ヒンドゥー教の神話と神々:シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマー

ヨガを学ぶ

 

ヒンドゥー教の神話と神々:シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマー – 三位一体が織りなす、宇宙の創造と破壊の物語

ヒンドゥー教。それは、世界で最も古い宗教の一つであり、インドを中心に、10億人以上の人々に信仰されています。多様な神々、複雑な神話、そして、深遠な哲学体系…。ヒンドゥー教は、西洋人の目には、時に不可解で、神秘的な宗教として映ることがあります。

ヒンドゥー教の神話と神々、特に、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーという三柱の神々に焦点を当て、その複雑な関係性と歴史的変遷を紐解きながら、ヒンドゥー教の深遠なる世界を探求していきましょう。

 

1. ヴェーダの時代:多神教的世界観 – 自然崇拝と儀式の体系

ヒンドゥー教の起源を辿ると、紀元前1500年頃、インド・アーリア人によって編纂された聖典群「ヴェーダ」にたどり着きます。ヴェーダは、自然崇拝を基盤とした多神教的世界観を反映しており、インドラ、アグニ、ヴァルナといった、自然現象を神格化した神々への賛歌や祭祀の方法が記されています。

この時期、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの三柱の神々は、まだ明確な形で登場していません。しかし、シヴァの原型とされる ルドラ という荒々しい神や、ヴィシュヌの原型とされる ヴィシュヌ という太陽神が、既にヴェーダに登場しています。

ヴェーダの宗教は、祭祀 (ヤグニャ) を中心としたものであり、司祭階級 (バラモン) が、複雑な儀礼を通して、神々と人間との関係を媒介していました。

 

2. ウパニシャッド:哲学的探求と梵我一如 – 内なる神への目覚め

紀元前800年頃から、ヴェーダの宗教観は、外的な儀式中心から、内面的な探求へと変化していきます。この時代の思想を代表するのが、「ウパニシャッド」と呼ばれる哲学書群です。

ウパニシャッドでは、宇宙の根本原理である「ブラフマン」と、人間の魂である「アートマン」の本質が探求され、両者は本質的に同一であるという、「梵我一如」の思想が説かれました。

この思想は、後のヒンドゥー教における、神と人間の関係性、そして、解脱 (モークシャ) の概念に大きな影響を与えました。

 

3. 三大神の台頭:ヒンドゥー教の形成 – 創造、維持、破壊のサイクル

紀元前後の時代になると、バラモン教を基盤としつつ、新たな神々や思想を取り込んだ、ヒンドゥー教が形成されていきます。

そして、この時代、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーという三柱の神々が、ヒンドゥー教の最高神として、重要な地位を占めるようになります。

  • ブラフマー: 宇宙の創造神。四つの顔と四本の腕を持ち、ヴェーダを象徴する蓮の花の上に座っています。

  • ヴィシュヌ: 宇宙の維持神。青い肌と四本の腕を持ち、法と秩序を守護します。様々なアヴァターラ(化身)として地上に降臨し、人々を救済します。

  • シヴァ: 宇宙の破壊神。破壊と同時に、創造の力も持ち、瞑想と苦行を好みます。

ヒンドゥー教では、宇宙は、創造、維持、破壊という、永遠のサイクルを繰り返すと考えられています。ブラフマーが宇宙を創造し、ヴィシュヌがそれを維持し、シヴァが破壊することで、新たな創造へと繋がっていくのです。

 

4. 神話と象徴:三柱の神々の多様な姿 – ヒンドゥー教の奥深さ

ヒンドゥー教の神々は、多様な姿で描かれ、それぞれに複雑な神話や象徴体系を持っています。

  • ヴィシュヌ: ラーマ、クリシュナ、ブッダといった、様々なアヴァターラ(化身)として、地上に降臨し、悪を滅ぼし、正義を回復します。

  • シヴァ: 破壊神であると同時に、瞑想者、苦行者、そして、芸術の守護神としても崇拝されます。彼の象徴であるリンガは、創造力を表しています。

  • ブラフマー: 創造神として崇拝されますが、他の二神に比べて、神話や信仰は少ない。

これらの神々は、対立する存在ではなく、互いに補完し合い、宇宙のバランスを維持する、三位一体の存在として理解されています。あくまでもヒンドゥー教の解釈となります。

 

5. ヒンドゥー教の多様性:一神教と多神教を超えて – 包括的な精神世界

ヒンドゥー教は、一神教でも、多神教でもありません。それは、多様な神々、神話、そして、哲学体系を包含する、複雑で、柔軟な宗教です。

ヒンドゥー教徒は、自分の選んだ神を、唯一絶対の神として信仰することもあれば、様々な神々を、それぞれ異なる側面を持つ、一つの神 (ブラフマン) の化身として崇拝することもあります。

 

6. 現代社会におけるヒンドゥー教:伝統と変容 – 進化し続ける宗教

ヒンドゥー教は、古代から現代まで、長い歴史の中で、様々な変化を遂げてきました。外来宗教との接触、社会変革、そして、近代化の影響を受けながらも、その本質的な精神性は、脈々と受け継がれています.

現代社会において、ヒンドゥー教は、インドだけでなく、世界各地に広がり、ヨガや瞑想といった実践を通して、多くの人々の心を惹きつけています。

 

ヒンドゥー教:多様性と深淵なる精神世界

ヒンドゥー教の神話と神々は、古代インドの人々の宇宙観、生命観、そして、精神性を理解するための、貴重な手がかりを与えてくれます。

それは、私たちが、自分自身の内なる世界を探求し、宇宙とのつながりを感じ、そして、より高次な意識へと向かうための、インスピレーションを与えてくれるのではないでしょうか。

 

 

ヨガの基本情報まとめの目次は以下よりご覧いただけます。

 

 


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Kiyoshiクレイジーヨギー
*EngawaYoga主宰* 2012年にヨガに出会い、そしてヨガを教え始める。 瞑想は20歳の頃に波動の法則の影響を受け瞑想を継続している。 東洋思想、瞑想、科学などカオスの種を撒きながらEngawaYogaを運営し、BTY、瞑想指導にあたっている。SIQANという日本一簡単な緩める瞑想も考案。2020年に雑誌PENに紹介される。 「集合的無意識の大掃除」を主眼に調和した未来へ活動中。