プラーナ(気)とは何か?その意味と効果的な感じ方。生命エネルギーを巡らせるヨガの本質

自己啓発

ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが単なるストレッチ体操ではなく、私たちの生命を根本から支えている「見えないエネルギー」を扱う、非常に繊細かつダイナミックな技術だからです。

「なんだか最近、疲れが取れない」
「やる気が出ない」
「生きてはいるけれど、生き生きとしていない」

現代社会において、このような感覚を抱いている方は少なくないでしょう。
栄養バランスの良い食事をとり、睡眠時間を確保していても、なぜか満たされない枯渇感。
それはもしかすると、カロリーやビタミンが足りないのではなく、「プラーナ(Prana)」が不足している、あるいは滞っているからかもしれません。

今日は、ヨガの核心とも言えるこの「プラーナ」について、その意味や役割、そして実際に体感するための方法まで、少し深いところまで潜ってお話ししたいと思います。
目に見えないものを感じる感性を取り戻すこと。
それは、デジタル化された現代社会で私たちが失いかけている「野生」と「静寂」を取り戻す旅でもあります。

 

プラーナ(Prana)とは何か? 言葉の定義と本質

まず、言葉の定義から入っていきましょう。
プラーナ(Prana)とは、サンスクリット語で「呼吸」、そして「生命エネルギー」を意味します。
語源を辿ると、「プラ(Pra)」は「前に、根源的に」という意味を持ち、「アン(An)」は「呼吸する、生きる」という意味を持ちます。
つまり、私たちが生きるための根源的な力、それがプラーナです。

東洋医学や気功で言うところの「気(Ki / Qi)」とほぼ同義と考えていただいて構いません。
古代のヨガ行者たちは、この世界に存在するあらゆる物質、空間、そして生命は、すべてこのプラーナによって構成され、動かされていると考えました。
私たちが手を動かせるのも、心臓が動くのも、思考ができるのも、すべてプラーナの働きによるものです。
スマートフォンが電気なしではただの金属の塊であるように、私たちの肉体もまた、プラーナという電気が通っていなければ、単なる有機物の塊に過ぎません。

しかし、現代の解剖学や西洋医学の教科書には、このプラーナは載っていません。
メスで切っても見えないからです。
見えないからといって、存在しないわけではありません。
風は見えませんが、木々が揺れるのを見て風の存在を知るように、私たちは生命活動という現象を通して、プラーナの存在を確かに感じ取ることができるのです。

 

現代人がプラーナを感じられなくなった理由

なぜ、私たちはこの大切なエネルギーを忘れてしまったのでしょうか。
それには、現代社会特有のいくつかの「ノイズ」が関係しています。

・視覚優位と物質主義
私たちは「目に見えるもの」だけを信じるように教育されてきました。
数値化できるもの、エビデンスがあるもの、所有できるもの。
そうした物質的な豊かさを追い求めるあまり、目に見えない微細な感覚(サトル・ボディ)への感度が著しく鈍ってしまっています。
「感じる」ことよりも「考える」ことが優先され、直感よりも検索結果が優先される。
この感性の麻痺が、プラーナとの断絶を生んでいます。

・自然との乖離
プラーナの主要な供給源は、太陽の光、新鮮な空気、大地、そして新鮮な食物です。
しかし、現代人の多くはコンクリートの箱の中で暮らし、空調管理された空気を吸い、加工食品を食べています。
大地(アース)から切り離された生活は、バッテリーを充電せずに使い続けるようなものです。
慢性的なエネルギー不足に陥るのは当然の帰結と言えるでしょう。

・過剰なストレスとデジタルの遮断
ヨガの生理学では、体内には「ナーディ」と呼ばれる7万2千本ものエネルギーの通り道があるされています。
ストレスや緊張、ネガティブな感情、そして電磁波などの外部刺激は、このナーディを詰まらせる原因となります。
川の流れがゴミで堰き止められるように、プラーナの流れが滞り、澱んでしまうのです。
「気」が「病む」と書いて「病気」となるように、エネルギーの滞留は心身の不調の根本原因となります。

 

プラーナの供給源とメカニズム

では、私たちはどこからこのエネルギーを得ているのでしょうか。
ヨガでは主に4つのルートがあると考えます。

太陽と空気:
最も直接的な供給源です。日光浴や、森林浴が体に良いのは、ビタミンDの生成だけでなく、濃厚なプラーナを浴びているからです。

食物と水:
新鮮な野菜や果物にはプラーナが満ちています。逆に、加工度が高い食品や時間の経った食事は、物質としては存在していてもプラーナは失われていると考えます。ヨガ的な食事法では「何を食べるか」よりも「新鮮な生命を含んでいるか」を重視します。

