ゆるめば、全ては起こる【瞑想で手放す】

MEDITATION-瞑想

現代を生きる私たちは、常に何かを「せねばならない」というプレッシャーの中で暮らしているように感じます。仕事で成果を出さねば、人間関係を円滑にせねば、健康に気を遣わねば、自己成長せねば……。その結果、知らず知らずのうちに心や身体が緊張し、肩にずっしりと重い荷物を背負い込んでいるような状態になっているのではないでしょうか。

そんな中で、「瞑想が良いらしい」という情報を耳にすることがあるかもしれません。集中力が高まる、ストレスが減る、心が落ち着く。魅力的な響きですが、同時に「難しそう」「どうやればいいのか分からない」「私には無理なのでは」と感じ、結局手を出せずにいる人も多いようです。座禅のように長い時間じっと座って、心を無にしなければいけない。そんなイメージが先行して、瞑想への敷居を高くしてしまっているのかもしれません。

しかし、瞑想は、あなたが想像しているよりもずっとシンプルで、もっとずっと「しない」ことの実践に近いものです。難しい作法も、特別な場所も、高価な道具も必要ありません。ただ、あるがままの自分を受け入れ、力を抜いて「ただ座る」ということ。それこそが、今ここで提案したい、最もミニマルで、最も豊かな瞑想の実践なのです。

 

「ただ座る」というミニマルな実践

私たちはつい、瞑想にも何か特別な効果や成果を求めてしまいがちです。「これで集中力が上がるはずだ」「この方法なら心が穏やかになるだろう」。そうした期待や評価の視点が、かえって私たちの実践を邪魔することがあります。

ここで一度、そうした「瞑想によって何かを得よう」という気持ちを、ちょっと手放していただきたいのです。今まであなたが瞑想について本やインターネットで得た知識も、一度脇に置いてみましょう。それは決して無駄なものではありませんが、これから始める「ただ座る」という経験においては、かえって頭の中を複雑にしてしまう可能性があるからです。

「ただ座る」とは、文字通り、ただ座るだけです。特別な座り方をする必要もありません。椅子でも床でも、自分が一番楽に座れる場所を見つけます。そして、背筋は軽く伸ばし、肩の力を抜いて、ただそこに存在します。目を閉じても良いですし、開けていても構いません。

何かに集中しようと意図する必要はありません。思考が浮かんできたら、「あ、何か考えてるな」と気づくだけで十分です。それを追いかけたり、止めようとしたりする必要はありません。感情が湧いてきたら、「こんな気持ちなんだな」とただ受け止めます。体の感覚に気づいたら、「こんな感じがするな」とただ観察します。

それはまるで、川のほとりに座って、流れていく景色を眺めているようなものです。景色を変えようと手を伸ばしたり、特定の景色を掴まえようとしたりしない。ただ、そこに座って、流れていく様子を静かに見ている。あなたの心に浮かぶ思考や感情、体の感覚も、その川の流れのようなものです。

これが、「ただ座る」という瞑想の最もシンプルで核となる実践です。何もしない、ただ存在する。このミニマルな行為の中に、瞑想の深遠な智慧が隠されています。

 

「ただゆるめる」瞑想へ

「ただ座る」と同時に、あるいはそれ以上に大切なのが、「ただゆるめる」ということです。私たちは日常の中で、知らず知らずのうちに全身に力が入っています。歯を食いしばったり、肩や首が凝っていたり、お腹に力が入っていたり。これは肉体的な緊張だけでなく、心の緊張とも密接に繋がっています。不安や恐れ、期待や焦りといった心の状態は、そのまま身体の特定の部位に力みとして現れることがよくあります。

瞑想の時間になったら、まずは意図的に体の力を抜いてみましょう。頭のてっぺんから足の先まで、一つ一つの部位に意識を向けながら、そこに宿っている緊張をそっと手放していきます。顔の筋肉、肩、腕、手、背中、お腹、腰、足……。どこか力が入っている場所はないか探り、その部分が重力に任せてふわりと緩んでいくのをイメージします。

特に、眉間や顎、肩など、普段から力が入りやすい場所を意識的にゆるめてみましょう。「ただゆるめる」というシンプルな行為は、あなたの心と身体に驚くほどの解放感をもたらします。それはまさに、長い間背負っていた「肩の荷が降りる」感覚に近いかもしれません。

