息という漢字は、自らの心と書きますが、この「自」の部分は鼻みたいですね。
ネットの情報なので、白川静先生の本でも確認しようと思います。
さて、息ですが、人は生まれてくる時に、息を吐いて生まれてくるといいます。
そして、亡くなる時には、息を吸って亡くなるといいます。息を引き取る、という言い方もしますね。
それを「生きとおし」なんて言う方もいらっしゃいました。(本来の意味は違うと思いますけど)
息ですが、ヨガをしている者としては、息がとても大切です。
息について、生きることについて気になるところを書いてみます。
書いていくと、スピリチュアルなワークショップがいらないんじゃないか、ということも書き始めてしまいました。
もくじ.
息をすることは、生きること
息から、生きるという言葉が生まれたという説もあるぐらいで、息をすることがそのまま生きることであるということですね。
今、あなたは息をしていますか。
もちろん息していますね。
ですが、呼吸に意識を向けた瞬間に、呼吸をしている自分に気付いた人も多いことでしょう。
このようにして、息をしていること自体に、人はなかなか自覚的になれません。
ですから、無自覚を意識に昇らせるために「呼吸へ意識を向ける」という技法は、ヨガでも禅でも、古今東西たくさんの精神メソッドで使われてきました。
これだけでも、息が大事ということがわかりますし、息に何かがあると感じてしまいます。
息に意識を向けることだけで、多くのセミナーがいらなくなる
「いまここ」という表現を聞いたことがある人も多いでしょう。このブログでも度々、出てくる表現です。
息を観察することは、いまここにいることに直接に繋がることです。
いまここに在る、ということをリアルに体感することが真の幸せのひとつです。
ただ在る、ということだけが真実ですから、幻想の欲望からの解放が起こります。
多くの自己啓発セミナーやスピリチュアルセミナーでは幸せになることを一つの目的としています。ですので、呼吸を観察して、生きていることに成りきれるのですから、セミナー行く必要も薄れます。
呼吸に意識を向けることは、自分に意識を向けること
どんな呼吸でも、ただそのままを見つめることは、自分自身に寄り添うこと。
自分に意識を向けることですね。
「自分に意識を向けること」と書くと、自分という存在が他人のように感じませんか。
自分と距離感が生じることがありませんか。
どうでしょうか、自分を観察する、自分の呼吸に意識を向ける。これらをやると自分と距離が生まれます。
この距離感が大事です。
行為する側から離れる体験になります。
行為者にならないということです。
行為者が苦しみを所有している
行為者から抜け出すことは、苦しみからも抜け出すことになります。
行為している者が全面に出ることで苦しみが生まれます。
「私が」という”私”が苦しみの原因です。
たったの30秒でいいので呼吸に意識を向けてみると、実感すると思います。
最後まで集中できなくてもいいです。行為する者の不在を感じてみましょう。
ほんの少しの時間でも、距離を感じることができればOKです。
そこから始めていくとよろしいかと思います。
終わりに:行為する者はいない
行為する者という表現を使いましたが、通常は自我と呼ばれるものに思います。
アートマンとも呼ばれていますね。
ヨガの考え方として、この自我というのは幻想だという思想があります。
また、お釈迦様はアートマンは無い、とも断言されていたと記憶しております。(読んだ書籍の記憶です)
無いのに有ると感じる行為者から、距離を置くヒントが呼吸にあると感じております。
是非、呼吸に意識を向ける、というただそれだけのことをしてみてください。
すべての始まりが呼吸の観察からスタートだと思います。
関連オススメ書籍:禅マインド ビギナーズ マインド
観察するということを極めたのが禅かと思います。こちら本は読めば読むほどに楽しくなってしまう禅の本です。
サンガ新書で出版されていると思ったら、スティーブ・ジョブズさんが愛読していたからですね。なるほど。
著者の鈴木俊隆さんはものすごく有名な方でアメリカに禅を伝えた方です。鈴木大拙さんと並んで「二人の鈴木」とも呼ばれていたそうです。
鈴木大拙さんの書籍も機会を改めて紹介できればと思っております。
■Amazonより 内容紹介
スティーブ・ジョブズが青春時代にむさぼり読んだ、禅のバイブル。ジョブズの伝記『スティーブ・ジョブズ』のなかでも深い影響を受けた本として掲載されている『zen mind beginner’s mind』の新訳完全版。(日本版『スティーブ・ジョブズ』では旧訳タイトル『禅へのいざない』で掲載) アップル創業前夜、世界を洞察する智慧をジョブズは禅に見た。ジョブズの真実を理解するために必読の一冊。 佐野元春さん推薦! 僕は待っていた。待望の翻訳だ。 ZENがビートを作った。 アレン・ギンズバーグを代表とする ビートニクたちのバイブル。 本書は、禅というシンプルな生き方に 興味を持つ人にとって、 やさしく平易な手引書となるだろう。 佐野元春
■出版社からのコメント
1970年に米国で出版以来、世界中で読まれている禅の入門書。
著者の鈴木俊隆老師は1959年に渡米し、サンフランシスコ禅センターを設立。渡米12年の間にアメリカにおける禅の基礎を築いた。アレン・ギンズバーグ、ゲイリー・スナイダーらビートニクたちを惹きつけ、1960年代、カウンターカルチャーのさなか、多くの若者が俊隆老師のもとで瞑想をした。本書はそうした坐禅会のあとで語られた法話を記録したもの。 –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。