48.三つのグナ(性質)のバランスをとる食事と生活

365days

私たちはこれまで、宇宙と心を構成する三つの基本的な性質、サットヴァ(純粋・調和)、ラジャス(激動・活動)、タマス(停滞・暗黒)について、それぞれ個別に探求してきました。しかし、ヨガやアーユルヴェーダの叡智が真に目指すのは、どれか一つのグナを信奉し、他を排除することではありません。むしろ、これら三つのグナが、私たちの内側で絶えず演じているダンスを理解し、その時々の自分自身の状態や人生の目的に応じて、意識的にその「バランス」を整えていくことなのです。

このグナのバランスをとる上で、最も直接的でパワフルな影響力を持つのが、私たちが毎日行う「食事」と「生活習慣」です。なぜなら、私たちが口にするもの、そして日々をどのように過ごすかは、私たちの心身というシステムに投入される、最も基本的なエネルギーの質を決定するからです。「You are what you eat(あなたは、あなたが食べたものでできている)」という言葉は、グナの観点から見ても、紛れもない真理なのです。

グナを調える食事法

私たちの食事は、その性質によって、サットヴァ、ラジャス、タマスのいずれかを増大させます。

  • サットヴァな食事: これは、心身に純粋性、明晰さ、そして生命力をもたらす食事です。具体的には、新鮮なオーガニックの野菜や果物、全粒穀物(玄米、オートミールなど)、豆類、ナッツや種子、ギー(精製バター)、そして良質な乳製品などが含まれます。重要なのは、素材の新鮮さと、愛情を込めてシンプルに調理されていること。温かく、適度な油分を含んだ、消化しやすい食事は、心を穏やかにし、思考をクリアにします。瞑想的な心の状態や、深い満足感(サントーシャ)を育むためには、サットヴァな食事を基本とすることが推奨されます。

  • ラジャスな食事: これは、心身に刺激、興奮、そして活動性をもたらす食事です。コーヒーや紅茶などのカフェイン飲料、唐辛子やニンニク、玉ねぎといった刺激の強いスパイスや香味野菜、極端に辛い、酸っぱい、塩辛い味付けのものがこれにあたります。ラジャスな食事は、一時的にエネルギーを高め、行動力を引き出す助けにはなりますが、摂りすぎると心を不安定にし、怒りや焦燥感、欲望を増大させます。仕事で集中力が必要なときなどに適度に摂るのは良いですが、心の平安を求めるのであれば、控えめにすべきでしょう。

  • タマスな食事: これは、心身に重さ、鈍さ、そして停滞をもたらす食事です。残り物や、冷凍食品、缶詰などの加工食品、過度に調理されたもの、そして肉類やアルコールが代表的です。これらの食事は生命力(プラーナ)に乏しく、消化に負担をかけ、身体を重くし、心を鈍らせます。無気力感や憂鬱、混乱した思考の原因となり、私たちのエネルギーレベルを著しく低下させます。タマスな食事は、可能な限り避けることが賢明です。

グナを調える生活習慣

私たちの日常の過ごし方もまた、グナのバランスに深く関わっています。

  • サットヴァな生活: 早寝早起きを基本とし、特に夜明け前の静かな時間(ブラフマ・ムフールタ)に瞑想やヨガを行うことは、一日を通してサットヴァな質を保つのに非常に効果的です。清潔で整頓された空間に身を置き、穏やかな音楽を聴き、自然の中で過ごす時間を大切にしましょう。他者への奉仕や、インスピレーションを与える人々との交流もサットヴァを高めます。

  • ラジャスな生活: 競争の激しい環境、騒々しい場所、過密なスケジュール、そして暴力的な映画やニュースの過剰な視聴は、ラジャスを増大させます。現代社会は本質的にラジャス的であるため、私たちは意識的にこれらから距離を置き、休息と静寂の時間を確保する必要があります。

  • タマスな生活: 不規則な生活リズム、運動不足、昼寝のしすぎ、そして散らかった部屋での生活は、タマスを増大させます。古いものや不要なものを溜め込むことも、エネルギーの停滞を招きます。意識的に身体を動かし、空間を浄化することが重要です。

これらの知識は、自分を厳しく律するためのルールブックではありません。むしろ、自分自身を観察し、ケアするための、賢明な「地図」のようなものです。「最近、なんだかイライラしやすいな」と感じたら、それはラジャスが過剰になっているサインかもしれません。ならば、コーヒーを一杯減らし、夜は静かなハーブティーを飲んで、早めに休んでみよう、といった具体的な調整が可能になります。「どうにもやる気が出ない」と感じたら、タマスが増えているのかもしれません。ならば、少しスパイシーな食事を摂り、朝日を浴びながら散歩に出てみよう、という選択ができます。

このように、三つのグナの性質を理解し、日々の食事や生活を通して自らの状態を微調整していくこと。これこそが、内なる世界の生態系を健全に保ち、外なる世界と調和的に関わり、望む現実を軽やかに創造していくための、最も土台となるヨガ的な実践なのです。



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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、ENQAN(ヨガ)、JIQAN(内観)、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。