問題は解決するのではなく、解放すること。問題は解決するな

365days

ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが問題を「解決」するためのツールではなく、問題を「問題でなくしてしまう」ための智慧だからです。

私たちは幼い頃から、学校教育や社会生活の中で、一つの強固なプログラムを植え付けられています。
「問題があれば、解決しなさい」
「悪いところがあれば、直しなさい」
「足りないものがあれば、努力して手に入れなさい」
これは、現代社会を生き抜くための基本的なOS(オペレーティングシステム)と言えるでしょう。

しかし、この「問題解決型」の思考こそが、実は私たちの苦しみを長引かせている原因だとしたらどうでしょうか。
今日は、少し常識をひっくり返して、「問題は解決してはいけない」というお話をしたいと思います。

 

「解決」しようとすると、問題は強化される

何か悩みがあるとします。
「自分はネガティブだ」「仕事がうまくいかない」「人間関係が辛い」。
私たちはすぐに、「どうすればポジティブになれるか?」「どうすれば効率化できるか?」「どうすれば相手を変えられるか?」と、解決策(ソリューション)を探し始めます。
書店に行けば「〇〇の解決法」という本が山のように積まれ、ネット検索すればライフハックが溢れています。

しかし、ここにパラドックスがあります。
「解決しよう」と身構えることは、その対象を「重大な問題である」と強く認定することに他ならないのです。
「これは敵だ!倒さねばならない!」と意識すればするほど、相手(問題)は強大に見えてきます。
戦おうとすればするほど、戦いは泥沼化します。
フォーカスしたものは拡大するという、宇宙の法則が働くからです。

さらに、「解決しなければならない自分」は、常に「現在は不完全である」という自己否定の上に立っています。
「今のままではダメだ」という欠乏感から出発した行動は、たとえ一時的にうまくいったとしても、また別の欠乏感を生み出すだけです。
これでは、いつまで経っても満たされることはありません。

 

ヨガ的アプローチ:解決ではなく、解放(リリース)

では、ヨガはどうするのか。
ヨガは、問題を解決しません。
問題を、「解放(リリース)」します。
あるいは、「解消(ディゾルブ)」すると言ってもいいでしょう。

例えば、肩こりが酷いとします。
「マッサージで揉みほぐして治そう(解決)」とするのが一般的ですが、ヨガのアプローチは少し違います。
「なぜ、そこに力が入っていたのだろう?」と気づき、「もう、力を入れなくていいんだな」と手放すのです。
敵と戦って勝つのではなく、戦うことをやめて武器を置くイメージです。

精神的な悩みも同じです。
「不安」を消そうと努力するのではなく、「ああ、今、不安という感情が湧いているな」と、ただ静かに観察します。
ジャッジせず、コントロールせず、ただ「見る」。
すると不思議なことに、実体を持って暴れまわっていた「不安」という怪物は、ただの「エネルギーの波」へと姿を変え、やがて静寂の中へと溶けて(解放されて)いきます。

問題そのものをどうにかするのではなく、問題を握りしめている「自分の手」を緩めるのです。
手が開けば、問題は自然と落ちていきます。
これが「解放」です。

 

現代社会の「ソリューション中毒」からの離脱

現代社会は、私たちを「ソリューション中毒」にさせようと必死です。
「この商品を買えば解決します」「このセミナーを受ければ変われます」。
それは、資本主義が「欠乏」と「不安」を燃料にして回っているからです。
私たちが「今のままではダメだ」と思い続けてくれないと、モノが売れないからです。

ヨガの実践は、この無限ループからの静かなる離脱(ドロップアウト)です。
「私は、今のままで完全である(プルナ)」という真実に立ち返ること。
何も足さなくていい。何も直さなくていい。
ただ、余計なものを背負い込んでいたことに気づき、それを降ろしていくだけ。

「問題解決能力」が高い人は、現代社会では優秀とされるかもしれません。
しかし、ヨガの世界で目指すのは「問題消滅能力」あるいは「問題スルー能力」です。
そもそも、それを問題として認識しない境地です。
雨が降ったら、「どうやって雨を止ませようか(解決)」と悩むのではなく、「ああ、雨だな。雨音もまた良し(受容)」と傘をさして歩く。
あるいは、濡れることを楽しんでしまう。
そこに葛藤(ストレス)はありません。

 

問題は解決するな、ただ見守れ

もし今、あなたが何か大きな問題を抱えているのなら、一度「解決しよう」とする努力をやめてみてください。
解決策を検索するのをやめ、誰かに相談するのをやめ、頭の中でシミュレーションするのをやめてみる。

そして、ただ静かに座り、その「問題だと思っていること」を、呼吸と共に体の外へ吐き出してみる。
あるいは、遠くの景色を眺めるように、自分の心を眺めてみる。
「ああ、私は今、これを問題だと思って苦しんでいるんだな」と、他人事のように実況してみる。

すると、気づくはずです。
問題そのものがあなたを苦しめているのではなく、「これをどうにかしなければならない」というあなたの「執着(重要性)」が、苦しみを生んでいたのだと。

重要性を下げてください。
「まあ、どうなっても死ぬわけじゃないし」と、深刻さを手放してください。
解決しようとするエネルギーの供給を絶てば、問題は枯れていきます。
そして、いつの間にか「あれ? そういえば何に悩んでたっけ?」という瞬間が訪れます。
それが、真の解決(解放)です。

世界と戦うのをやめれば、世界はあなたを優しく迎え入れてくれます。
ヨガマットの上は、その「武器を置く練習」をするための、安全な避難所なのです。
解決しなくていい。ただ、ほどいていきましょう。

ではまた。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。