75.苦手な人との付き合い方 – 内なる課題の投影として捉える

自己啓発

私たちの人生には、なぜか心を逆撫でされたり、一緒にいるだけでエネルギーを消耗してしまったりする、「苦手な人」が時として現れます。私たちはそのような人物を避けようとしたり、相手が変わってくれることを願ったりしますが、多くの場合、状況は改善しません。それどころか、職場や環境が変わっても、また同じようなタイプの人に出会ってしまう、という経験をしたことがある人も少なくないでしょう。ヨーガの叡智は、この不可解な現象に対して、根本的な視点の転換を促します。その「苦手な人」は、あなたを困らせるために現れたのではなく、あなたの魂の成長のために現れた、変装した「教師」なのかもしれない、と。

この考え方の根底にあるのは、前項で触れた「他者は自分の鏡」という法則です。特に、私たちが「苦手だ」「嫌いだ」と強く反応する相手は、自分自身の「シャドウ(影)」、つまり、普段は意識の光が当たらず、自分では認めたくない側面を強烈に映し出していることが多いのです。例えば、優柔不断な人にイライラするのは、自分の中にある「決断できない弱さ」を直視したくないからかもしれません。あるいは、自己中心的な人に嫌悪感を抱くのは、自分も他者を顧みずに行動したいという抑圧された欲求があるか、もしくは、過剰に他者に尽くしすぎて自分を犠牲にしていることへの内なる警告なのかもしれません。

この「教師」との付き合い方には、二つの側面があります。一つは、アヒンサー(非暴力)の実践としての、物理的・心理的な距離の確保です。自分自身を不必要に傷つける関係性の中に、我慢して留まり続ける必要は全くありません。もし相手の言動があなたの心身の健康を脅かすのであれば、可能な限り距離を置くことは、自分自身に対する優しさであり、健全な自己防衛です。これは逃避ではなく、賢明な選択です。

しかし、重要なのは、その上で取り組むべきもう一つの側面、すなわち内面的な探求です。物理的に距離を置いたとしても、心の中で相手を責め続けたり、怒りを燃やし続けたりしていては、その課題は未解決のまま持ち越され、いずれまた別の「教師」を引き寄せることになります。真の解放は、外側の相手を変えることによってではなく、内なる反応のパターンを変えることによってのみ訪れます。

そのための実践は、静かな自己との対話です。まず、その苦手な人に対して抱く感情(怒り、嫌悪、恐れ、軽蔑など)を、正直に、そして批判せずに認めます。そして、その感情の奥深くへと問いを進めていくのです。「なぜ、私はこの人のこの言動に、これほど強く反応するのだろう?」「この感情は、過去のどんな経験と繋がっているだろうか?」「この人は、私に何を気づかせようとしてくれているのだろう?」「もし、この人の存在が私の成長のためのギフトだとしたら、その中身は何だろう?」と。

この問いかけは、私たちを被害者のドラマから引き離し、出来事の意味を主体的に読み解く探求者の視点を与えてくれます。すると、驚くべき発見があるかもしれません。例えば、いつも批判的な上司に悩まされていた人が、内なる探求の末に、自分自身が完璧主義に陥り、常に自分を厳しく批判していることに気づく、といったケースです。その上司は、その人の「内なる批判家」を、ただ外側で演じて見せてくれていただけなのかもしれません。この気づきが訪れた時、不思議と相手に対する感情が和らぎ、状況そのものが変化していくことさえあるのです。

少しスピリチュアルな視点を加えるなら、こうした出会いは「カルマ的な繋がり」として捉えることもできます。魂の長い旅路において、過去生でやり残した課題や、解消すべき関係性のパターンが、「苦手な人」という形で今生の目の前に現れている、という見方です。この視点に立てば、その出会いは、過去の鎖を断ち切り、魂を解放するための、またとないチャンスとなります。

引き寄せの法則は、私たちの内なる波動が外側の現実を創造すると説きます。心の中に「苦手な人」への抵抗や怒りを抱え続けている限り、その波動は、さらなる抵抗や怒りを感じさせる状況を引き寄せます。しかし、その出会いを内なる学びの機会として捉え、感謝の視点を持つことができたなら、あなたの波動は変化します。その時、あなたの現実から「苦手な人」は去っていくか、あるいは、もはやあなたを脅かす存在ではなくなっていることに気づくでしょう。あなたの内なる課題が解決された時、その役割を終えた「教師」は、静かにあなたの前から姿を消すのです。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。