「問題」はどこにある?ヨガ哲学が教える、悩みが消えるシンプルな仕組み

自己啓発

ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが身体を柔らかくするだけでなく、私たちが無意識に硬直させてしまった「認識の枠組み」を解きほぐしてくれるからです。

私たちは日々、多くの「問題」に囲まれて生きています。
仕事のトラブル、人間関係の摩擦、将来への不安、健康上の懸念。
「悩みが尽きない」と嘆く声が、あちこちから聞こえてきます。
しかし、ここで一つ、少し突飛とも思える問いを投げかけさせてください。

その「問題」は、本当にそこに存在するのでしょうか?
それとも、あなたが「これは問題だ」と認識した瞬間に、あなたの世界に出現したのでしょうか?

今日は、私たちが抱える苦しみの根本原因と、それを手放して軽やかに生きるためのヨガ的な智慧について、少し深くお話ししてみたいと思います。

 

「重要性」という名の重力

現代社会は、「重要であること」を私たちに強要します。
仕事は重要です。お金は重要です。健康は重要です。人からの評価は重要です。
私たちは幼い頃から、何が重要で、何が重要でないかを徹底的に教育されてきました。

もちろん、生きていく上で必要なことはあります。
しかし、ヨガの視点(あるいはトランサーフィン的な視点)から見ると、私たちが苦しみを感じるのは、ある対象に対して「過剰な重要性(過剰ポテンシャル)」を与えてしまった時です。

例えば、あなたが道を歩いていて、小さな石ころにつまずいたとします。
あなたは「おっと」と言って、また歩き出すでしょう。
石ころに対して「なぜ私の前に現れたんだ!」「私の歩行を妨げるなんて許せない!」と激怒し、夜も眠れなくなる人はいないはずです。
なぜなら、その石ころはあなたにとって「重要ではない」からです。

しかし、これが「上司からの何気ない一言」だったらどうでしょう?
「あの言葉はどういう意味だろう?」「嫌われているのかな?」「評価が下がったらどうしよう」
同じ「つまずき」であるにも関わらず、あなたはそれを巨大な「問題」として認識し、何日も悩み続けるかもしれません。
上司の一言に対して、あなたが極めて高い「重要性」を与えているからです。

つまり、「問題」そのものが外側に独立して存在しているわけではありません。
出来事は、ただの現象として、そこに在るだけです。
それに「これは大変なことだ」「解決しなければならない重大なことだ」という意味づけ(レッテル貼り)を行ったのは、他でもない、あなた自身の心なのです。

 

振り子(ペンデュラム)にエネルギーを奪われない

私たちが何かに強い重要性を与え、心配したり、怒ったり、恐れたりしている時、私たちの貴重な生命エネルギー(プラーナ)はどこへ行っているのでしょうか?
それは、その対象へと流れ出し、吸い取られています。

現代社会には、私たちの注意を引きつけ、感情を揺さぶり、エネルギーを吸い取ろうとするシステムが無数に存在します。
これを「振り子(ペンデュラム)」と呼ぶこともあります。
ニュース、SNSの論争、企業のマーケティング、あるいは「こうあるべき」という社会通念。
これらはすべて、「これを重要だと思いなさい!」「これを無視したら大変なことになるぞ!」と叫び、私たちを挑発してきます。

「将来の年金は大丈夫か?」
「その美容法で本当にいいのか?」
「あの政治家の発言は許せるか?」

私たちがこれらに反応し、「そうだ、これは大問題だ!」と同調した瞬間、私たちは振り子にエネルギーを献上することになります。
そして、エネルギーを奪われた私たちは疲弊し、視野が狭くなり、ますます「問題」の渦中へと深く沈んでいってしまうのです。

ヨガの実践とは、このエネルギーの漏出を止めることです。
外界の騒音に対して、「ふーん、そうなんだ」と、ただ通り過ぎる練習です。
無視するのではなく、戦うのでもなく、ただ「重要性を下げる」のです。
「まあ、なんとかなるだろう」「それはそれとして、今のお茶は美味しいな」
そうやって重要性のレベルを下げた時、振り子はあなたからエネルギーを吸い取れなくなり、自然と消滅していきます。

 

内的重要性:自分を特別な存在だと思わない

外側の世界だけでなく、私たちの内側にも厄介な重要性が潜んでいます。
それが「内的重要性」、つまりエゴ(自我)です。

「私は重要な人物である」「私は正しい」「私は尊敬されるべきだ」「私は傷つけられたくない」
自分自身をあまりにも丁重に、壊れ物のように扱っていませんか?
自分への重要度が高すぎると、他人のちょっとした言動がすべて「自分への攻撃」に見えてしまいます。
世界中が敵だらけになり、常に防御態勢をとらなければならず、心休まる暇がありません。

「私は空(くう)である」
「私はただの、命の通り道である」

ヨガ哲学が教えるのは、この軽やかさです。
自分を重要視するのをやめると、誰かに批判されても「ああ、そういう意見もあるのね」と柳のように受け流せるようになります。
プライドという重い鎧を脱ぎ捨てること。
「自分なんて、大したもんじゃないよ」と笑い飛ばせる軽快さを持つこと。
それが、最強のメンタリティであり、究極の守りなのです。

 

解決策は「コントロールの手放し」にある

では、目の前に具体的なトラブルがある時、どうすればいいのでしょうか?
私たちはすぐに「どうにかして解決しよう」「コントロールしよう」と力みます。
しかし、重要性が高まっている状態で焦って行動しても、たいていは空回りし、さらに状況を悪化させる「過剰ポテンシャル」を生むだけです。

ヨガ的な解決策は、逆説的ですが「解決しようとしないこと」です。
一度、問題を問題として握りしめている手を、パッと離してみる。
「どうにでもなれ」と投げやりになるのではなく、「なるようになるさ」と宇宙(大いなる流れ)を信頼して委ねるのです(イーシュヴァラ・プラニダーナ)。

川の流れに逆らって泳ぐのをやめ、力を抜いて仰向けに浮かんでみる。
すると、不思議なことに、流れがあなたを適切な場所へと運んでくれます。
思考でガチガチに固めていた時には見えなかった「抜け道」や「助け舟」が、ふっと視界に入ってくるのです。
「問題」は、私たちが必死に考え込んでいる時ではなく、リラックスして重要性を下げ、ふと散歩に出かけた時や、お風呂に入っている時に、スルリと解けていくものです。

 

終わりに:世界は鏡、あなたが笑えば世界も笑う

世界は巨大な鏡のようなものです。
あなたが眉間にシワを寄せて「世界は問題だらけの危険な場所だ」と睨みつければ、世界もまた、あなたに牙を剥き、次々とトラブルを映し出すでしょう。
逆に、あなたが肩の力を抜き、「世界は面白い遊び場だ」「すべてはうまくいっている」と微笑みかければ、世界もまた、あなたに優しい顔を見せてくれるのです。

「問題」を作っていたのは、他の誰でもない、あなた自身の「重要視する心」でした。
そのことに気づくだけで、背負っていた荷物の半分以上は、すでに消えてなくなっています。

今日一日、試しに「重要性を下げる」ゲームをしてみませんか?
イラッとしたら「まあ、いいか」。
不安になったら「なんとかなる」。
そうやって軽やかに、風のように過ごしてみてください。
その軽やかさの中にこそ、ヨガの本質的な自由があります。

この縁側で、一緒にお茶でも飲みながら、世界を笑い飛ばしましょう。
深刻になる必要なんて、どこにもないのですから。

ではまた。


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。