195.あなたの「在り方」が現実を創造する

365days

私たちは、目標を達成したり、望む現実を手に入れたりするためには、何か特別な「行動(Doing)」をしなければならない、と教えられてきました。もっと努力し、もっと効率的に動き、もっと多くのタスクをこなすこと。しかし、この「行動至上主義」は、私たちを疲弊させ、しばしば本当に大切なことを見失わせてしまいます。

ヨガの叡智は、私たちに全く異なる視点を提示します。それは、Doing(何をするか)から、Being(どう在るか)への、根本的なシフトです。考えてみてください。私たちは「Human Doing(人間という行為)」ではなく、「Human Being(人間という存在)」です。私たちの本質は、行為の中にあるのではなく、存在そのものの中にあるのです。

この「在り方」という概念こそが、現実創造の鍵を握っています。あなたの「在り方」とは、あなたの思考、感情、信念、そして身体感覚のすべてが統合された、あなたの存在全体から醸し出される雰囲気やエネルギーの状態のことです。それは、あなたが意識していると否とに関わらず、常に外側の世界へと発信されている、あなたの名刺のようなものです。

パタンジャリが著した「ヨガ・スートラ」の中に、アーサナ(坐法)を定義する有名な一節があります。「スティラ・スカム・アーサナム」。これは「アーサナとは、安定していて(スティラ)、快適(スカム)でなければならない」という意味です。この教えは、マットの上で行うポーズだけに留まりません。それは、私たちの人生そのものにおける「在り方」の理想を示唆しているのです。どんな状況にあっても、地に足がついたような安定感を保ち、同時に心と身体がリラックスして快適であること。この「スティラ・スカム」な在り方こそが、宇宙のサポートを最大限に受け取るための最適な状態なのです。

例えば、山のポーズ(タダーサナ)を思い出してください。ただ立つだけのシンプルなポーズですが、その内側では深い意識の働きが求められます。足の裏で大地をしっかりと捉え、背骨を空に向かって真っ直ぐに伸ばし、肩の力は抜き、呼吸は深く穏やかに。この、どっしりとしていながら軽やかで、覚醒していながらリラックスしている状態。これこそが、パワフルな「在り方」の一つの雛形です。この在り方で日常を過ごす時、あなたは些細なことでは動じず、それでいて周囲の変化には柔軟に対応できる、しなやかな強さを手に入れます。

引き寄せの法則は、「行動」ではなく、この「在り方」に直接反応します。例えば、あなたが豊かになりたいと願うなら、「豊かになるための行動」をがむしゃらに起こす前に、まずあなたの「在り方」を豊かにする必要があります。それは、今この瞬間に、すでにある豊かさに気づき、感謝し、自分が豊かな存在であるかのように感じ、振る舞うことです。お金がなくても、人との繋がりの豊かさや、健康であることの豊かさ、自然の美しさの豊かさを心から味わう。その「豊かな在り方」という波動が、結果として物質的な豊かさという現実を共鳴させるのです。

これは、武道における「構え」の重要性にも通じます。優れた武道家は、技を繰り出す前に、まず完璧な「構え」を取ります。その構え自体に隙がなく、エネルギーに満ちていれば、相手はむやみに攻撃できず、むしろその構えが相手の隙を誘い出します。技は、構えという土台から自然に生まれてくるものなのです。同様に、私たちの人生においても、望む現実を受け取るにふさわしい「在り方」という「構え」をまず整えることが、何よりも重要なのです。

日々のヨガの実践は、この「在り方」を稽古する最高の場です。アーサナを通して身体の在り方を、プラーナーヤーマを通して呼吸の在り方を、そして瞑想を通して心の在り方を整えていく。その稽古を重ねることで、あなたの存在そのものが、静かで、力強く、そして美しい宣言となります。何を為すかではなく、どう在るか。その問いに意識を向けた瞬間から、あなたの世界は、内側から静かに、しかし確実に変わり始めるでしょう。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。