ヨーガスートラを読み解く – パタンジャリの智慧が解き明かす、瞑想について:心の波を静め、真の自己へと至る道

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ヨーガスートラを読み解く – パタンジャリの智慧が解き明かす、瞑想について:心の波を静め、真の自己へと至る道

現代社会において、ストレス解消法、リラクゼーション、あるいは、自己啓発の一環として、広く実践されている瞑想。その起源は、古代インドの叡智に遡ります。そして、瞑想の深遠な世界を体系的に解説し、実践的な指針を与えてくれるのが、古典ヨガの根本経典、『ヨーガ・スートラ』です。

今回は、『ヨーガ・スートラ』を読み解き、その著者であるパタンジャリの智慧を通して、瞑想の本質、そして、心の真の自由へと至る道を、探求していきましょう。

 

1. ヨーガ・スートラ:ヨガの百科事典 – 2000年の時を超えて輝く智慧

『ヨーガ・スートラ』は、サンスクリット語で書かれた、196の格言(スートラ)からなる、ヨガの根本経典です。その著者は、パタンジャリ という伝説的な賢者であり、紀元前2世紀から紀元後4世紀頃に編纂されたと推定されています。

『ヨーガ・スートラ』は、ヨガのバイブルとも呼ばれ、現代ヨガのあらゆる流派の基盤となっています。ヨガの定義、心のメカニズム、瞑想の方法、そして、悟りの境地に至るまでの道のりなど、ヨガに関するあらゆる知識が、簡潔かつ深遠な言葉で記されています。

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2. パタンジャリ:謎多きヨガの祖

パタンジャリについては、その生涯や人物像は、謎に包まれています。しかし、彼が、古代インドの膨大な叡智を統合し、体系的なヨガの哲学を確立した、偉大な賢者であったことは、間違いありません。

『ヨーガ・スートラ』は、単なるパタンジャリの個人的な見解ではなく、古代インドで脈々と受け継がれてきた、ヨガの伝統を集大成したものであると考えられています。

 

3. ヨーガ・スートラにおける瞑想:心の作用の静止

『ヨーガ・スートラ』の冒頭で、パタンジャリは、ヨガを次のように定義しています。

“yogaś citta-vṛtti-nirodhaḥ”

(ヨーガとは心の作用の静止である)

私たちの心は、常に揺れ動いています。思考、感情、記憶、欲望… これらの心の波は、私たちを翻弄し、苦しみへと導きます。

『ヨーガ・スートラ』は、この心の波を静止させ、心の真の自由を獲得するための、実践的な道筋を示した経典なのです。

そして、その道筋の中で、瞑想は、最も重要な実践方法の一つとして位置づけられています。

 

4. 心の作用を制御する:八支則

『ヨーガ・スートラ』で説かれる 八支則 は、心の静止を実現するための、八つの段階からなる実践体系です。

  1. ヤマ (yama):禁戒 – 倫理的な規範、社会との調和

  2. ニヤマ (niyama):勧戒 – 自己鍛錬、精神的な成長

  3. アーサナ (āsana):坐法 – 安定した姿勢を保つこと

  4. プラーナーヤーマ (prāṇāyāma):呼吸法 – 呼吸をコントロールする

  5. プラティヤハーラ (pratyāhāra):制感 – 感覚器官を外に向けず、内側へと意識を向ける

  6. ダーラナー (dhāraṇā):集中 – 意識を一点に集中させる

  7. ディヤーナ (dhyāna):瞑想 – 集中が深まり、対象と一体となる状態

  8. サマーディ (samādhi):三昧 – 意識が超越した、悟りの境地

これらの八支則は、段階的に実践することで、心の浄化が進み、最終的にサマーディ(三昧)へと至るとされています。

 

5. 瞑想:集中から三昧へ – 静寂の深淵へと至る

八支則の中で、瞑想は、ダーラナー(集中)、ディヤーナ(瞑想)、サマーディ(三昧)の三段階で説明されています。

  • ダーラナー (dhāraṇā):集中 – 意識を一点に集中させる。呼吸、マントラ、イメージなど、様々な対象に意識を集中することで、雑念を払い、心を安定させる練習です。

  • ディヤーナ (dhyāna):瞑想 – 集中が深まり、対象と一体となる状態。対象への意識が途切れることなく、継続する状態です。

  • サマーディ (samādhi):三昧 – 意識が超越した、悟りの境地。瞑想が深まり、対象と観察者の区別がなくなる、究極の意識状態です。

 

6. 瞑想の効果:心の真の自由

『ヨーガ・スートラ』では、瞑想を通して、以下の様な効果が得られるとされています。

  • 心の静寂: 思考や感情の波が静まり、穏やかで平和な心の状態が実現される。

  • 自己認識の深化: 自分自身の心の働きを客観的に観察し、真の自己を理解する。

  • 苦しみからの解放: 心の作用を静止させることで、苦しみの原因となる煩悩から解放される。

  • 悟り(解脱): 心の真の自由を獲得し、輪廻転生(生と死のサイクル)から解放される。

 

7. 現代社会におけるヨーガ・スートラと瞑想:

現代社会は、ストレスや不安、情報過多など、私たちの心を乱す要因で溢れています。

『ヨーガ・スートラ』で説かれる瞑想は、現代社会を生きる私たちにとって、心の安らぎと真の自由を手に入れるための、貴重な指針を与えてくれるでしょう。

 

『ヨーガ・スートラ』は、古代インドの叡智を凝縮した、時を超えた瞑想の教科書です。

パタンジャリの智慧は、2000年の時を超えて、現代社会を生きる私たちに、心の真の自由へと至る道を示しています。

瞑想は、特別な能力や才能が必要なものではありません。

誰でも、いつでも、どこでも、始めることができます。

『ヨーガ・スートラ』を学び、瞑想の実践を通して、あなたも、心の波を静め、自分自身の内側に眠る、無限の可能性を目覚めさせてみてはいかがでしょうか。

 

 

ヨガの基本情報まとめの目次は以下よりご覧いただけます。

 

 


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。