村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」を引越しの準備中に読み始めてしまった、ダメだっていうのに【深く潜るためには健全性が必要】

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「引越しばかりが人生だ」と言わんばかりの引越しが多い人生です。

私自身は同じところで長く暮らしたいと思っているのですが、なんか時期が来ると引越しをする必要になります。(無意識では引越しを望んでいるのかもしれませんが)

引越しといえば掃除・断捨離・整理整頓です。

私もしっかりとやっていました。

整理整頓のコツは「全部を出す」ことですね。

そして明らかな不要なものを処分してから、ときめくかときめかないかで選んでいきます。

まずは全部を出さないと自分の持ち物の総量が把握できません。

様々なところに散らばっている文房具なんて、場所ごとにやっていたら何を持っていて何が足りないのか一生わかりません。

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そして、断捨離だぁとか言いながら引越し準備中です。

書籍の整理整頓も少ししておりました。

そんな中、見てはいけないのに中身を見てしまいました。

「走ることについて語るときに僕の語ること 村上春樹」をパラパラと見ておりました。

整理中ということで目について読み直していた本です。(整理中に本を読んではいけないと何度も言われているのに)

これは残す本になりました。

お気に入りなので順当な流れです。

 

走ることについて語る時に僕の語ること

こちらの本は村上春樹さんのランニングについての本です。

村上春樹さんは言わずと知れた長距離ランナーです。

非常に熱心なランニング愛好家です。

国際小説家マラソン大会があれば結構良いところにいくのではないでしょうか。

走るきっかけとなったとは、デビュー作の「風の歌を聴け」が売れたあと、本格的に長編小説を書くために千葉の方へと引越ししてからです。

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小説を長い期間にわたり書き続けるために、健全な身体を作ろうと思ったそうです。

ご夫婦でライフスタイル(生活習慣)を大幅に変えていきます。

小説は体力のいることです。

小説は深く深くと人類の集合的無意識まで降りていくものです。

体力のいる作業ですし、そこには邪悪なものもいるそうです。

邪悪なものたちに負けないように、そして戻って来れるように体力と健全な肉体が必要なわけです。

そのために村上春樹さんはランニングを選んだという流れですね。

その後、トライアスロンに挑戦したりウルトラマラソンに挑戦しながらも他はやめても、ずっとランニングは継続されております。

 

ランニングを通して執筆について語る

この本は傑作ですよ、とてもいい本です。

少し前の本なので文庫化もされておりますし、それなりに売れたと思うので中古でも手に入りやすいと思います。

ただし、読んだら走りたくなるのでご注意を。

本当に走りたくなるのですよ。

むずむずしてきます。

人の中にある走る本能のようなものを刺激されます。

なんだか走るとう行為がとても素敵なことに感じ取れてしまうのです。

さすが村上春樹といったところでしょうか。

この本を読んで走りたくならない人とは友達になりにくいのではないのかなぁと思わせるくらいに。

 

ちょっと面白いのは「スポーツ大会あるある」みたいなことをとってもステキな文章で書かれていること。

トライアスロンにチャレンジする村上さんなのですが、初めてのチャレンジって誰でも大変ですよね。

スポーツの大会に初めて出る時っていろんなアクシデントがあります。

市民大会のフルマラソンの大会もトイレや給水や全く予想していない自体とか起こります。

大会に対しての勘違いもありますし、なぜ今のタイミングでトイレ行きたくなってきたの?みたいなタイミングでもよおすとか、いきなり何故か膝が痛いとか。(ほんとにあるんです)

電車も逆に乗ってしまったりとか、本当に色々と「まさか」ということがあるんです。

もちろん全部がいっぺんに起こるわけではないのですが、何かは起こる。

村上さんもそうでした。

でも、その「スポーツ大会あるあるネタ」の文章がとてもかっこいいのです。

ステキな人生の一コマになっているのです。

ただパニックになっただけなのに、このあと素敵な出会いへの伏線なのかと思わせるような出来事に書かれています。

「私のよくあるドジはこんなに輝いていた瞬間だったのか?」と思わされるような。

村上さんが自問自答をし、客観視し、それを文章にまとめていき、読者の昔の恥ずかしい体験までもが「ステキな体験」に置き換えていくような文体で表現されております。

世界レベルの作家というのはすごいですね。

ちょっと気取ったところはあるので村上春樹が嫌いな人はあれかもしれませんが、私は面白く(失礼)読ませてもらいました。

 

走ることについて、小説について

基本的には走ることについて書かれていますが、そのまま小説の書き方入門書でもあります。

走ることにも小説の書き方にも興味ないよ、と言わないで読んでみてください。

と思ったけど、興味のない本を読んでもつまらないので、興味のない方は読まない方がいいですね。

小説って一人で黙々と書くじゃないですか。

自分の中のリソースに深くアクセスもしていきます。

その習慣の、作り方ややり方が村上さんの方法で走ることを通じて書かれています。

ということは、そのままヨガや瞑想の自主練の参考になるのです。

世界レベルの小説家の習慣は必ずやためになることでしょう。

オススメです。

ではでは。

 


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。