心のガラクタを消去する。ホ・オポノポノのクリーニングツールと東洋思想の引き算の生き方

365days

私たちの心は、日々さまざまな情報や記憶によって埋め尽くされがちです。慌ただしい日常の中で、知らず知らずのうちに余計なノイズをため込んでしまうのは自然なことでしょう。

ハワイの伝統的な問題解決法である「ホ・オポノポノ」では、こうした心の雑音や過去の記憶を手放す行為を「クリーニング」と呼びます。このクリーニングとは、自分の潜在意識のなかに蓄積された古い思い込みや執着(メモリー)を消去し、心を本来の真っ白な状態(ゼロ)へと戻していくプロセスを指す言葉です。

この概念は、ヨガ哲学において潜在意識に刻まれた記憶の種を浄化する「サムスカーラ(潜在印象)の解消」と驚くほど共通しているのです。今回は、心のガラクタを取り除くための具体的なクリーニングツールを紹介します。ご自身の直感に従って、心地よいと感じるものを取り入れてみてください。

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定番であり手軽な基本のクリーニングツール

まずは、最も手軽で毎日取り入れやすい定番の方法から見ていきましょう。私自身、主宰するクラスの参加者に向けて、日々の空間や関係性のクリーニングを密かに行うのが日課です。

・ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛しています
この4つの言葉を心の中で、あるいは声に出して唱えることがすべての基本となります。自分自身の内側にある「過去の記憶(インナーチャイルド、あるいはウニヒピリ)」に向けて優しく語りかけるように唱えるのがコツです。特定の出来事に良し悪しの判断を下さず、ただ静かに言葉を響かせるだけで、蓄積されたメモリーがゼロへと戻っていきます。

・ブルーソーラーウォーター
青いガラス製のボトルに水を入れ、太陽の光に30分から1時間ほどあてることで作られる特別な水です。この水を飲むこと、あるいは料理や掃除に使うことで、潜在意識の奥深くにある記憶が自動的にクリーニングされます。ヨガにおける「サウチャ(清浄)」の実践にも通じる、非常にシンプルで美しい水の使い方と言えるでしょう。

・アイスブルー
「アイスブルー」という言葉を心の中で唱えながら、植物に触れる方法です。これは特に、肉体的、あるいは精神的な痛みを伴う記憶をクリーニングする際に強い効果を発揮するとされています。近くに本物の植物がない場合は、美しい氷河の青色や植物の姿を脳裏にイメージするだけでも構いません。

 

眺めるだけで記憶をゼロに戻す視覚的ツール

私たちの意識は、目で見るものからも多大な影響を受けているのが実態と言えます。視覚を通じて、潜在意識を優しくお掃除してくれるツールを日常に取り入れてみましょう。

・イチョウの葉
黄色く色づいたイチョウの葉には、心に溜まった苦悩や怒りの記憶を0(ゼロ)に戻す働きが宿っています。街を歩くときに実物のイチョウを眺めるのはもちろん、押し葉にして手帳に挟むのも効果的な方法です。東洋医学においても、イチョウが表す五臓の「肝」は怒りの感情と密接に結びついていると考えられてきました。苦しい出来事に遭遇した際は、イチョウの葉を思い浮かべながら、先ほどのアイスブルーと唱えてみるのも良いでしょう。

・レインボーブザー
心の中で「レインボーブザーを押す」と呟く行為は、感情の昂りを静める強力な補助となります。特に、激しい怒りや悲しみの記憶が頭の中でリピート再生され、止まらなくなってしまったときにお勧めです。この言葉を口にするだけで、神聖なる存在がホ・オポノポノのプロセスを優しくアシストしてくれます。

 

消しゴム付き鉛筆。人間関係や特定の対象をクリアにする

特定の人間関係や、住んでいる土地などのしがらみをクリアにしたいときに有効なのが、この消しゴム付き鉛筆です。市販されている普通のもので構いませんので、手元に用意して実践してみましょう。

