109.遊び心というタパス – 真剣に、しかし深刻にならずに

365days

ヨガや瞑想、あるいは自己を探求する道と聞くと、私たちはしばしば眉間にしわを寄せた、ストイックで生真面目な修行僧の姿を思い浮かべるかもしれません。確かに、その道には「タパス(Tapas)」と呼ばれる、自らを鍛え、不純物を焼き尽くすための熱意や鍛錬が不可欠です。しかし、もしそのタパスが、常に歯を食いしばるような苦行や、完璧主義に根ざした自己批判と結びついていたとしたら、その道は長くは続かないでしょう。やがて燃え尽きるか、あるいは独善的な堅苦しさの虜になってしまいます。

ここで私たちが思い出すべきなのは、ヒンドゥーの神々が見せる、もう一つの顔です。それは「リーラ(Lila)」、すなわち「神の戯れ」と呼ばれる概念です。この宇宙の創造、維持、そして破壊という壮大な営みでさえ、神にとっては深刻な仕事ではなく、ただの自由で喜びに満ちた「遊び」である、とインドの思想は説きます。この宇宙的な遊びの感覚、すなわち「遊び心」を、私たちのタパス(鍛錬)に持ち込むこと。それこそが、探求の道を、苦しみから喜びに、義務から自由に転換させる、魔法の鍵なのです。

「真剣であること」と「深刻であること」は、似ているようで全く異なります。

真剣であることは、今この瞬間の行為に、100%の意識とエネルギーを注ぐことです。アーサナの最中、自分の身体感覚や呼吸に、一点の曇りなく注意を向けている状態。それは、カルマヨガの実践であり、フロー状態への入り口です。真剣さは、私たちの実践に深みと質をもたらします。

一方、深刻であることは、未来の結果や過去の失敗に心を奪われ、自己をジャッジし、不安や緊張に苛まれている状態です。「ポーズがうまくできなければ、私はダメな人間だ」「瞑想で静かになれなかったらどうしよう」。この深刻さは、エゴの声であり、私たちの心身を硬直させ、エネルギーの流れを滞らせます。

遊び心とは、この「深刻さ」という重たい鎧を脱ぎ捨て、子供のような好奇心と軽やかさで、実践に取り組む態度です。バランスポーズでぐらついて、倒れてしまったとしましょう。深刻な態度は、「また失敗した…」と自分を責めます。しかし、遊び心のある態度は、「おっと、すごい揺れだ!もう一回やってみよう!」と、そのプロセスそのものを面白がることができるのです。瞑想中に雑念が浮かんできても、「あ、またあの思考が遊びに来たな」と、うるさい客人を追い払うのではなく、軽く挨拶して、また自分の呼吸に戻っていく。この軽やかさが、実践を長続きさせ、私たちを自己批判のループから救い出します。

この遊び心というタパスは、いわゆる引き寄せの法則を機能させる上でも、決定的に重要です。深刻さは、「こうでなければならない」という強い執着と、「それが手に入らないかもしれない」という欠乏感の波動を発します。この重たいエネルギーは、抵抗を生み出し、宇宙の軽やかな流れを堰き止めてしまいます。

対照的に、遊び心、楽しさ、喜びの波動は、非常に周波数が高く、軽やかです。宇宙は、楽しんでゲームをしているプレイヤーを応援するのが好きだ、と考えてみてください。あなたが人生というゲームを、「クリアしなければならない」という深刻なミッションとしてではなく、「どんな面白いことが起こるだろう?」というワクワクする冒険として捉える時、宇宙は次々とシンクロニシティという名のボーナスステージを用意してくれるのです。

ヨガの実践は、人生の縮図です。マットの上で、私たちは自分自身の深刻さや完璧主義、コントロール欲といったパターンに直面します。そのパターンに気づき、「やあ、また会ったね」と微笑みながら、少しだけ遊び心を加えてみる。完璧なポーズを目指すのではなく、身体が奏でるユニークな音楽に耳を澄ませてみる。呼吸のリズムに合わせて、自由に踊ってみる。

あなたの探求の道は、苦行の道である必要はありません。それは、あなたという未知の大陸を探検する、壮大な冒険旅行なのです。羅針盤は真剣に、しかし、足取りは軽やかに。その時、あなたのタパスは、喜びの炎となって燃え盛り、あなたを、そしてあなたの周りの世界をも、明るく照らし出すことになるでしょう。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。