ヨガが西洋に伝わった歴史:東洋の叡智が世界を変える – 近代・現代ヨガへの道

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ヨガが西洋に伝わった歴史:東洋の叡智と西洋の邂逅 – 文化交流が生んだ、グローバル現象

今日、世界中で実践されているヨガ。その起源は古代インドにありますが、西洋社会に広く浸透したのは、実は比較的最近のことです。19世紀後半から20世紀にかけて、東洋の神秘的な教えは、どのようにして西洋社会に受け入れられ、今日のヨガブームへと繋がっていったのでしょうか?

ヨガが西洋に伝わった歴史を紐解き、その過程における文化交流、思想的変遷、そして、現代ヨガの形成に貢献したキーパーソンたちを深く探求していきます。

 

1. 東洋への眼差し:19世紀のオリエンタリズムと初期の接触

19世紀、ヨーロッパ列強によるアジアへの植民地支配が拡大する中で、西洋社会では、東洋の文化や宗教に対する関心、いわゆる「オリエンタリズム」が高まりました。神秘主義、エキゾチズム、そして古代からの叡智…。東洋は、西洋人にとって、未知なる世界への憧憬と、同時に、支配すべき対象としての野心を掻き立てる存在でした。

この時期、インドを植民地支配していたイギリスを通じて、ヨガに関する断片的な情報が西洋に伝わり始めます。しかし、当時の西洋社会では、ヨガは奇妙な宗教的儀式、あるいは奇術的な身体技法として捉えられ、本格的な理解には至りませんでした。ヒンドゥー教なのか仏教なのか、はたまたヨガなのかも見極められておりませんでした。

初期の接触としては、1851年に出版された “A treatise on Yoga Philosophy” が挙げられます。これは、ヨーガ・スートラを初めて英語に翻訳した書籍であり、ヨガの哲学的な側面を西洋に紹介する先駆けとなりました。(たぶん)

 

2. ヨガの伝道師:スワミ・ヴィヴェーカーナンダと西洋への橋渡し (19世紀末)

19世紀末、ヨガを西洋社会に紹介する上で、最も重要な役割を果たしたのが、インドの宗教家、スワミ・ヴィヴェーカーナンダです。彼は、1893年にシカゴで開催された「世界宗教会議」に出席し、ヴェーダーンタ哲学とヨガの教えを、西洋の人々に分かりやすく解説しました。

(ちなみに、この世界宗教会議で日本の釈宗演は、欧米世界に日本の禅を初めて紹介したとされている)

ヴィヴェーカーナンダは、ヨガを単なる宗教的な儀式や奇異な身体技法ではなく、普遍的な真理に基づいた、心身の統合と精神的な成長を促す、実践的な哲学体系として提示しました。彼のカリスマ性と雄弁な語り口は、多くの西洋人の心を捉え、ヨガに対する関心を高めるきっかけとなりました。

ヴィヴェーカーナンダの活動は、ヨガが西洋社会に受け入れられるための重要な橋渡しとなり、その後、多くのヨガ指導者が西洋へと渡り、ヨガの普及に貢献していくことになります。

 

3. 西洋における受容と変容:神秘主義、健康法、そして身体文化 (20世紀初頭)

20世紀初頭、ヴィヴェーカーナンダの影響を受けて、ヨガを学ぶ西洋人が増えていきます。彼らは、ヨガに東洋の神秘主義やオカルト思想、あるいは、健康法や美容法としての魅力を感じていました。

この時期には、ヨガは西洋の文化や思想と融合し、独自の進化を遂げていきます。例えば、西洋医学や解剖学の知識と結びつき、ヨガのポーズや効果に関する新たな解釈が生まれました。そして今では解剖学などの知識を使うヨガスタイルは主流にもなっています。

 

4. 近代ヨガの父:クリシュナマチャリアの革新と体系化 (20世紀前半)

20世紀前半、ヨガの歴史に大きな影響を与えたのが、インドのヨガマスター、クリシュナマチャリアです。彼は、古代のヨガの経典を深く研究し、現代人のニーズに合わせて、ヨガのアーサナ(ポーズ)を体系化し、新たな呼吸法(プラーナーヤーマ)を開発しました。

クリシュナマチャリアは、ヨガの教えを西洋医学や解剖学の知識と融合させ、より科学的で、実践的なものへと発展させました。また、個々の生徒の体質や能力に合わせた指導法を重視し、ヨガをより 受け入れやすいものにしました。彼の革新的なアプローチは、後のヨガの普及に大きく貢献し、現代ヨガの礎を築いたと言えるでしょう。

 

5. 現代ヨガの誕生:三人の巨匠と多様な流派の展開 (20世紀後半)

クリシュナマチャリアの弟子である、パタビ・ジョイス、B.K.S. アイアンガー、T.K.V. デシカチャー(息子)の三人は、それぞれ独自のスタイルを確立し、現代ヨガの形成に多大な貢献をしました。

  • パタビ・ジョイス: アシュタンガヨガを創始。ダイナミックなフローと、決められたシークエンスが特徴です。

  • B.K.S. アイアンガー: アイアンガーヨガを創始。正確なアライメントと、プロップス(補助具)の使用を重視します。

  • T.K.V. デシカチャー: ヴィニヨガを創始。個々の生徒のニーズに合わせて、ポーズや呼吸法を調整することを重視します。

これらのヨガスタイルは、西洋社会で広く普及し、現代ヨガブームの火付け役となりました。

 

6. ヨガのグローバル化:フィットネス、スピリチュアリティ、そしてライフスタイル (21世紀)

21世紀に入ると、ヨガは、健康法、フィットネス、スピリチュアルな実践、あるいは、ライフスタイルとして、世界中で爆発的な人気を博します。現代のヨガは、多様化が進み、様々な流派やスタイルが生まれ、ヨガスタジオだけでなく、フィットネスクラブ、学校、病院など、様々な場所で実践されるようになりました。

ヨガは、もはや東洋の秘伝ではなく、グローバルな文化現象となり、現代社会のニーズに合わせて、進化を続けています。商業ベースになっていることから本来のヨガと離れてしまう問題も浮上しています。

 

ヨガの旅は続く:伝統と革新の融合

ヨガが西洋に伝わった歴史は、文化交流と相互理解の賜物です。古代インドの叡智は、西洋文化と出会い、新たな解釈と進化を遂げながら、現代社会に深く根付いています。

ヨガは、単なる身体的な実践ではなく、心身の調和と精神的な成長を促す、普遍的な叡智体系です。その教えは、時代や文化を超えて、多くの人々に希望と癒しを与え続けています。

ヨガの旅は、これからも、伝統と革新の融合を図りながら、新たな展開を見せていくことでしょう。

 

 

ヨガの基本情報まとめの目次は以下よりご覧いただけます。

 


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。