ヨガを推奨しております。
それは、ヨガが「結ぶ」ことであると同時に、「手放す」ことの連続だからです。
吐く息がなければ、新しい息を吸うことはできません。
手放さなければ、新しいご縁を掴む手は空きません。
私たちは日々、無意識のうちに多くのモノに囲まれて暮らしています。
クローゼットの奥に眠る服、読みかけの本、いつか使うかもしれない書類、そして人間関係や思考の癖。
その中で、もし「見るとなんだか気分が下がる」「モヤっとする」と感じるモノがあるとしたら。
それは単なる「不用品」ではありません。
あなたの人生のエネルギー(プラーナ)を漏電させ、流れを滞らせている「重石」かもしれません。
今日は、少し勇気を出して、その重石を取り除くお話をしましょう。
「気分の上がらないモノを手放す」というシンプルな行為が、いかに私たちの心と、そして運命そのものを軽やかに変えていくかについて。
もくじ.
モノは「ただの物質」ではない
まず、前提として共有したいことがあります。
それは、「すべてのモノはエネルギー(波動)を帯びている」ということです。
量子力学の世界を持ち出すまでもなく、私たちは直感的にそれを知っています。
お気に入りのマグカップでお茶を飲むとき、なんとなく心が温かくなる。
逆に、嫌な上司から貰ったペンを使うとき、なんとなく指先が重くなる。
モノには、それにまつわる記憶、感情、そして入手した時の経緯が、見えない情報として刻み込まれています。
「気分の上がらないモノ」とは、その波動が今のあなたと不協和音を起こしている状態です。
・高かったけれど、着ると似合わない気がする服
・別れたパートナーとの思い出の品
・義理で受け取ってしまった趣味に合わないギフト
・「いつか痩せたら着よう」と思っているジーンズ
これらを見るたびに、あなたの無意識は、ほんの一瞬ですが「否定」「後悔」「罪悪感」「不足感」というシグナルを受け取っています。
「ああ、私には似合わないんだ」「まだ痩せていない」「断れなかった自分」
1回ごとは小さなノイズかもしれません。
しかし、それが毎日、何十回と繰り返されたらどうでしょうか?
部屋にいるだけで疲れてしまう、やる気が起きないという原因は、案外こういう「視界に入るネガティブなアンカー(怒り)」にあることが多いのです。
「もったいない」の正体を見破る
手放そうとした時、必ず現れるのが「もったいないお化け」です。
「高かったのに」「まだ使えるのに」「いつか使うかも」
この声に、私たちは足止めを食らいます。
しかし、ここで問いかけてみてください。
「それを持ち続けることで、私のエネルギー(気分)が下がるのと、手放すのと、どちらが人生にとって『もったいない』だろうか?」
あなたの機嫌、あなたのエネルギー、あなたの空間。
これらは、どんな高級ブランド品よりも価値がある、あなたの人生そのものです。
「使わないけれど捨てられないモノ」のために、あなたの貴重なスペースと精神的エネルギーを家賃として払い続けることこそ、最大の浪費ではないでしょうか。
ヨガでは「アパリグラハ(不貪)」、必要以上のものを所有しないことを説きます。
これはケチケチすることではなく、エネルギーの純度を高めるための知恵です。
役目を終えたモノに「今までありがとう」と感謝を告げて手放すこと。
それはモノに対する敬意であり、自分自身を大切にする行為でもあります。
スペースができると、新しい風が吹く
「空白の法則」というものをご存知でしょうか。
宇宙(自然界)は真空を嫌います。
スペース(空白)ができると、そこを埋めようとして新しい何かが必ず流れ込んでくるという法則です。
気分の上がらない服を処分したら、本当に気に入る服に出会えた。
惰性で続けていた人間関係を手放したら、心から信頼できる仲間が現れた。
古い書類を整理したら、新しい仕事のオファーが来た。
これらは単なる偶然やスピリチュアルな迷信ではなく、ごく当たり前の物理現象のようにも思えます。
コップの水がいっぱいなら、新しい水は注げません。
まずは、古い水を捨てること。
手放すことは、未来に対する「信頼の証」です。
「これを捨てても、私にはまた必要なものがちゃんと入ってくる」と、自分の人生と宇宙を信じる行為なのです。
違和感は、魂からの「NO」のサイン
「なんとなく気分が上がらない」
この「なんとなく」という感覚を、どうか軽視しないでください。
それは、あなたの本質(魂やアートマン)からの、とても静かで、でも正確なメッセージです。
「今のあなたには、もうそれは相応しくないよ」
「あなたのステージは変わったんだよ」
私たちは変化する生き物です。
3年前のあなたにはぴったりだったモノが、今のあなたには違和感があるのは当然のことです。
それは成長の証でもあります。
違和感を無視して持ち続けることは、過去の自分にしがみつくことです。
逆に、その違和感を認めて手放すことは、変化した新しい自分を受け入れ、祝福することになります。
全方位的に軽くなる
モノを手放すプロセスは、実は「決断」の連続です。
「今の私に必要か?」「これを愛しているか?」
一つひとつのモノと向き合い、決断を下していく作業は、思考の筋トレになります。
この「選別する力」は、人生の他の領域にも波及します。
・自分を大切にしない人との付き合いをやめる
・気が進まない飲み会を断る
・自分の価値観に合わない仕事を辞める
部屋が整うと、思考がクリアになり、人生の選択においても「NO」と言える強さが養われます。
物理的な「重さ」が減ると、不思議と精神的な「重荷」も下りていくのです。
EngawaYogaのスタジオが、なぜあんなにも心地よいのか。
それは、余計なモノがなく、ただ「空間」があるからです。
あの静けさは、引き算によって作られています。
あなたの部屋も、あなたの心も、同じように静謐な神殿にすることができます。
終わりに:今日、一つだけ手放してみる
いきなり全てを捨てようとしなくて大丈夫です。
まずは今日、目についた「なんとなくモヤっとするモノ」を一つだけ、ゴミ袋に入れてみてください。
欠けたお皿かもしれませんし、もうときめかない化粧品かもしれません。
「今までありがとう。さようなら」
そうやって手放した瞬間、ふっと肩が軽くなる感覚を味わってみてください。
その小さな軽やかさが、やがてあなたの人生を大きく動かす、新しい風の入り口となるはずです。
私たちは、もっと自由でいい。
もっと、心地よくていいのです。
ではまた。