多くの人は、瞑想は「集中する」ことだと思っていますが、実はそうではありません。むしろ、力みや意図を手放し、「ゆるむ」ことこそが、瞑想を深める鍵なのです。何かを成し遂げようと頑張るのではなく、ただ力を抜いて、あるがままの状態を許容する。この「ゆるめる」という行為の中に、現代人が最も必要としている癒しと解放があります。

 

ゆるめば、全ては起こる

さて、「ただ座り」「ただゆるめる」という実践を続けていると、面白いことが起こり始めます。それは、何かを意図的に「起こそう」としなくても、自然と様々な変化や気づきが内側で起こり始めるということです。これを「ゆるめば起こる瞑想」と呼ぶこともできます。

私たちは普段、自分の思考や感情をコントロールしようとしたり、あるいはそれに抵抗したりしています。しかし、力を抜いてただ存在し、ただゆるめることを自分に許すと、心の中で起こっていることが、まるで自分とは関係なく自動的に展開されていくように感じられる瞬間があります。思考は勝手に浮かんでは消え、感情は波のように押し寄せ、体の感覚は刻々と変化していきます。

この時、私たちは「考える私」「感じる私」という主体から、一歩引いた観察者になることができます。思考や感情に巻き込まれるのではなく、それをただ見ている「意識」そのものに気づき始めるのです。これは、自己同一性への執着を一時的に手放すことにつながり、より深い内なる平和や、自己の根源的な性質への洞察をもたらすことがあります。

私たちが「こうあるべきだ」「こうならなければならない」という力みや期待を手放せば手放すほど、私たちの内側にある自然な治癒力や調整力が働き始めます。思考のノイズが減り、心がシンプルになると、まるで「波動が上がる」ように、本来の自分自身が持っているエネルギーや輝きが表に出てきます。

 

瞑想で手放して変容する

「ゆるめる」という実践は、単にリラックスするためだけではありません。それは、私たちが長年握りしめてきた様々なもの、例えば過去の経験に基づく信念、未来への不安、他者からの評価への恐れ、自分自身への批判などを「手放す」ためのパワフルなプロセスです。

色々と得たものをとにかく一度手放しますと、新しいものが入ってくるのですね。私たちは何かをぎゅっと握りしめている間は、新しい何かを受け取る手が塞がっています。しかし、思い切ってその手を広げ、古いものを手放すと、予期せぬ新しい出会いや機会が、まるで自然の摂理のように流れ込んでくることがあります。これは、物理的なものに限らず、考え方や心の状態についても同じことが言えます。

瞑想を通じて内面が変容すると、あなたの「出会うこと」も変化してくるかもしれません。同じ出来事に出会っても、それに対する自分の反応が変わったり、これまで気づかなかった側面に気づけるようになったりします。人間関係においても、相手に対する見方が変わったり、より建設的なコミュニケーションが取れるようになったりするでしょう。

頑張ることをやめ、「ゆるむ」ことを自分に許した人、すなわち「ゆるん人」から、人生がスムーズに回り始め、「うまくいく」ようになる、というのは、決して不思議なことではありません。それは、力んでいたことで滞っていたエネルギーの流れが解放され、自分本来の自然なリズムを取り戻した結果なのです。

 

さあ、実践しよう

瞑想は、何か特別な能力を持つ人だけができるものではありません。息を吸って吐くことができるすべての人に開かれた、最も基本的で普遍的な実践です。そして、それは難しいことでも、苦行でもありません。

まずは一日たった数分で構いません。あなたが一番落ち着ける場所に座り、「ただ座る」「ただゆるめる」ことを自分に許してみてください。思考が浮かんできても構いません。雑念に囚われても構いません。ただその事実に気づき、「あ、そうなんだな」と手放せば良いのです。

完璧を目指す必要は一切ありません。うまくいかない日があっても、それは自然なことです。大切なのは、判断や評価を手放し、ただ「今、ここに座っている自分」を受け入れることです。

このシンプルでミニマルな実践が、あなたの心身から不要な力みを取り除き、長年背負ってきた見えない荷物を下ろす手助けをしてくれるでしょう。そして、何かを「得よう」とするのではなく、「手放す」ことによってこそ、内なる静寂と真の自由、そして豊かな変容が訪れることを、あなた自身の経験を通して知るようになるはずです。さあ、難しく考えずに、まずは気楽に、気軽に「ただ座る」という時間を持ってみませんか。

 

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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。