スピリチュアルなアドバイスをするならば、「重要性を下げなさい」ということです。

自己啓発

ヨガやスピリチュアルな教えを探求していると、「引き寄せ」や「願望実現」といった言葉によく出会います。
「強く願えば叶う」「明確にイメージすれば現実化する」
もちろん、それらの教えには一理あります。意志の力は現実を動かすエンジンのようなものです。
しかし、多くの人が強く願っているにもかかわらず、なぜか現実は変わらない、あるいは逆に苦しくなってしまうというパラドックスに陥っています。

もし、私が今のあなたにたった一つだけ、最も効果的で、かつヨガの本質に即したスピリチュアルなアドバイスをするならば、こう言います。
「重要性を下げなさい」

これは逆説的に聞こえるかもしれません。
しかし、この「重要性の低下」こそが、凝り固まった現実を溶かし、人生という川の流れをスムーズにするための、最も強力な鍵なのです。
今日は、なぜ私たちが物事を重要視しすぎてしまうのか、そして重要性を下げた先にどのような自由(モークシャ)が待っているのかについて、静かにお話ししてみたいと思います。

 

重要性という名の「過剰ポテンシャル」

ロシアの量子物理学者ヴァジム・ゼランドが提唱した「トランサーフィン」という概念に、非常にヨガ的な真理が含まれています。
それは「過剰ポテンシャル」という考え方です。

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私たちが何かに対して「これはものすごく大事だ!」「絶対に失敗できない!」「これがなければ私は幸せになれない!」と強く思い込んだとき、そこには過剰なエネルギー(重要性)が発生します。
宇宙(あるいは自然の摂理)は、常にバランスを保とうとする性質を持っています。
どこかに過剰なエネルギーの偏りが生まれると、宇宙はそのバランスを取り戻そうとして、「平衡力」を働かせます。

具体的にどうなるかというと、あなたが重要視しすぎている対象を、あなたから遠ざけたり、台無しにしたりするような出来事が起こるのです。
「絶対に合格したい!」とガチガチになっている受験生が、本番でお腹を壊してしまう。
「この人に嫌われたくない!」と必死になっている人が、なぜか空回りして不自然な態度をとってしまい、関係がギクシャクする。
「お金が何より大事だ」と執着している人のところには、不思議とお金が回ってこない。

これらはすべて、あなたが作り出した「過剰な重要性」というエネルギーの乱れを解消するために、宇宙が「ちょっと落ち着きなさい」と水を差している現象と言えるでしょう。
ヨガで言うところの「アパリグラハ(不貪)」や「ヴァイラーギャ(離欲)」も、本質的にはこのメカニズムを説いています。
強く握りしめれば握りしめるほど、砂は指の隙間からこぼれ落ちていくのです。

 

現代社会は「重要性」を煽る装置

しかし、私たちが重要性を下げることは、現代社会において非常に困難なチャレンジでもあります。
なぜなら、資本主義社会そのものが、「重要性を上げること」を燃料にして回っているからです。

「このキャリアを手に入れることが、あなたの人生には不可欠です」
「この美容液を使わなければ、あなたは老いて価値を失います」
「このトレンドを知らなければ、あなたは時代遅れです」
「フォロワー数があなたの価値です」

広告、教育、SNS、メディア。あらゆる装置が、私たちに「これを重要視しろ」と叫び続けています。
私たちは知らず知らずのうちに、本来はどうでもいいはずのモノやコトに、「命がけ」のレベルの重要性を付与してしまっています。
些細なミスで「もう終わりだ」と絶望したり、誰かの何気ない一言に何日も悩み続けたりするのは、私たちが世界に対して過剰な意味付け(ラベリング)をしてしまっているからです。

この状態は、ヨガの生理学で言えば、常に交感神経(ピンガラ・ナーディ)が過剰に興奮し、プラーナ(気)が頭部に停滞している状態です。
これでは、直感も働かず、幸運が入ってくる隙間もありません。
カチカチに緊張した筋肉に血液が流れないように、重要性でガチガチになった人生には、新しい展開が流れ込んでこないのです。

