ヨガの古典からみるヨガの定義について

ヨガ外論・歴史

 

静寂の海へダイブする:ヨガの古典が教える「心の波」を静める方法

現代社会は、まるで心のざわめきを増幅させる装置のようです。

情報過多、競争社会、SNSでの比較…、私たちの心は、休む間もなく、様々な思考や感情に揺さぶられています。

本当の幸せを求めても、それは達成される気配を感じません。むしろ苦しみはただただ継続するばかり。まるで荒れ狂う海原を漂う小舟のように、心の平穏を見つけることは容易ではありません。

しかし、古代インドの賢者たちは、既にこのような心の状態を深く理解し、その解決策を提示していました。それは、ヨガという叡智の体系であり、そのエッセンスが凝縮されているのが、ヨガの古典と言える書物です。

 

その中で、特に重要な古典の一つに、「心の動きを止滅させること」をヨガの目的として明確に定義しているものがあります。ヨーガスートラと呼ばれるものです。

 

現代を生きる私たちにとって、この言葉は、静かながらも力強いメッセージとして響いてきます。それは、心の騒がしさから解放され、真の静寂と自由を獲得するための、実践的な道筋を示してくれるからです。

では、私たちの心を乱す「心の動き」とは、一体何なのでしょうか?

それは、絶え間なく湧き上がる思考、渦巻く感情、過去の記憶、未来への不安など、私たちの意識を揺り動かす、あらゆる心の活動です。そう、あらゆる活動すべてなのです。

これらの心の波は、時に私たちに喜びや幸福をもたらすこともありますが、同時に、苦しみや不安、怒りや憎しみといった、ネガティブな感情を生み出す原因ともなります。

ヨガの古典は、これらの心の動きを完全に消し去ることではなく、「止滅」、つまり、その影響を受けない状態へと導くことを目指しています。

それが教典であるヨーガスートラにおけるヨガの目的となります。

 

まるで荒れ狂う海面に浮かぶ、蓮の花のようなイメージです。蓮の花は、泥水の中から芽を出しながらも、その葉や花を清らかに保っています。

私たちもまた、心の波に翻弄されながらも、その中心には、穏やかで静かな意識の状態を保つことができます。ヨガの実践を通して、心の波を観察し、その動きに巻き込まれることなく、静かな目撃者となる。この心のトレーニングこそが、ヨガの古典が私たちに提示する、心の真の自由を手に入れるための鍵なのです。

では、具体的にどのようにすれば、心の波を静め、「止滅」の状態へと近づいていけるのでしょうか?

ヨガの古典は、私たちに様々な実践方法を教えてくれます。(簡単にご紹介します)

 

  • 1. ヤマ(禁戒): 社会との調和、倫理的な生き方
    アヒンサー(非暴力):言葉や行動で傷つけない。
    サティヤ(誠実):自分に正直に、嘘をつかない。
    アスティヤ(盗まない):物質的なもの、時間、信頼を奪わない。
    ブラフマチャリヤ(禁欲):生命エネルギーを浪費しない。
    アパリグラハ(不貪):必要以上のものを求めず、執着しない。

  • 2. ニヤマ(勧戒): 自分自身との向き合い方、内面的な鍛錬
    シャウチャ(清浄):身体と心の汚れを浄化する。
    サントーシャ(知足):今あるものに感謝し、満たされる。
    タパス(苦行):努力を惜しまず、鍛錬する。
    スヴァディアーヤ(学習):聖典や、師の教えから学ぶ。
    イーシュヴァラ・プラニダーナ(神への帰依):すべてを委ね、身を任せる。

  • 3. アーサナ(坐法): 安定した姿勢を保つ、ヨガのポーズ
    快適で、安定した姿勢を通して、心の静寂を促します。現代では、様々なポーズが生まれていますが、大切なのは、自分の内側に意識を向けることです。

  • 4. プラーナーヤーマ(呼吸法): プラーナ(生命エネルギー)をコントロールする
    呼吸を意識的に制御することで、心身に調和をもたらし、精神を集中へと導きます。

  • 5. プラティヤハーラ(制感): 五感の働きを制御し、内側へ意識を向ける
    外界の刺激に振り回されず、自分自身の内側に意識を集中するための段階です。

  • 6. ダーラナ(集中): 一点に意識を集中させる
    雑念を取り払い、特定の対象に意識を集中することで、心の安定を図ります。

  • 7. ディヤーナ(瞑想): 集中が深まり、対象と一体となる状態
    思考を超えた、静寂の境地。意識が澄み渡り、深い洞察が得られます。

  • 8. サマーディ(三昧): 純粋意識と繋がる、至福の状態
    個我の境界線が溶け、宇宙と一体となる、ヨガの最終的な到達点。

 

これらの実践を通して、私たちは心の動きを客観的に観察し、そのパターンや癖に気づいていきます。そして、徐々に心の波に飲み込まれることなく、穏やかに対処できるようになるのです。

ヨガの古典は、私たちに、心の真の自由と平和への扉を開くための、時代を超えた叡智を提供しています。それは、現代社会を生きる私たちにとって、ますますその価値を増していくと言えるでしょう。

心のざわめきに翻弄されそうになったら、ヨガの古典に立ち返り、静寂の海へとダイブしてみませんか? そこには、きっと、あなたが探し求めていた、心の安らぎが待っているはずです。

 



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。