・鉛筆を使ったクリーニングの手順
まず、あなたがクリーニングしたい対象(関係性を良くしたい相手の名前、建物の名称、土地の住所など)を紙に書き出すことから始めます。その文字を、鉛筆の後ろについている未使用の消しゴムでトントンと軽く叩く、あるいは軽くなぞってください。

心の中で「ありがとう」などの4つの言葉を唱えながら叩くことで、その対象にまつわる不要な執着や歪んだ記憶が消し去られます。これは、ヨガ哲学でいうところの「カルマ(因果の法則)」のしがらみを解きほぐす行為に極めて近いものと言えるでしょう。

 

食べることで記憶の絡まりをほどく食べ物ツール

意外に思われるかもしれませんが、私たちの生命活動を維持する食事自体も、非常に強力なクリーニングツールとなります。食事を口にする際は、目の前の食べ物に対して基本の4つの言葉を優しく語りかけ、クリーニングしてからいただくのがお勧めです。

・麺類
パスタ、うどん、蕎麦、ラーメンなど、あらゆる麺類がこれに該当します。細く長い麺は、人間関係のしがらみや、絡まり合って複雑になった問題を象徴していると考えられてきました。麺類をクリーニングしながら美味しくいただくことで、複雑に絡み合っていた問題がスルスルと解け、物事がスムーズに進み始めるはずです。これはまさしく、心身のエネルギーの通り道である「ナーディ(気道)」の滞りを解消するプロセスそのものと言えます。

 

ヨガ哲学者としての直感が教えてくれるクリーニング方法

ここからは、ホ・オポノポノの公式本に載っているツールから一歩踏み込み、ヨガの思想や私自身の直感から効果を実感しているものをご提案します。伝統的な教えに囚われず、あなたの身体感覚を研ぎ澄まして耳を傾けてみてください。

・身体を温めること
私たちの身体が冷えると、筋肉が強張り、心の動き(チッタ・ヴリッティ)も停滞してネガティブな思考パターンに囚われやすくなります。湯船にゆっくりと浸かる、白湯を飲む、あるいはヨガの動きで内側から熱を生成し、身体を意識的に温めるアプローチが有効です。体温が上昇すると、細胞レベルに停滞していた古い感情のメモリーが溶け出し、汗とともに外側へとデトックスされます。

・大掃除
部屋や身の回りの環境を徹底的に片付ける行為は、心の内側をクリーニングすることと完全に同期しています。ヨガにおける精神修行の第一歩である「サウチャ(清浄)」も、まずは身の回りの不浄を遠ざけることからスタートするものです。

物理的な大掃除は、自分個人の枠組みを超えて、目に見えない「集合的無意識の大掃除」にも直結していると確信しています。不要な物質を手放していくミニマリズム的なアプローチは、すなわち心の空っぽの余白(スペース)を作る最も確実な道なのです。

 

終わりに:道具という「記号」に依存せず、内なるサントーシャを生きる

ホ・オポノポノの様々なクリーニングツールをご紹介してきましたが、これらを盲信してコレクションすること自体が目的になっては本末転倒と言わざるを得ません。「このツールを使えば幸せになれる」といった依存的な執着は、それ自体が新たなラーガ(執着・愛着)という名の煩悩に他ならないのです。

大切なのは、あれこれと外側の道具を買い揃えることではなく、すでに自分の中にすべてが満ちているという「サントーシャ(足るを知る)」の境地へ回帰することでしょう。

私たちの主宰するクラスでは、身体をユルユルに解きほぐし、「今ここ」の余白に戻るためのアプローチを提案しています。日々の忙しさから少しだけ身を引いて、不要な記憶や情報という名のガラクタを静かに手放してみてはいかがでしょうか。あなたが余計なものを削ぎ落としたとき、内側に広がる静寂こそが、最も美しく輝くクリーニングの果実となるでしょう。

 



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。