を持っていることに気づきます。「1年触っていない物を捨てる」なんて言われますが、いざやってみると1年どころがいつ使ったのか分からない物も出てきます。
どんどん手放していくことと生活が流れてくることがわかります。心の広がり、そして時間があることにも気づきます。とても衝撃のある事実です。
オプションの話です。
ミニマリストゲームにプラスしてやってみてると良いのが「買わないこと」です。
この28日間は消耗品以外は一切購入しないで過ごしてみてください。
これだけでも激変しますよ。自分の欲望にも気づけますし、マーケティングやセールスのことも、社会との関わりなど多様にいろんなことに気づけます。
消耗品は食材やトイレットペーパーなどそういったものぐらいということです。
所有によって自己を定義する生き方から、経験や関係性、そして内なる充足感によって、人生を決めていけるようになっていきます。
ミニマリストゲームは、終わりではなく、始まりです。消費社会が絶えず送り込んでくる「もっと、もっと」という圧力から、一歩距離を置き、自分自身の内なる声に耳を澄ませる力を得ています。
その先には、あなたが想像する以上の、軽やかで自由な風景が、広がっていることでしょう。


