ヨガを実践しておりますと、「宇宙とつながる」という表現に出会うことがあります。
少し壮大すぎて、あるいは怪しげに聞こえるかもしれません。
しかし、これは決してオカルト的な儀式や、特別な能力の話ではありません。
それは、私たちが本来持っている「自然なリズム」を取り戻す、とてもシンプルで地に足のついた営みのことです。
私たちは普段、「自分」という小さな殻の中に閉じこもって生きています。
「私の仕事」「私の悩み」「私の将来」。
そうやって視点がミクロになればなるほど、息苦しさは増していきます。
宇宙とつながるとは、その視点をマクロに引き上げ、自分もまたこの大きな生命の循環の一部であることを思い出すことです。
今日は、日常の中で誰にでもできる「宇宙とつながる行動」について、ヨガや東洋思想の視点も交えながら、少し深く、そして静かに考えてみたいと思います。
もくじ.
朝日を浴びて、体内時計を宇宙時間に合わせる
最も簡単な宇宙との同調方法は、太陽のリズムとシンクロすることです。
私たちの身体には「概日リズム(サーカディアンリズム)」という体内時計が備わっていますが、現代の生活(夜更かしやブルーライト)は、この時計を狂わせがちです。
朝、起きたらまずカーテンを開け、朝日を浴びてください。
網膜が太陽光を感知すると、脳内で「セロトニン(幸せホルモン)」が分泌され、体内時計がリセットされます。
これは科学的な事実ですが、スピリチュアルな視点で見れば、太陽という巨大なエネルギー源(プラーナの源泉)とプラグを繋ぐ行為です。
古代のヨギたちは「太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)」を通じて、太陽への感謝と祈りを捧げました。
特別なポーズをしなくても構いません。ただベランダや縁側に出て、深呼吸をする。
「今日も太陽が昇ってくれた」という当たり前の奇跡に意識を向けるだけで、私たちは宇宙の運行と足並みを揃えることができます。
「旬」を食べることは、地球の情報を食べること
食事もまた、宇宙とつながる神聖な行為です。
特に「旬の食材」をいただくこと。
その土地、その季節に育った野菜や果物は、その時の地球の環境情報(エネルギー)を凝縮しています。
夏のキュウリやトマトは身体を冷やし、冬の根菜は身体を温める。
これは植物たちが、その季節を生き抜くために獲得した知恵であり、それを食べることで、私たちもその季節に適応する力を譲り受けることができます。
コンビニのお弁当や、季節外れのハウス栽培の野菜ばかり食べていると、私たちの身体は「今、ここ」の季節感を見失ってしまいます。
スーパーに行ったら、形が不揃いでも、泥がついていても、旬のエネルギーに満ちたものを選んでみてください。
そして、いただく前に「いただきます」と手を合わせる。
それは、太陽と土と水、そして数えきれない微生物たちの働きという「宇宙の仕事」に対する敬意の表明です。
掃除は、空間の「気」を流す動く瞑想
「トイレ掃除をすると運気が上がる」という話をよく聞きますが、これは迷信ではありません。
ヨガの教えに「シャウチャ(清浄)」があります。
自分の身体と、身の回りの環境を清潔に保つこと。
埃や汚れは、エネルギーの停滞(タマス=暗質)を招きます。
物理的に汚れている場所は、心理的にも重苦しく、新しいひらめきや良い運気(プラーナ)が入ってくるスペースがありません。
掃除をするとき、ただの義務としてやるのではなく、「場を清める儀式」として行ってみてください。
窓を開けて風を通し、床を雑巾がけする。
自分の手足を動かして空間を磨くことは、自分の心の中を磨くこととリンクしています。
きれいになった部屋の清々しい空気。それが「宇宙の周波数」に近い状態です。
神様や宇宙は、きれい好きです。整った場所にこそ、良いエネルギーは宿るのです。
直感(ふとした感覚)を信じて行動する
私たちは普段、理性や損得勘定で物事を判断しがちです。
「こっちの方が得だ」「みんながこうしているから」
しかし、宇宙からのメッセージは、思考の隙間に「ふと」やってきます。
「なんとなく、あっちの道を通ってみようかな」
「急にあのご飯が食べたくなった」
「久しぶりにあの人に連絡してみようかな」
こうした根拠のない「なんとなく」は、潜在意識や、もっと深い領域からのサインであることが多いのです。
思考(エゴ)は過去のデータからしか答えを出せませんが、直感は「今」のエネルギーに反応しています。
小さな直感に従ってみる練習をしましょう。
それは、宇宙のナビゲーションシステムを信頼してハンドルを委ねる行為です。
意外な出会いや、スムーズな展開(シンクロニシティ)は、直感に従った先に待っています。
「空白」の時間を持つこと
宇宙とつながるために、最も重要なこと。
それは「何もしない時間」を持つことです。
スケジュール帳を埋め尽くし、常に何かをインプットし、アウトプットしている状態では、宇宙が入ってくる隙間がありません。
コップが満杯では、新しい水は注げないのと同じです。
1日の中に、5分でも10分でもいいので、「空白」を作ってください。
スマホを見ず、音楽も聴かず、ただ座る。
縁側でぼんやり庭を眺めるような時間です。
その静寂(サイレンス)の中で、私たちは「個」としての輪郭を少し緩め、全体へと溶け込んでいくことができます。
これをヨガでは「サマディ(三昧)」の入り口と考えます。
自分というノイズが消えたとき、宇宙の音が聞こえてくるのです。
すべてに「YES」と言う(受容の精神)
最後に、少し精神的な話を。
宇宙とつながるとは、目の前に起きるすべての現象を「信頼する」ということです。
思い通りにいかないこと、嫌な出来事、予期せぬトラブル。
私たちはすぐに「NO」と拒絶し、抵抗します。
しかし、宇宙の視点から見れば、それらもまた必要なプロセスの一部であり、全体性の現れです。
「起こることは、すべてベストなタイミングで起きている」
そう信じて、一度状況に対して心の中で「YES」と言ってみる。
抵抗をやめて、流れに身を任せてみる(イシュワラ・プラニダーナ=神への祈念・降伏)。
すると、無駄な力が抜け、問題だと思っていたことが、実は次のステージへの扉だったことに気づくかもしれません。
宇宙と戦うのをやめれば、宇宙はあなたを味方してくれます。
終わりに:あなたはすでに宇宙の一部
「宇宙とつながる」と言いましたが、厳密には私たちは一度も宇宙と離れたことはありません。
私たちの身体を作っている元素は、かつて星の爆発によって生まれたものです。
吸う息も吐く息も、大気という地球の循環そのものです。
ただ、思考が忙しすぎて、その「つながり」を忘れているだけなのです。
何か特別な修行をしなくても大丈夫です。
ご飯を美味しく食べ、太陽を浴び、部屋をきれいにし、ふとした直感を大切にする。
そんな丁寧な暮らしの積み重ねが、あなたを自然と宇宙のリズムへと還してくれます。
難しく考えず、まずは深呼吸から始めてみましょう。
ではまた。