呼吸:
これが最も重要で、私たちが意識的にコントロールできる唯一のルートです。呼吸は単なるガス交換ではありません。大気中のプラーナを取り込み、体内の隅々まで運搬するポンプの役割を果たしています。

意識(マインド):
少しスピリチュアルに聞こえるかもしれませんが、「意識を向けたところにエネルギーは流れる」という法則があります。ポジティブで純粋な思考はプラーナを増幅させ、不安や怒りはプラーナを消耗させます。

 

実践:プラーナを感じてみよう

理屈はこのくらいにして、実際にプラーナを感じてみましょう。
特別な道具は何もいりません。あなたの身体一つあれば十分です。

ステップ1:手のひらの感覚を呼び覚ます
まず、楽な姿勢で座ります。背筋を軽く伸ばしましょう。
両手を胸の前で合わせ、少し強めにこすり合わせます。
摩擦で熱くなるまで、10秒〜20秒ほど続けてください。

ステップ2:微細な振動を観察する
動きを止め、両手を数センチほど離して、向かい合わせにします。
目は閉じてください。
手のひらの間の空間に意識を集中します。
じーんとするような感覚、ピリピリするような電気的な感覚、あるいは磁石が反発し合うような温かい圧力。
何かを感じるでしょうか?
それが、あなたの身体から放射されているプラーナです。
私たちは普段、これを「体温」や「血流」と片付けてしまいますが、その物理現象の背後にあるエネルギーの動きを感じ取ってみてください。

ステップ3:呼吸に乗せて運ぶ
その感覚を保ったまま、ゆっくりと深い呼吸を始めます。
吸う息とともに、その手のひらの温かさが、腕を伝って全身に広がっていくイメージを持ちます。
吐く息とともに、体の中の余分な緊張や澱みが、毛穴から外へ出ていくイメージを持ちます。
イメージすることは、エネルギーを動かすためのスイッチです。
ただの空想ではありません。意識という指令を受けて、プラーナは実際に動き始めます。

 

現代を生きるためのスピリチュアル・アドバイス

プラーナを感じられるようになると、生き方が少しずつ変わっていきます。
最後に、このエネルギー的な視点から、現代社会を健やかに生きるためのヒントをいくつか提案させていただきます。

エネルギー漏れ(プラーナ・リーク)を防ぐ
多くの人は「エネルギーを得ること(充電)」ばかり気にしますが、実は「漏らさないこと(節電)」の方が重要です。
最大のエネルギー漏れの原因は「過剰な重要性」です。
誰かに良く思われたい、失敗したくない、許せない、心配だ。
これらの執着やエゴの反応は、底の抜けたバケツのように、あなたの貴重なプラーナを垂れ流しにします。
「ま、いいか」「なるようになる」
そうやって肩の力を抜き、物事への重要度を下げたとき、エネルギーの浪費は止まり、内側に力が満ちてきます。

他人のエネルギーに巻き込まれない
人混みに行くと疲れる、特定の友人と会うとぐったりする。
これは「エネルギー・ヴァンパイア」のような現象が起きている、あるいは共鳴しすぎている可能性があります。
自分の周囲に透明な卵型のカプセルがあるようなイメージを持ってください。
それは防御壁ではなく、あなたのプラーナのフィールドです。
その中を心地よい光で満たしておくこと。
他者に同調しすぎず、自分の中心(センタリング)を保つことが、自分を守る最強のシールドになります。

「今、ここ」にエネルギーを集中する
過去を悔やんでいるとき、あなたのプラーナは「過去」へ流れています。
未来を心配しているとき、あなたのプラーナは「未来」へ流れています。
つまり、「今」を生きるためのエネルギーが空っぽになっているのです。
これが、現代人が感じる「なんとなくダルい」の正体です。
呼吸に意識を戻し、今この瞬間の身体感覚に戻ってくること。
それだけで、分散していたエネルギーが回収され、現在という一点に凝縮されます。
その時、私たちは圧倒的な「生」の充実感を得ることができるのです。

 

終わりに:ヨガとはエネルギーの錬金術

ヨガのポーズ(アーサナ)は、単に体を柔らかくするためのものではありません。
あれは、身体という器を使ってナーディを刺激し、プラーナの流れを整え、最終的には意識を進化させるための「エネルギーの錬金術」なのです。

形にとらわれる必要はありません。
鏡を見る必要もありません。
ただ、目を閉じ、内側を流れる風のような感覚、温かい光のような感覚に耳を澄ませてみてください。

あなたは、肉体という物質であると同時に、光り輝くエネルギー体でもあります。
そのことに気づいたとき、孤独感や欠乏感は薄れ、世界全体と呼吸を合わせるような、大きな安らぎの中にいる自分を発見するでしょう。

ではまた。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。