87.感謝の手紙を書く – 言葉にして初めて届く思い

自己啓発

心の中に温かい感謝の気持ちが湧き上がる。それは、それ自体が美しく、尊い体験です。しかし、その内側で生まれたエネルギーは、外側の世界へと表現され、形を与えられることで、何倍にも増幅され、あなたと世界の間に魔法のような循環を生み出します。そのための最もシンプルで、しかし驚くほどパワフルな実践の一つが、「感謝の手紙を書く」という行為です。

この実践は、近年のポジティブ心理学の研究によって、幸福度を高め、ストレスを軽減し、精神的な回復力(レジリエンス)を向上させることが科学的にも証明されています。しかし、ヨガの視座から見れば、これは単なるメンタルハックではありません。それは、宇宙の根源的な豊かさと繋がり、カルマ(行為)の質を変容させる、深遠なスピリチュアルな稽古なのです。

ヨガのニヤマ(勧戒)には、サントーシャ(知足)という教えがあります。これは、「今あるもので満ち足りることを知る」という智慧です。私たちはしばしば、「あれが足りない」「これが手に入れば幸せになれるのに」という欠乏感に心を支配されています。感謝の手紙を書くという行為は、この欠乏のマインドセットから、豊かさのマインドセットへと意識のチャンネルを切り替える、極めて具体的なスイッチとなります。なぜなら、感謝できる対象を探す時、私たちの意識は「ないもの」ではなく、「すでにあるもの」へと向けられるからです。

さらに、これは結果への執着を手放すカルマヨガの実践でもあります。手紙を書く目的は、「相手に喜んでもらう」ことや「良い人だと思われたい」ことではありません。もちろん、そうなれば素晴らしいことですが、本質はそこにはないのです。ただ、自分の内側から湧き上がる感謝の気持ちを、見返りを求めず、純粋な行為として表現すること。その行為そのものが、あなたのカルマを浄化し、良いエネルギーの種を蒔くことになるのです。

スピリチュアルな視点を少しだけ加えるなら、言葉は単なる記号ではなく、特定の振動数(ヴァイブレーション)を持つエネルギーである、という考え方があります。いわゆる「言霊(ことだま)」です。感謝の言葉は、愛と共に、最も高い周波数を持つとされています。心の中で思うだけでなく、それをペンという物理的な道具を使って、紙という物質世界に書き記す時、その高い周波数のエネルギーは、現実世界に強力にアンカリング(固定)されるのです。それは、あなたの意図が物質化した、小さな魔法のアイテムとなります。

では、どのように実践すればよいのでしょうか。

まず、誰か一人、心から感謝したい相手を選びます。それは、両親や親友、恩師といった近しい人でも良いですし、毎日利用するコンビニの店員さんや、いつも丁寧な仕事をしてくれる清掃員の方といった、普段は意識しない人でも構いません。

そして、便箋とペンを用意し、静かな時間を見つけて、その人への感謝の気持ちを書き綴ります。大切なのは、ただ「ありがとう」と書くのではなく、「なぜ」感謝しているのかを具体的に書くことです。「あの時、あなたが言ってくれた〇〇という言葉に、私は本当に救われました」「あなたが毎日笑顔で挨拶してくれるおかげで、私の朝はとても明るい気持ちになります」。具体的なエピソードを盛り込むことで、感謝はよりリアルで、心のこもったものになります。

書き終えた手紙は、もし可能なら相手に渡すと良いでしょう。しかし、それが難しい場合や、気恥ずかしい場合は、渡さなくても全く問題ありません。重要なのは、書くというプロセスそのものです。机の引き出しにしまっておくだけでも、そのエネルギーは静かにあなたと世界に働きかけ続けます。

上級編として、二つの特別な手紙をお勧めします。

一つは、「自分自身への感謝の手紙」。私たちは他者を褒めることはあっても、自分自身を労い、感謝することは忘れがちです。これまで頑張ってきたこと、乗り越えてきた困難、自分の長所や才能。それらを認め、心からの感謝を自分自身に贈るのです。これは、自己肯定感を育むための、何よりの薬となります。

もう一つは、さらにチャレンジングな、「苦手な人や、困難な出来事への感謝の手紙」です。その人や出来事のおかげで、あなたは何を学び、どのように成長できたでしょうか。どんなに辛い経験の中にも、必ず学びやギフトは隠されています。その光の側面を見つけ出し、言葉にすることで、過去の傷は癒され、カルマ的な繋がりは解放へと向かいます。

感謝の手紙は、過去を癒し、現在を祝福し、未来への豊かさの扉を開く鍵です。ペンを取り、言葉を紡ぐという、このアナログで温かい行為が、忘れかけていた人との繋がりを再発見させ、あなたの世界を優しさと感謝の光で満たしてくれることを、約束します。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。