私たちは、自分以外の誰かの才能や功績に対しては、惜しみない賛辞を送ることができます。「あの人は天才だ」「素晴らしい創造性だ」と。しかし、いざ自分自身の内側にある力に目を向ける段になると、途端に厳格な批評家へと豹変してしまいます。「私なんて、まだまだだ」「こんなものでは誰も評価してくれない」。この根深い自己不信と自己への過小評価こそが、私たちの内に眠る無限の創造性を封じ込めている、最大の封印です。
ヨガ哲学の根底には、「アートマン(個の根源)はブラフマン(宇宙の根源)と同一である」という壮大な思想が流れています。これは、あなたという個人の内側には、この宇宙全体を創造したのと同じ、無限の創造エネルギーが、そのままの形で宿っているという宣言に他なりません。あなたが今、呼吸をしていること。心臓が鼓動していること。新しい細胞が生まれ続けていること。これら生命の営みそのものが、一日たりとも休むことのない、奇跡的な創造活動なのです。私たちは皆、生まれながらにして、この宇宙の共同創造主としての資格を与えられています。
自分の創造力を祝福するとは、この揺るぎない事実に目覚め、それを全面的に受け入れるという決意です。それは、何か特別な芸術作品を生み出したり、社会的な成功を収めたりした時だけに限られるものではありません。朝、一杯のコーヒーを丁寧に淹れること。心を込めて料理を作ること。子供に物語を読み聞かせること。日々の暮らしの中に散りばめられた、ありふれた行為の一つ一つが、あなたのユニークな創造性の表現です。その小さな創造の一つ一つに気づき、慈しみ、そして「よくやったね、私」と祝福してあげるのです。
この自己祝福の習慣は、あなたの自己肯定感を育むだけでなく、エネルギー的にも非常に重要な意味を持ちます。あなたが自分自身を祝福する時、あなたは自分の内なる創造主に対して、「私はあなたの力を信じています。もっとその力を発揮してください」という、力強いメッセージを送っていることになります。この信頼と許可のエネルギーを受け取った内なる創造主は、喜んでその力をさらに解放し、あなたの人生をより豊かで、より美しいものへと変容させていくでしょう。
逆に、自己批判は「あなたの力なんて信じていません。出てこないでください」という封印の呪文を唱え続けているのと同じです。私たちは、他人からの承認を渇望しますが、本当に必要なのは、他の誰でもない、自分自身からの承認と祝福なのです。あなたがあなた自身の最大のファンになること。それこそが、創造の扉を開く究極の鍵です。
すべての偉大なアーティストや発明家、思想家たちは、その内側でこの自己祝福の回路を持っていたはずです。彼らは、世界がまだ評価しない時から、自らの内なるビジョンの価値を信じ、それを育み、祝福し続けました。あなたもまた、あなたの人生というアート作品を創造する、唯一無二のアーティストなのです。
【今日の実践】
今日一日を「自己祝福の日」としましょう。鏡の前に立ち、自分の目を見て、にっこりと微笑みながら、声に出してこう言ってみてください。「私は、私の内に宿る無限の創造力を信頼し、祝福します」。少し照れくさいかもしれませんが、この言葉が持つ力は絶大です。そして、一日の中で何かを成し遂げた時、どんなに些細なことでも構いません、例えば「美味しい食事が作れた」「仕事を一つ片付けた」という時に、自分の胸にそっと手を当て、「私、よくやったね。ありがとう」と囁きかけてあげてください。この温かい自己対話が、あなたの内なる創造主を力づけ、さらなる奇跡を引き寄せる土壌を育んでいくことでしょう。