 

「ま、いいか」という最強のマントラ

では、どうすれば重要性を下げることができるのでしょうか。
それは、物事を「どうでもいい」と投げやりになることではありません。
真剣には取り組むけれど、深刻にはならない。
「意図」は持つけれど、「執着」は手放す。
その微妙なバランス感覚(中道)を養うことです。

そのための魔法の言葉、あるいは現代的なマントラとしておすすめしたいのが、「ま、いいか」です。
あるいは、「なるようになる」。

何かトラブルが起きたとき、望んだ結果が出なかったとき、誰かに批判されたとき。
反射的に心がギュッと硬くなるのを感じたら、すかさず心の中で唱えてみてください。
「ま、これはこれで、面白い展開になるかもしれない」
「命まで取られるわけじゃないし」
「宇宙規模で見れば、瞬きするほどの出来事だ」

視点(観照者の視点)を高く上げることです。
ヨガマットの上でバランスポーズをとるとき、一点を凝視して力むと、かえってグラグラしますよね。
逆に、遠くをぼんやりと眺め、身体の力を抜いたとき、不思議とピタリと安定します。
人生も同じです。
対象への執着を緩め、「失敗しても、それもまた経験」と腹を括ったとき、過剰ポテンシャルは消え去ります。
すると、宇宙からの抵抗(平衡力)がなくなり、あなたの意図はスムーズに現実化へと向かい始めるのです。

 

願望は「郵便注文」のように

スピリチュアルな願望実現において、理想的な態度は「ネット通販で商品を注文するとき」の感覚に似ていると言われます。
Amazonで本を注文するとき、あなたは「本当に届くだろうか!?」と不安で眠れなくなったりしませんよね。
「絶対に届いてくれなければ困る!」と神に祈ったりもしないはずです。
ただ淡々と注文ボタンを押し、「そのうち届くだろう」と忘れて、日常の他のことをしています。

これが「重要性が低い」状態です。
「こうなったらいいな」という意図を明確に発したら、あとは「信頼して忘れる」。
ヨガの聖典『バガヴァッド・ギーター』における「行為の結果への無執着(カルマ・ヨガ)」の教えも、これに通じます。
結果はどうあれ、今の行為そのものを楽しむこと。
プロセスに没頭し、結果を宇宙(神)に委ねてしまうこと(イーシュヴァラ・プラニダーナ)。
その軽やかさこそが、最強の引き寄せ磁石となります。

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すべては「遊び(リーラ)」である

古代インドの哲学では、この世界は神々の「遊び(リーラ)」であるという美しい概念があります。
私たちは、人生という壮大なドラマを演じる役者です。
悲劇も喜劇も、成功も失敗も、すべては魂が経験を楽しむための「遊び」に過ぎません。

そう考えてみると、私たちが眉間に皺を寄せて悩んでいることのほとんどが、実は深刻なシリアスゲームではなく、楽しむべきプレイの一部であることに気づきます。
「重要性を下げる」とは、この「遊び心」を取り戻すことです。

深刻にならないでください。
あなたの人生に、失敗という概念はありません。あるのは経験だけです。
肩の力を抜いて、深呼吸をして、少しニヤリと笑ってみる。
「さて、次はどんな展開が来るのかな?」

そのリラックスした波動(バイブレーション)が、あなたの周りの空気を緩め、硬直していた現実を溶かし始めます。
奇跡は、必死に頑張っているときではなく、ふと力を抜いて、空を見上げた瞬間に訪れるものだからです。

さあ、今日一日、あなたが握りしめているその「重要性」という荷物を、少しだけ地面に置いてみませんか。
手ぶらになったその手には、もっと素晴らしい何かが、自然と舞い込んでくるはずですから。

ではまた。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。