ヨガや瞑想を通じて、マットの上で深い静寂や心地よさを体験したとしても、スタジオを一歩出れば、そこには複雑で慌ただしい現実社会が待っています。
満員電車に揺られ、仕事のノルマに追われ、複雑な人間関係に神経をすり減らす。
どれだけ身体を柔らかくし、呼吸を整えても、その気づきを「日常の生き方」に落とし込むことができなければ、私たちの人生は本当の意味で豊かにはなりません。
ヨガとは本来、ポーズの美しさを競う体操ではなく、私たちがこの世界とどう関わっていくかという「態度の変容」を促すための実践哲学なのです。
EngawaYogaが提供する「JIQAN(自問自答)」プログラムは、現実の生活に統合し、人生そのものを進化させるための実践的なサイクルです。
禅の教えに「十牛図(じゅうぎゅうず)」という、悟りに至るプロセスを描いた十枚の絵があります。
その最終章「入鄽垂手(にってんすいしゅ)」には、悟りを開いた老人が、山奥に隠遁するのではなく、再び泥臭い市場(世俗)へと降りていき、人々と交わりながら笑顔で暮らす姿が描かれています。
真の成熟とは、俗世から逃避することではなく、超越した意識を持ったまま、この現実世界を軽やかに生き直すことにあると思っております。もちろん、超越というのは現実的ではないにしろ、普段の日常で観じる矛盾や葛藤を統合し、真の自己を作り上げていくことは大変に大きな喜びとなります。
インドの哲学において、この世界は神々の「リーラ(神聖な遊び)」であると表現されます。
私たちはつい、人生を「絶対に失敗してはならない深刻なテスト」のように捉えてしまいますが、本質的には、様々な経験を通じて魂を成長させるための壮大なゲームに過ぎません。
JIQANのプロセスは、この過剰な深刻さ(過剰ポテンシャル)を手放し、人生という遊びを心から楽しむための自己探究プログラムとなります。
5つのステップ
プログラムでは、以下の5つのステップで自問自答を繰り返し、自己を進化させていきます。
自己探求(Inquiry)
「私は本当は何を求めているか?」と、自分の内側に深く問いかけます。社会からの期待や「こうあるべき」という他者の物差しを疑い、無意識の底にある本当の願いや、恐れ(影)の存在に気づく最初のステップです。
自己実現(Realization)
探求で得た気づきを、単なる頭の理解で終わらせず、実際の行動や選択へと移していきます。小さな習慣を変え、自分に嘘をつかない生き方を現実の形として構築していくプロセスとなります。
自己統合(Integration)
行動を変えていくと、必ず過去の自分(古いパターン)との葛藤が生まれます。ここで自分の光(長所)だけでなく、影(弱さや失敗)をも否定せずに受け入れ、矛盾のない一つの「全体」として統合を果たします。
自己超越(Transcendence)
統合が進むと、個人的な自我(エゴ)の枠組みが次第に薄らいでいきます。「私」という個人の利益を超え、他者や世界、そして大いなる自然の摂理と自分が繋がっているという、深い静寂と一体感を自問自答繰り返し体験します。
自己還現(Re-manifestation)
超越した境地に留まるのではなく、再び日常の仕事、家庭、人間関係へと「還り、現れる」最終段階です。執着を手放した圧倒的な身軽さを持ちながら、目の前の人々に微笑みかけ、人生を軽やかに遊ぶ。これが私たちの目指すゴールです。
JIQANは、特別な修行僧のためのものではありません。
現代社会のしがらみの中で生きづらさを感じている方、自分の本当の軸を見つけたい方、そしてヨガだけでなく「私が今までに体験したこと全て」を学びにし、人生全体に活かしたい方のための、極めて実践的なプログラムです。
自分の内なる声に耳を澄ませ、世界と美しく響き合う。
縁側から広い庭へと一歩を踏み出すような、新しい人生のサイクルを共に回していきましょう。
ご参加を心よりお待ち申し上げております。
よくある質問
Q1: 「自問自答」と聞くと、一人で思い悩み、ネガティブなループに陥ってしまいそうで不安です。
A1: ご安心ください。JIQANで行う自問自答は、過去の後悔を責めるようなものではなく、自分の現在地を客観的に把握するためのポジティブなツールです。プログラムでは、「なぜダメなのか」ではなく「本当はどう在りたいのか」という、前を向くための質の高い問い(フレームワーク)を提供します。また、ENQAN(身体のアプローチ)と併用することで、頭でっかちにならず、リラックスした状態で答えを導き出すことができます。
Q2: 「自己還現」とは、具体的に日常がどう変わることなのでしょうか?
A2: 日常の出来事に対する「深刻さ」が消え、「遊び心」と「余裕」を持って対応できるようになる状態です。たとえば、仕事でトラブルが起きても、パニックになったり過剰に落ち込んだりせず、「さて、どうやってこの状況をクリアしようか」と、一歩引いた視点(自己観照)から淡々と対処できるようになります。結果に執着せず、プロセスそのものを楽しめるようになるのが最大の変化です。




