112.自分の価値観を明確にする

365days

私たちは情報の洪水の中を生きています。朝目覚めてから夜眠るまで、スマートフォンや広告、他者の言葉によって、無数の「これが正しい」「これが幸せだ」という価値観のシャワーを浴び続けています。その喧騒の中で、私たちはいつの間にか、他人の価値観を自分のものだと錯覚し、自分自身の内なる声を聴き失ってしまうことがあります。まるで、他人の描いた海図を頼りに、自分の船をどこへ進めてよいかわからず、ただ評価という波に揺られるだけの航海を続けるかのように。

自分の価値観を明確にすること。それは、この情報化社会という荒波を乗りこなし、あなた自身の人生という航海を、主体的に、そして喜びに満ちて進むための羅針盤を手に入れることに他なりません。このプロセスは、ヨガ哲学における二つの重要な実践、「サティヤ(正直)」と「スヴァディアーヤ(自己学習)」と深く結びついています。

サティヤとは、嘘をつかないことですが、その最も深い意味は「自分自身に嘘をつかない」ということです。社会的な成功、経済的な安定、他者からの承認。それらが一般的に「良いもの」とされているからといって、あなたの魂が本当にそれを求めているとは限りません。心の奥底では「静かな時間」や「創造的な活動」を渇望しているにもかかわらず、「成功しなければならない」という社会の価値観に自分を偽り続けることは、サティヤに反する行為であり、内なる不協和音を生み出し続けます。

スヴァディアーヤとは、聖典の学習を意味すると同時に、「自己(スヴァ)を探求する(アディアーヤ)」、つまり自分自身という最も深遠な書物を読み解く行為を指します。日々の瞑想や内省を通して、心の作用(チッタ・ヴリッティ)を静かに観察していると、ふと浮かび上がる思考や感情が、一体どこから来たのかが見え始めます。これは親から刷り込まれた価値観だろうか。これは社会が求める理想像だろうか。それとも、これは誰の声でもない、私自身の魂の奥底からの、静かだが確かな響きだろうか。この識別こそが、スヴァディアーヤの核心です。

では、具体的にどうすれば自分の価値観を明確にできるのでしょうか。それは、自分自身に対して、誠実な問いを投げかけることから始まります。

まず、静かな時間と場所を確保し、ジャーナリング(書くこと)を試してみてください。思考は頭の中を駆け巡っているだけでは掴みどころがありませんが、紙に書き出すことで客観的な対象となり、向き合うことができます。以下の問いに、判断や評価をせず、ただ湧き上がるままに答えを書き出してみましょう。

  • 「何をしている時、時間を忘れるほど夢中になりますか?」

  • 「どんなニュースや物語に、強く心が動かされますか?(怒り、悲しみ、喜びなど)」

  • 「もし、お金の心配が一切なかったとしたら、あなたの一週間を何で満たしたいですか?」

  • 「あなたが深く尊敬する人は誰ですか?その人のどんな点に惹かれますか?」

  • 「人生の最後に、あなたは周囲の人から『どんな人だった』と言われたいですか?」

これらの問いへの答えの中に、あなたの価値観の原石が隠されています。例えば、「自由」「成長」「貢献」「安定」「愛」「美」「創造性」「探求」といったキーワードが浮かび上がってくるかもしれません。それらをリストアップし、今のあなたにとって最も重要なトップ3からトップ5を選び、なぜそれが大切なのかをさらに深く掘り下げてみてください。

このプロセスが、なぜ「引き寄せ」と強力に結びつくのか。それは、明確化された価値観が、あなたのエネルギーと意識の強力なフィルター、そして羅針盤として機能し始めるからです。

第一に、それはあなたの「意図(サンカルパ)」に、揺るぎない土台を与えます。表層的な「お金が欲しい」という願いよりも、「家族との時間を大切にし、自由に貢献できる経済的基盤を築く」という価値観に基づいた意図の方が、はるかに具体的で、魂のエネルギーが乗ったパワフルなものとなります。

第二に、日々の無数の選択において、明確なガイドラインとなります。キャリアの岐路に立った時、人間関係で悩んだ時、「どちらの選択が、私の価値観である『成長』や『誠実さ』に、より合致するだろうか?」と自問することで、後悔のない、自分軸に根差した決断を下せるようになります。

第三に、それはあなたのエネルギーの浪費を防ぎます。自分の価値観に合わない誘いや仕事、人間関係に「ノー」と言う勇気が生まれます。そうして確保された時間とエネルギーを、本当に大切なこと、つまりあなたの価値観を体現する活動に集中投下できるのです。これこそが、望む現実を加速的に創造する秘訣です。

自分の価値観を明確にすることは、他人の地図を頼りにするのをやめ、あなただけのオリジナルな宝の地図を描き始める行為です。それは、あなたという存在が、この世界でどのようなユニークな光を放つために生まれてきたのかを思い出す、神聖な旅の始まりなのです。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。