ふと、目の前の景色を眺めてみてください。
今、あなたが座っている場所、手に持っているスマホ、窓の外に見える風景。
あるいは、今日会った人々、抱えている仕事、感じている身体の感覚。
もし私が、「これらすべては、あなたが心の奥底で願い、作り出したものです」と言ったら、どう感じるでしょうか？
「そんなはずはない」と反発したくなるかもしれません。
「こんな辛い現実を願った覚えはない」「あの嫌な上司も、病気も、お金の不安も、私が望んだわけじゃない」と。
もちろん、顕在意識（頭で考えている意識）では、誰も苦しみなど望んでいません。
誰だって、幸せで、豊かで、健やかでありたいと願っています。
しかし、ヨガの深淵な哲学や、あるいは「トランサーフィン」のような現代的な現実創造の理論は、こう説きます。
「世界は鏡である」と。
世界は、私たちの内側の状態（ステート）を、忠実に、遅延なく映し出している巨大な鏡なのだと。
今日は、少し不思議で、でもとても希望に満ちた「世界と私の関係」について、縁側でお茶でも飲むような気持ちで、お話ししてみたいと思います。
思考のエネルギーが、現実を照らす
私たちは普段、世界という確固たる「客観的な現実」が外側にあり、その中を私というちっぽけな存在が生きている、と思っています。
映画館のスクリーン（世界）があり、私たちは観客席に座って、流れるストーリー（運命）を眺めているような感覚です。
しかし、真実は逆なのかもしれません。
あなたが映写機なのです。
あなたの内側にあるフィルム（思考、信念、感情）に、意識という光が当たることで、スクリーン（現実世界）に映像が投影されています。
「嫌な上司」がいるのではありません。
あなたの中に「私は攻撃されるかもしれない」「私は正当に評価されていない」という恐れや被害者意識があり、それが「嫌な上司」という役者をスクリーンに登場させているのです。
「お金がない」という現実があるのではありません。
「お金は苦労して稼ぐものだ」「私は豊かさを受け取る価値がない」という信念が、不足という現実を完璧に再現しているのです。
この仕組みに気づくことは、最初は痛みを伴うかもしれません。
全ての責任が自分にあると認めることだからです。
誰かのせいにしたり、運命のせいにしたりすることができなくなります。
しかし、同時にこれは、とてつもない「自由」への切符でもあります。
なぜなら、「私が作ったのなら、私が変えられる」からです。
「そうなる」と決めたことが、そうなる
では、どうすれば望む世界を作れるのでしょうか？
単に「お金持ちになりたい！」と強く願えばいいのでしょうか？
実は、「願う」ことには落とし穴があります。
「○○になりたい」と強く願う時、その背後には「今はそうではない（不足している）」という強力な前提があります。
「お金が欲しい」と叫べば叫ぶほど、宇宙（あるいは潜在意識）は「ああ、あなたはお金がない状態なんですね」と認識し、「お金を欲しがっている（＝お金がない）あなた」を現実化し続けます。
大切なのは、「願う」のではなく「選ぶ」ことです。
レストランでメニューを見るように。
「私はこれにします」と、ただ淡々と選ぶ。
あるいは、すでにそれを受け取っている自分の感覚（ステート）を、今ここで先取りすることです。
「快適な人間関係」を選びたいなら、今、あなたの心を快適さで満たすこと。
「豊かさ」を選びたいなら、今ある小さな豊かさ（温かいお茶、屋根のある家、吸える空気）に深く感謝し、満ち足りた波動を出すこと。
鏡は、あなたの笑顔を見てから笑うのではありません。
あなたが笑うから、鏡の中の像（世界）が笑うのです。
魂と理性が一致したとき、奇跡は日常になる
とはいえ、頭（理性）で無理やりポジティブに考えても、心（魂）が「どうせ無理だよ」と怯えていては、現実は変わりません。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものです。
現実が大きく動くのは、「魂と理性が一致したとき」です。
頭で考えた損得や世間体ではなく、魂が本当に震えるような喜び、子供のような純粋なワクワク（快）を感じる方向へ進むこと。
「これをやっていると、時間を忘れてしまう」
「理由はないけど、どうしても惹かれる」
そんな時、あなたの内側から発せられるエネルギーは純粋で強力です。
そのエネルギーは、外部の意図（とトランサーフィンでは呼びます）と共鳴し、思いもよらない偶然やシンクロニシティを引き寄せ始めます。
それが「流れに乗る」ということです。
苦労してオールを漕ぐのではなく、風を捉えて帆を張るような生き方です。
世界は、あなたに対してとても優しい
もし今、あなたが苦しい現実にいるとしても、自分を責めないでください。
それは、あなたが過去に無意識に選んでしまったフィルムが、時間差で上映されているだけです。
「ああ、私はこんな世界を作っていたんだな」と、ただ気づくだけで十分です。
そして、今この瞬間から、新しいフィルムを選び直せばいいのです。
もっと優しい世界を。
もっと軽やかな世界を。
もっと自分を愛せる世界を。
あなたが自分自身に優しくなった瞬間、世界は驚くほど優しくなります。
あなたが自分を愛し始めた瞬間、世界中があなたを祝福し始めます。
「この世界は、私が願った世界だ」
そう呟いてみてください。
その言葉が、あなたの内なる創造主を目覚めさせる鍵となるでしょう。
季節の移ろいを眺めながら。
世界という名の美しい幻想を、今日はどんな風に楽しみましょうか。
ではまた。
