79.「正しい」争いからの撤退 – 平和は正しさより価値がある

365days

私たちは、自分が「正しい」と信じる時、しばしば強くなります。その正義感を旗印に、他者の意見を論破しようとしたり、自分の価値観を押し付けようとしたりします。家族間の口論から、職場の対立、さらには国家間の戦争に至るまで、あらゆる争いの根源には、この「私の正しさ」と「あなたの正しさ」の衝突が存在します。私たちは、自分が正義の側にいると信じている限り、その戦いを続けることに何の疑いも抱かないかもしれません。しかし、ヨーガや道教といった東洋の叡智は、私たちに立ち止まって問いかけることを促します。「その『正しさ』を証明することは、本当に、心の『平和』よりも価値があるのですか?」と。

考えてみてください。議論に勝った後、相手を完膚なきまでに打ち負かした後に、あなたの心に残るのは何でしょうか。一瞬の優越感でしょうか。しかし、その背後には、しばしば壊れた関係性、相手の心に残ったであろう傷、そして何とも言えない虚しさが広がっているのではないでしょうか。その勝利のために、あなたは一体どれだけのエネルギーを消耗し、どれだけの心の平和を犠牲にしたのでしょう。

多くの場合、「絶対に正しい」というものは存在しません。あるのは、異なる視点、異なる経験、異なる価値観から見た、それぞれの「正しさ」だけです。あなたはあなたの立場から世界を見ており、相手は相手の立場から世界を見ています。どちらの風景も、その人にとっては真実なのです。自分の正しさに固執することは、相手の視点や存在そのものを否定することに繋がります。それは、アヒンサー(非暴力)の精神から最も遠い行為の一つです。

道教の賢人、老子は「上善は水の如し」と説きました。水は、障害物があれば、それと争うことなく、しなやかに迂回し、低い方へと流れていきます。そして、最終的には広大な海へとたどり着くのです。この水のあり方は、私たちに「争わない賢さ」を教えてくれます。「正しい」争いから意識的に「撤退」することは、敗北や諦めではありません。それは、目先の小さな勝利よりも、関係性の調和や内なる平和という、より大きな価値を選択するという、極めて積極的で賢明な行為なのです。

もちろん、これは不正や不義を黙って見過ごすことを意味するのではありません。言うべきことを、言うべき時に、言う必要はあります。しかし、その動機が「相手を打ち負かしたい」というエゴから来るのか、それとも「全体の調和を取り戻したい」という愛から来るのかによって、その言葉の持つエネルギー(プラーナ)は全く異なるものになります。目的が論破ではなく対話にある時、私たちは相手を敵としてではなく、共に問題解決を目指すパートナーとして見ることができます。そこでは、勝ち負けを超えた、創造的な解決策が生まれる可能性があります。

引き寄せの法則の観点から言えば、あなたが発する波動があなたの現実を創ります。あなたが争いや対立の波動を発信すれば、あなたの人生には、さらなる争いや対立が引き寄せられてきます。「私は正しい!」という強い主張は、しばしば「あなたは間違っている!」という攻撃的なエネルギーを伴い、相手からの反発や抵抗という形で、あなたの元に跳ね返ってくるのです。

しかし、あなたが「私は、平和を選びます」という波動を発信する時、宇宙はあなたに平和な状況や、調和的な人間関係をもたらします。それは、まるで磁石の極性を切り替えるようなものです。

日常生活の中で、自分が「正しさ」を振りかざして誰かと戦いそうになったら、一呼吸おいて、自分に問いかけてみてください。「私は今、正しくあることを望んでいるのか、それとも幸せ(平和)であることを望んでいるのか?」と。多くの場合、この二つを同時に手に入れることはできません。

「正しい」争いから一歩引く勇気を持つこと。それは、あなたの心のエネルギーを無益な消耗から守り、より創造的で、愛に満ちた目的のために使うことを可能にします。あなたの内なる平和は、どんな議論の勝利よりも、はるかに価値ある宝物なのですから。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。