271.すべてはブラフマン(宇宙の根本原理)の戯れ(リーラ)

365days

「行為者としての私はいない」という深淵な理解に至った時、私たちの心には次なる問いが生まれます。もし、この世界で起きる出来事の主体が小さな「私」ではないのだとしたら、この喜びや悲しみ、成功や失敗に満ちた複雑な世界は、一体何のために存在するのでしょうか。なぜ、かくも多様で、劇的な現象が繰り広げられているのでしょうか。

この問いに対し、古代インドの賢者たちは、息をのむほど壮大で、詩的な答えを用意しました。彼らは、この宇宙のすべての現象を「リーラ(Lila)」と呼びました。リーラとは、サンスクリット語で「遊び」や「戯れ」を意味する言葉です。宇宙の唯一絶対の根本原理である「ブラフマン」が、何かの目的や必要性のためではなく、ただ純粋な喜びから、自らを無数の名前と形を持つ現象世界として展開し、遊んでいる。それが、この世界の正体だというのです。

これは、目的論的な世界観からの解放を意味します。私たちはつい、「人生の目的は何か」「この苦しみにはどんな意味があるのか」と、すべての出来事に意味やゴールを求めてしまいます。しかし、リーラの思想は、それらすべてが絶対者による神聖なゲームなのだと教えてくれます。子供が砂浜で城を作り、波が来ればそれが壊れるのを知りながらも、その創造と破壊のプロセスそのものを無心に楽しむように。ブラフマンもまた、星々を創造し、生命を育み、そしていつかはそれらを解体していく。そのすべてが、絶対的な視点から見れば、深刻さのない、ただ美しい戯れなのです。

この世界観は、私たちの日常に軽やかさと広大な視野をもたらします。あなたが今、直面している困難や悩み。それは、リーラという壮大な演劇における、あなたに与えられた一つの役に過ぎないのかもしれません。悲劇のヒロインを演じている時も、コミカルな役を演じている時も、その役柄と自分自身を完全に同一化する必要はないのです。舞台袖に下がれば、あなたは役者であり、さらにその奥には、すべてを観照している静かな意識(アートマン)が存在します。この視点を持つことで、私たちは人生のドラマに溺れることなく、それを味わい、楽しむ余裕すら生まれてくるでしょう。

荘子の「胡蝶の夢」の物語も、このリーラの思想と響き合います。荘子が蝶になった夢を見たのか、蝶が荘子になった夢を見ているのか。現実と夢の境界は曖昧であり、この存在そのものが一つの大きな夢、戯れである可能性を示唆しています。

引き寄せの法則を実践する上でも、このリーラの感覚は極めて重要です。多くの人が引き寄せに失敗するのは、願いに過剰な「重要性」を乗せてしまうからです。「これが手に入らなければ、私の人生は終わりだ」というような深刻さは、宇宙の軽やかな流れの中に重たい錨を下ろすようなもの。それは抵抗となり、かえって望む現実を遠ざけます。

しかし、もしあなたの願いが「この壮大なゲームの中で、こんな役を演じてみたい」「こんなステージを体験してみたい」という、遊び心に満ちた意図であるならばどうでしょうか。結果に執着せず、そのプロセスそのものを楽しむ。うまくいっても面白い、うまくいかなくても、それもまた一興。この軽やかな在り方こそが、宇宙の創造的なエネルギー(シャクティ)と最もスムーズに共鳴するのです。

人生のすべてが、大いなる意識による愛に満ちた戯れであると知る時、私たちは失敗を恐れず、他者を裁かず、あらゆる経験を祝福することができるようになります。喜びのダンスも、悲しみのブルースも、すべては宇宙のオーケストラが奏でる美しいシンフォニーの一節。さあ、舞台に上がって、あなただけのユニークなダンスを、心ゆくまで踊りましょう。



【ショートメール講座】
1年で、人生はもっと身軽になる。
ブログのエッセンスを365通に凝縮した「あるがままに生きるヒント365」。
毎日届く本質的な言葉が、あなたの運気と視点をアップデートします。
軽やかな日々へのヒントをお受け取りください。

【ENGAWA】あるがままに生きるヒント365
は必須項目です
  • メールアドレス
  • メールアドレス(確認)
  • お名前(姓名)
  • 姓 名 

      

- ヨガクラス開催中 -

ENQAN(エンカン):【軽い身体へ】
野生的な身体と、極限の軽さを研ぎ澄ますヨガ
「その身体は、まだ野生を知らない。」

太陽礼拝から始まる怒涛のアーサナ、そして逆転・後屈が織りなす圧倒的な運動量。
都市の重力に縛られた身体を呼び覚まし、
エゴを解体するダイナミックなシークエンス。

重力から解放された「野生的な器(身体)」を再構築し、
直観が鋭く働く、極限まで軽い身体へとあなたをチューニングします。

『ぐずぐずしている間に
人生は一気に過ぎ去っていく』

人生の短さについて 他2篇 (岩波文庫) より

- 内観クラスも開催中 -

JIQAN(ジカン):【軽い自己へ】
自己をどこまでも軽くし、人生をシフトさせる探究
「自己を『増やす』のをやめれば、人生は軽くなる。」

恐怖、恥、プライド、重いエゴを削ぎ落とし、
自己を極限まで軽くする「自己螺旋探究プログラム」。
身体の解放(ENQAN)を土台に、内観を通じて不足から充足の世界へ。

重い自己を脱ぎ捨て、本来のあなたが歩むべき「王道」へ
平行移動を始めましょう。

『色々と得たものをとにかく一度手放しますと、
新しいものが入ってくるのですね。 』

あるがままに生きる 足立幸子 より

- 瞑想会も開催中 -

engawayoga-yoyogi-20170112-2

SIQAN(シカン):【軽い波動へ】
日本一簡単な「心身脱落」の、ただゆるめる瞑想
「何もしないことが、最大の解決策になる。」

「集中しよう」とする作為を捨て、ただ肩の荷を下ろしていく。
心身脱落・脱落心身の境地へ誘う、
日本一簡単なミニマル瞑想。

身体を弛緩させることで淀んだ重みは消え、
クリアなオーラと軽い波動が自然に訪れます。
「ただ在るだけ」という充足が、本来の状態であることに気づく時間を。

瞑想は時間×回数×人数に比例して深まります。

『初心者の心には多くの可能性があります。
しかし専門家と言われる人の心には、
それはほとんどありません。』

禅マインド ビギナーズ・マインド より

- おすすめ書籍 -

ACKDZU
¥1,250 (2026/05/01 14:13:25時点 Amazon調べ-詳細)
¥2,079 (2026/05/01 02:40:01時点 Amazon調べ-詳細)

ABOUT US

アバター画像
Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。