321.内なる静けさこそが、本当の力の源泉

365days

私たちは日々、力を求めています。影響力、経済力、あるいは困難に打ち勝つ精神力。そのためにスキルを磨き、情報を集め、人脈を広げようと躍起になるのかもしれません。しかし、ヨガの叡智は、まったく逆の方向を指し示します。真の力、揺るぎない力の源泉は、外側の喧騒の中にはなく、あなたの内なる静けさの深淵にこそ眠っているのだ、と。

想像してみてください。猛烈な嵐が吹き荒れる海の上でも、その深海は静寂に満たされ、穏やかに水を湛えています。あるいは、激しく回転する台風の中心には、「台風の目」と呼ばれる驚くほど穏やかな領域が存在します。私たちの心も同様です。感情の嵐が吹き荒れ、思考の渦が巻き起こる時、私たちはその表層の現象に囚われ、力なく翻弄されてしまいます。ですが、意識を深く、さらに深く、その中心へと沈めていくならば、そこには常に静かで、穏やかで、何ものにも乱されない「目」が存在することに気づくでしょう。この静寂こそが、あらゆる状況に対応し、創造的な行動を生み出すための、枯れることのない力の源泉なのです。

東洋思想、特に道教では「無為自然」という考え方が尊ばれます。これは何もしないで怠惰に過ごすことではありません。宇宙の大きな流れ(タオ)に逆らわず、作為的な力みを捨て、自然なあり方でいることの重要性を説いています。水が高いところから低いところへ自然に流れるように、静かな心は、為すべきことを為すべき時に、最小限のエネルギーで成し遂げる力を持ちます。力とは、筋肉を緊張させ、声を張り上げることではないのです。むしろ、その逆。柳の枝が強風を受け流すように、しなやかで、受容的で、静かな状態にこそ、本当の強さが宿るのです。

現代社会は、私たちからこの内なる静けさを奪い去ろうとします。スマートフォンは絶え間なく通知を送り、SNSのフィードは無限に流れ、私たちは常に何かをインプットし、アウトプットすることを強いられています。マルチタスクは効率的であるという幻想のもと、私たちの意識は細切れにされ、エネルギーは拡散し、疲弊していくばかり。これは、力の源泉である静けさから、自らを遠ざける行為に他なりません。本当の力は、拡散ではなく集中から生まれます。そして、集中を可能にする土壌が、静けさなのです。

では、どうすればこの源泉にアクセスできるのでしょうか。まずは、一日の中に意図的に「何もしない時間」「沈黙の時間」を設けることから始めてみてください。たった1分でも構いません。椅子に座り、目を閉じ、ただ自分の呼吸が出入りするのを観察するのです。思考が浮かんできても、それを追いかけず、ただ空に浮かぶ雲のように眺めて通り過ぎさせる。これは、心の表層の波立ちを鎮め、深海の静けさに触れるための稽古です。

この静けさの感覚が深まるにつれて、あなたは気づくでしょう。今まで「問題」だと思っていたことの多くが、実は心の波立ちが生み出した幻影であったことに。そして、本当に必要な答えや、次にとるべき行動は、この静寂の中から、ささやきのように、あるいは確信として、自然に浮かび上がってくるのです。

引き寄せの法則の文脈で語るならば、静かな心は、濁りのない澄んだ水面に似ています。そこにあなたの純粋な意図(サンカルパ)を映し出せば、その映像は歪むことなく宇宙に届き、現実化のプロセスが始まります。騒がしい心は、波立つ水面のようなもの。どんなに強い意図を投げかけても、そのイメージは乱れ、宇宙に明確な信号を送ることができません。

力とは、世界をコントロールしようとする意志の強さではありません。それは、世界と調和し、宇宙の力を自らを通して顕現させるための、内なる静寂の深さによって測られるのです。どうか思い出してください。あなたは嵐そのものではなく、嵐の中心にある、永遠の静けさなのです。その場所に還ることこそ、あなたが本来持つ無限の力を取り戻す、唯一の道なのです。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。