minimalismは選択肢としてあるのであって、減らすことを強制するものではない【より少ない生き方を実験中】

365days

東京の原宿・表参道という喧騒から少し離れたミニマルな空間で、ヨガのアーサナを通じて身体を練り上げる「ENQAN」や、日本一簡単な瞑想会「SIQAN」をお伝えしながら、日々「手放すこと」と向き合っています。

皆さんは「ミニマリズム」という言葉に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
何もない部屋に住み、持ち物を極限まで削ぎ落とすストイックな修行僧のような生活を想像する方も多いかもしれません。
しかし、本日はその少し窮屈なイメージを取り払い、もっと自由で軽やかな視点からミニマリズムについてお話ししていきましょう。

 

【ミニマリズムとは何か?】

結論から申し上げますと、ミニマリズムとは決して「物を減らすことを強制するルール」ではありません。
それは、自分にとって本当に大切なものを見極め、人生を身軽にしていくための「選択肢」の一つに過ぎないのです。

情報やモノが溢れかえる現代において、私たちは無意識のうちに多くのものを抱え込みすぎてしまいます。
だからこそ、「より少ない生き方」を一つの実験として取り入れてみる。
そうすることで、ノイズが取り除かれ、自分の内側にある本質や本当の情熱に気づくことができるようになります。
ミニマリズムとは、あくまで人生の質を高めるためのツールであり、目的そのものではないのですね。

 

【「強制」ではなく「選択」することの重要性】

世間を見渡すと、「あれを捨てなければならない」「これを持っているとミニマリストとは呼べない」といった強迫観念のような風潮に出会うことがあります。
しかし、無理に物を減らして生活の質を落としてしまったり、一緒に暮らす家族にまで自分の価値観を強要してしまっては本末転倒でしょう。

人にはそれぞれ、心地よいと感じるモノの量が存在します。
ある人にとってはトランク1つに収まる生活が最高かもしれませんが、別の人にとっては厳選された好きな道具に囲まれた生活が至福なのです。
大切なのは、他人の基準や世間の流行に流されるのではなく、自分の意思で「何を持ち、何を手放すか」を選ぶこと。
自分自身の人生の主導権を取り戻すプロセスこそが、ミニマリズムの真髄と言えます。

 

【東洋思想とヨガ哲学から読み解く思想背景】

この「選択としてのミニマリズム」は、決して現代になって急に生まれた新しい概念ではありません。
数千年の歴史を持つ東洋思想やヨガ哲学の背景を紐解くと、そこに確かな源流を見出すことができます。

たとえば、古代インドの教典『ヨガスートラ』には、ヨガの実践者が日常で守るべき社会的・道徳的な禁戒である「ヤマ」という教えが記されています。
その中に「アパリグラハ」という専門用語があるのをご存知でしょうか。
これは日本語で「不貪(ふとん)」と訳され、必要以上に物を所有しないこと、あるいは強い執着を手放すことを意味します。
また、同じくヨガの教えにある「サントーシャ(知足:ちそく)」は、「今あるもので十分に満たされていると知ること」を説いています。

さらに、日本の禅の精神や、中国の老荘思想における「無為自然(むいしぜん:作為を捨ててありのままに生きること)」にも目を向けてみてください。
当時の賢人たちは、「持たないこと」をルールとして人々に強制したわけではありません。
物質的な所有が心に執着を生み、それが苦しみの原因になることを深く理解していたため、心の平穏を保ち、本質にフォーカスするための「技術」としてこの思想を実践していたのです。

 

【「より少ない生き方」を実験する】

EngawaYogaでお伝えしているアーサナ(ヨガのポーズ)の練習でも、これはまったく同じです。
逆転のポーズや後屈のポーズなど、高度な身体操作を伴う動きの中では、無駄な力みや「うまく見せよう」というエゴを手放さなければ、決して安定した状態には辿り着けません。
余計なものを削ぎ落として野生の身体を呼び覚ますことで、初めて「軽い自己」と出会うことができるのです。

日常の生活でも、ぜひこの感覚を実験的に取り入れてみてください。 物理的な持ち物を少し減らしてみる。 スケジュールの空白を恐れずに、意図的な余白を作ってみる。
デジタルの波から一定時間距離を置いてみる。 こうした小さな引き算の実験を繰り返すことで、自分が本当に情熱を注ぎたい対象が自然と浮き上がってくるはずです。

 

【経験のサイクルに寄り添う】

最後に、人生という長期的な時間軸について触れておきます。 人のエネルギーは常に一定ではなく、波のようなサイクルで回っているものです。

とにかく外の世界へと飛び出し、新しい人やモノと出会い、あらゆる経験数を増やそうとする時期。
そして反対に、経験数をあえて減らし、自分の内側へと深く潜って内観や勉強に集中する時期。

どちらが良い悪いではなく、その時々の自分のエネルギーサイクルに寄り添うことが何より大切です。
今はたくさん吸収したい時期だと感じれば、無理に手放す必要はありません。
逆に、少し抱え込みすぎて身動きが取れなくなってきたと感じた時にこそ、ミニマリズムという選択肢をそっと引き出しから取り出せばよいのです。

強制されることなく、ただ自分自身の心地よさを羅針盤にして。 どうか力を抜いて、あなたらしい「より少ない生き方」の実験を楽しんでみてください。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。