自分のダルマ、すなわち魂の本来の道筋を歩み始めると、私たちの人生には不思議で、しかし確かな変化が訪れます。それは、まるで目に見えない大きな力が、私たちの背中を優しく押し、進むべき道を照らし出してくれるかのような感覚です。これまで固く閉ざされていた扉が絶妙なタイミングで開き、必要な情報や協力者がまるで引き寄せられるかのように現れる。ヨガの世界では古くから知られてきたこの現象を、現代の言葉で言うならば、「ダルマを生きる時、宇宙はあなたを全面的にサポートする」ということになるでしょう。
この宇宙的なサポートは、心理学者カール・ユングが提唱した「シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)」という形で、私たちの日常に頻繁に現れ始めます。ふと気になって手に取った本に、今まさに悩んでいた問題の答えが書かれていた。ずっと会いたいと思っていた人物に、予期せぬ場所でばったりと出会った。プロジェクトに必要な資金が、諦めかけた瞬間に不思議な経緯で集まった。これらは単なる幸運や偶然の一致ではありません。あなたが自己のダルマという、宇宙の大きな流れと調和した時、宇宙がそれに応答してくれているサインなのです。
なぜ、このようなサポートが起こるのでしょうか。東洋思想の観点から見れば、その理由は明快です。宇宙全体は、ダルマという大いなる法、秩序によって成り立っています。私たち一人ひとりのスヴァ・ダルマ(個人のダルマ)は、この宇宙全体のダルマの一部であり、その調和に貢献するよう設計されています。あなたが自分のダルマを生きるということは、小宇宙である個人が、大宇宙である全体の目的と一致して動くことを意味します。そうなれば、全体の力が個人を後押しするのは、極めて自然な摂理なのです。それは、川の流れに乗った小舟が、川全体の力によって楽々と海まで運ばれていくのに似ています。
ダルマを生きる時、私たちはしばしば「フロー状態」と呼ばれる意識の状態を経験します。行為と意識が完全に一体化し、「私がやっている」というエゴの感覚が消え、時間が歪むかのように感じられるほどの深い没入感。この時、私たちは個人の限定された能力を超え、まるで大いなる知性や力が自分というパイプを通して働いているかのような感覚を覚えます。これもまた、宇宙のサポートが顕現した姿の一つです。
スピリチュアルな比喩を1%だけ用いるなら、トランサーフィン理論でいうところの「ヴァリアントの空間」において、あなたは自分の魂の周波数と完全に一致する「ライフトラック」に乗った状態と言えるかもしれません。そこでは、物事は最小限の抵抗で、スムーズに流れていきます。また、量子力学的な比喩を用いれば、あなたの「在り方」という波動が、宇宙の根源的な調和の波動と共鳴し、その結果として、可能性の波が収縮して、あなたの意図に沿った現実が「観測」されるのです。
しかし、ここで誤解してはならないのは、ダルマの道が常に安楽で、何の困難もないという意味ではないということです。むしろ、魂の成長を促すための試練や挑戦は、ダルマの道においても現れます。ですが、その困難は、あなたを打ちのめすためのものではなく、あなたが次のステージに進むために必要な力や智慧を授けるための、宇宙からの「ギフト」として現れるのです。そして、その試練を乗り越えるために必要な助けもまた、必ず与えられます。
自分のダルマを生きることは、暗闇の中を一人で手探りで進む、孤独な戦いではありません。それは、宇宙という賢明で、愛に満ちたパートナーとの、信頼に基づいた共同創造のダンスです。あなたが恐れを手放し、魂の声に導かれるままに最初の一歩を踏み出す時、世界はあなたを歓迎し、その足元に光を灯し、進むべき道を示してくれるでしょう。あなたの仕事は、ただその導きを信頼し、感謝とともに、次の一歩を踏み出し続けることだけなのです。


