92. デジタル・デトックス – 意識の純度を高める

365days

前項で述べたシャウチャ(清浄)の概念は、古代のヨギたちが生きた時代には存在しなかった、新たな挑戦に直面しています。それが、情報という名の洪水です。私たちは今、スマートフォンという小さな窓を通して、24時間365日、無限とも思える情報、刺激、そして他者の人生の断片に晒され続けています。このデジタル環境は、私たちの意識をかつてないほど「汚染」し、その純度を著しく低下させていると言っても過言ではありません。だからこそ、現代を生きる私たちにとって、「デジタル・デトックス」は、シャウチャの最も今日的で重要な実践となるのです。

なぜ、私たちはデジタル機器から意識的に離れる必要があるのでしょうか。第一に、それは私たちのプラーナ(生命エネルギー)を著しく消耗させるからです。画面から放たれるブルーライト、絶え間なく鳴り響く通知音、次々と流れてくる刺激的なコンテンツ。これらはすべて、私たちの神経系をラジャス(激性)の状態に保ち、常に微細な興奮と緊張を強います。気づかぬうちにエネルギーは漏れ出し、一日が終わる頃には、何もしていなくてもぐったりと疲れている、という経験は誰にでもあるでしょう。これは、魂の栄養がデジタル機器に吸い取られている状態なのです。

第二に、それは私たちの思考を断片化させ、集中力を奪います。数秒ごとにコンテンツが切り替わるSNSのタイムラインは、私たちの脳を「深く考える」ことから遠ざけます。一つの物事にじっくりと集中するヨガの修練「ダーラナー」とは、まさに対極にある行為です。深い思考や内省、創造的なアイデアが生まれるためには、静かで集中した心の状態が不可欠ですが、デジタル漬けの生活は、そのための土壌を根こそぎ奪ってしまう危険性をはらんでいます。

第三に、そしてこれが引き寄せの法則の観点から最も重要な点ですが、デジタル環境、特にSNSは、「比較」と「欠乏感」を増幅させる巨大な装置として機能します。画面の向こうには、巧妙に編集された他者の成功、幸福、豊かさ(に見えるもの)が溢れています。私たちは無意識のうちに、そのきらびやかな「ハイライト」と、自分自身のフィルターのかかっていない「日常」を比較し、「私にはあれが足りない」「これがない」という欠乏感を募らせていきます。ヨガの叡智であるサントーシャ(知足)は、この比較地獄の中では育ちようがありません。そして、欠乏感という周波数は、さらなる欠乏の現実を引き寄せるという悪循環を生み出してしまうのです。

では、具体的にどうすればよいのでしょうか。いきなりスマホを解約する必要はありません。それは新たなストレスを生むだけです。大切なのは、意識的に距離を置くための、小さな「稽古」を日常に取り入れることです。

例えば、「寝る前の1時間と、朝起きてからの1時間はスマートフォンに触らない」というルールを決めてみましょう。睡眠の質が向上し、朝の目覚めが穏やかになります。あるいは、「食事中はスマホを別の部屋に置く」。目の前の食事を五感で味わう「食べる瞑想」となり、サントーシャを育む絶好の機会となります。

さらに、アプリの通知を必要最低限のもの以外はすべてオフにすることをお勧めします。これにより、あなたは情報の受け手から、主体的に情報を取りにいく能動的な存在へとシフトできます。自分の意識の主導権を、テクノロジー企業から自分自身の手に取り戻すのです。

デジタル・デトックスは、ヨガの八支則における「プラティヤハーラ(感覚の制御)」の現代的な実践です。常に外側に向かっていた五感のアンテナを、意識的に内側へと引き戻す訓練。最初は「退屈」や「不安」を感じるかもしれません。しかし、そのノイズが消えた静寂の中にこそ、あなたが本当に聞くべき声、つまり、あなた自身の内なる師、魂のささやきが聞こえてくるのです。

デジタル・デトックスは、テクノロジーを否定することではありません。それは、自分とテクノロジーとの間に、健全な「間」を取り戻すことです。意識の純度が高まれば、現実の解像度も上がります。本当に大切なもの、本当に繋がるべき人、本当に進むべき道が、クリアに見えてくるはずです。純粋な意識という鏡にこそ、あなたの望む純粋な現実が映し出されるのですから。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。