ヨガの日本伝来史:空海から現代の美容ブーム、そして本来の教えへ【ヨガの歴史QA】

自己啓発

ヨガを推奨しております。

私たちが日々親しんでいるヨガ。

今ではお洒落なスタジオやジムで当たり前のように行われていますが、この東洋の叡智は、一体いつ、どのようにして海を渡り、この日本という国に根付いたのでしょうか?

今回は、そんな「ヨガの日本伝来史」という少し壮大な旅にお連れしたいと思います。

単なる歴史の授業ではありません。

過去を知ることは、現代の私たちがヨガとどう向き合うべきか、その本質を知るための道しるべになるからです。

美容やエクササイズとして消費されがちな現代ヨガの向こう側にある、本来の精神性に触れていきましょう。

 

Q. ヨガはいつ日本に入ってきたのですか?

A. 実は、1200年以上も前、「仏教」という形をして入ってきていました。

「えっ、そんなに昔?」と驚かれるかもしれません。

私たちがイメージする「ポーズをとるヨガ(ハタヨガ)」が一般化したのはごく最近のことですが、ヨガの「精神性」や「瞑想技法」は、平安時代にはすでに日本に上陸していたのです。

その立役者が、真言宗の開祖、空海(弘法大師)です。

彼が唐から持ち帰った「密教」には、ヨガの教えが色濃く反映されています。

サンスクリット語の「ヨガ」は、漢訳仏教では
「瑜伽(ゆが)」と訳されました。

「瑜伽」とは、心と対象が合一すること、つまり瞑想によって仏と一体になることを指します。

空海が実践した、手で印を結び(ムドラ)、口で真言を唱え(マントラ)、心に仏を観想する(瞑想)という「三密加持」は、まさに古代インドのヨガの実践そのものです。

つまり、私たち日本人は、知らず知らずのうちに仏教というフィルターを通して、1000年以上も前からヨガのスピリットに触れていたのです。

この「瑜伽」の精神は、その後も禅や武道、芸道といった日本文化の根底に深く浸透していきました。

「心身一如(心と体は一つである)」という日本的な身体観は、すでにヨガ的な土壌があったからこそ育まれたものと言えるでしょう。

 

Q. ポーズをとる「現代ヨガ」はいつから?

A. 明治・大正の「霊術ブーム」と、中村天風という巨人。

時代は下り、明治から大正にかけて、日本には西洋の体操や健康法が次々と流入してきました。

この時期、「呼吸法」や「精神統一」を中心とした民間療法(霊術)が大流行します。

その中で、日本におけるヨガの草分け的存在として知られるのが、中村天風です。

彼は結核を患い、救いを求めて世界を放浪した後、ヒマラヤの麓でヨガの聖者カリアッパ師に出会い、修行を行いました。

帰国後、彼はその教えを「心身統一法」として体系化し、政財界の重鎮たちに指導しました。

天風の教えは、インドのヨガを日本人の気質に合わせてアレンジしたものであり、「クンバハカ(肛門を締めて下腹に力を込める)」といった技法は、まさにハタヨガの「バンダ」そのものです。

同時期に、沖正弘によって創始された「沖ヨガ」も重要です。

彼はインドの古典ヨガに、日本の禅や武道、東洋医学、そして食養生(マクロビオティック)などを融合させ、日本独自の「生活ヨガ(求道ヨガ)」を確立しました。

当時のヨガは、美容目的などではなく、心身を鍛え直し、生き方を問うための、もっと泥臭く、骨太な「行(ぎょう)」としての側面が強かったのです。

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Q. なぜ今のような「美容・フィットネス」になったの?

A. 1990年代以降のアメリカからの逆輸入と、オウム真理教事件の影響、そして2000年代のヨガブーム。

ここには少し複雑な歴史の断絶があります。

1970年代から80年代にかけて、日本でもヨガは静かなブームを迎えていました。

しかし、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件が、その流れを完全に断ち切ります。

「ヨガ=洗脳、カルト、怪しい」という強烈なネガティブイメージが社会に植え付けられ、ヨガ道場は次々と閉鎖に追い込まれました。

その「冬の時代」を終わらせたのが、2000年代初頭の「ハリウッドヨガブーム」です。

マドンナをはじめとするハリウッドセレブたちが、スタイリッシュなウェアでヨガをする姿がメディアで紹介されました。

これにより、ヨガは「怪しい修行」から「お洒落なフィットネス」「セレブの美容法」へと、劇的なイメージ転換(リブランディング)を果たしたのです。

ここで日本に入ってきたのは、インド直輸入のヨガではなく、アメリカというフィルターを通して「フィットネス化」されたヨガでした。

宗教色が排除され、エクササイズとしての側面が強調されたことで、多くの人が抵抗なく始められるようになった一方、本来の精神性や哲学が見えにくくなってしまったのも事実です。

現代社会において、ヨガが「痩せるため」「きれいになるため」のツールとして消費されがちな背景には、こうした歴史的な経緯があるのです。

 

Q. 現代の私たちが、ヨガから本当に受け取るべきものは?

A. 外側の「美しさ」ではなく、内側の「静寂」と「気づき」。

ヨガがこれほど普及したことは素晴らしいことです。

入り口が美容であれ健康であれ、ヨガに触れることは人生のギフトになります。

しかし、ポーズの美しさや柔軟性、あるいは「映える」ウェアばかりに意識が向いてしまうと、私たちはヨガの果実の「皮」だけを食べて、一番美味しい「実」の部分を捨ててしまうことになりかねません。

現代社会は、過剰な情報と競争に溢れています。

私たちは常に「何者かにならなければならない」というプレッシャーに晒され、交感神経は悲鳴を上げています。

そんな時代だからこそ、空海が伝えた「瑜伽」の原点、天風が説いた「心身統一」の教えに立ち返る必要があるのではないでしょうか。

ヨガの本質は、ポーズ(アーサナ)を通して、自分の内側に「気づき(サティ)」の光を向けることです。

「今、呼吸が浅くなっているな」

「肩に力が入っているな」

「心が焦っているな」

そうやって自分自身を客観的に観察し、ジャッジすることなく受け入れる。

その時、私たちは社会的な役割やエゴから解放され、ただの生命としての自分に還ることができます。

スピリチュアルな視点で言えば、日本という土地には、古来より「万物に神が宿る」というアニミズム的な感性が根付いています。

これは、インド哲学の「梵我一如(宇宙と私は一つである)」という教えと非常に親和性が高いものです。

私たち日本人がヨガをするとき、無理にインド人になろうとする必要はありません。

縁側に座り、四季の移ろいを感じながら、静かに手を合わせる。

そんな日本的な感性の中で行われるヨガこそが、私たちのDNAに深く響き、真の癒やしをもたらしてくれるはずです。

流行りのスタイルを追いかけるのではなく、ご自身の呼吸の音に耳を澄ませてみてください。

1200年前からこの国に流れる「瑜伽」の精神は、あなたの内側にも、確かに脈打っているのですから。

ではまた。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。